One more time
月曜日から仕事が始まった。
「月曜日から」って、昨日でしょ?と思った人は、体内時計が正常に働いていることを、誇りに思うべきである。
私の体感では、この月曜の朝から、時間が経つのが明らかに遅くなっている。まず、朝起きて、仕事に行き、出勤している間じゅう、仕事のことを考えているのがつらすぎる。自らがかけたアラームに絶望の始まりを知らされ、ほとんど泣きながら満員電車に乗り、大した仕事もしないくせに、何故か歯だけはむやみにくいしばって過ごしている。
念のため言っておくが、私は、ブラック企業に勤めている、とかではない。本当のところを言うと、環境はさほど悪くなく、周りの人にもわりに恵まれ、運もいいほうだと思っている。つまり、こんなことを書くと驚かせてしまうかもしれないが、私はなんと、ただ単に、やる気がない、怠惰な人間なのである。
一般的に、このような怠惰な人間は、こんなにも堂々と「怠惰なのである」とか言っていられるわけがない、と思われている。ふつう、怠惰であることは、後ろめたいことだからだ。しかし、長い連休が明けて2日、すでに怠惰が後ろめたさを上回り、間違った自信が逸脱してしまっているのだ。
休み明けに朝からパキパキと仕事をしている人を見て一時的に不安になったが、「退職代行が最多」というニュースを見て、少しほっとした気持ちになった。
正月明けに、しれっと仕事をフェードアウトしようとした人の存在が、私を安心させてくれた。みんな休みたいよね~、仕事したくないよね~。
などと、愚者がまどろんでいるあいだに、日付をまたいでいた。
まったく、仕事が終わってからの時間は、箱根駅伝のランナーのごとくはやいし、寝たほうがいいのにだらだらと起きていたい、という心のせめぎあいは紅白歌合戦のようである。ああ、年末年始とは完全に別れ、もう戻れないとわかっているのに、いまだにこうして、生活の節々で思い出してしまうのだ。向かいのホーム、路地裏の窓、こんなとこにいるはずもないのに。
もう、今にも心のメンヘラが爆発し、SNSに意味深な投稿をしてしまいそうである。
忘年会もM-1グランプリも楽しすぎて、こんなにつらい思いをするくらいなら、もっとつまんない年末年始でよかったのに…!
などと、わけの分からないことを言っていないで、はやく明日の仕事に備えて寝るべきである。