Road to 音大⑫音楽学校体験4日目~提案とギター
前回のあらすじ
音楽学校体験4日目にしてプロの人に褒められていい気になる
学校の講師でもあるプロの作詞家の見解をまとめると、
ぼくには誰と会って何を話そうが否応なしにプロになってしまうほどの圧倒的な音楽の才能は無かったけれど、人との出会いや出会い方次第でそうなっていた可能性がある。
だいたいそんな感じ。
実際そんなところだろう。うすうす自分でもわかってた。
それでも結果を出している人にそう言われて、、
「惜しいところまでいたんだな。もうちょっとがんばれば、、もうちょっとうまくやれていれば今頃、、」
そんな残念な思いにはならなかった。
それよりも、ぼくが目指していた音楽の美しさは
「やっぱり正しかったんだ」という思いでうれしくなった。
提案
その後、作詞家の先生はびっくりすることを言いだした。
「だから、もしこんな曲が書けるんだったら…」
「作曲や、何なら作詞もいろいろぼくの周りでコンペとかあるから出してみない?ある程度やればたぶん行けると思うよ」
え?
えええ??
ぼくが再び音楽を始めようと思ったのは、完全な趣味。
少し人よりも早く始まったサイドFIRE後をより楽しむため。
仕事にする気なんて、というか仕事になる可能性はまったく想像もしていなかった。
なるほど、これが先生の言う「出会い」っていうやつか!
しかし、1つ正直に言わないといけないことがある。
「実は、25年ブランクがあるので今こんな曲が書けないんですよ、、」
「自分の曲を聴いてても『なんでこんな曲が書けたんだろう』という感じで、、」
「きっと今曲を作ったら『この曲を作ったのもお前じゃないだろう』と言われてしまうかも、、」
「だからもう一度この品質、できればこれ以上の曲を書くために音楽漬けになろうとしてるので、、」
「良かったら今後もアドバイスが欲しいです!」
この時点で、ぼくは音大に行かないことが決まった気がした。
せっかくの出会いがあったのだから。
もしそれで学校の内容が物足りなかったら、その時また音大への進学を考えればいいか、と思った。
休講とギター
③ドラム入門は残念ながら休講。
このためにドラムスティック買ってきたのに!
④レコーディング実習では、
「今日はギターの録音を実際にやってみましょう」という授業をやっていた。
流していた曲を聴いてみると、シンプルでゴキゲンなロックサウンド、という感じ。
配られた譜面を見てもそんなに難しくはないなー、と思った。
肝心のギターを誰が弾くの?という話になった。
「あとでギター弾ける人が来るけど、、」
「他に誰かギター弾ける人いませんか?」
あ、これフライトでの
「お客様の中にお医者様はいませんか?」と同じ憧れのやつ!
昔のぼくは「誰か手を挙げないかなぁ」と下を向いてただろうけど、歳を重ねたぼくは少し違う。
「たぶんこれ弾けると思います。ギターさえ用意できれば、、」
その結果、急遽学校に保管されている貸出用ギターを使ってぼくが弾くことになった。
手を挙げてみたものの、緊張に襲われる。
最近ベースばっかりで半年くらいギター弾いてないんじゃない?
その前は25年くらい弾いてなかったのに、大丈夫!?
そこから先、ギターのサウンド作りや録音の仕方の講義はぜんぜん頭に入ってこなかった。
まちがえませんように、ちゃんと弾けますように。。
そんな中で、1人の学生がぼくに話しかけてきた。
「私もフィッシュマンズのライブ、去年行ったんですよ。妹が好きで、、」
ぼくのフィッシュマンズTシャツ、ちゃんと見られてた!
ちょっと緊張がほぐれた。
いよいよギターの録音。
満点とはいえないけど、久々にしては十分なプレイができた。
プレイルームからエンジニアルームに戻ると、みんなが拍手で迎えてくれて、ちょっと照れくさかった。
極限の緊張状態でギターを弾いたこの曲、夢に出てきそう。
体験も残り2日。月曜日は何のTシャツ着ていこうかな