2022-12-18 小説『銀河鉄道の父』門井慶喜
私の住んでいる岩手県花巻市の有名人といえば、宮沢賢治さんです。
市内だけではなく、岩手県全体が、宮沢賢治さんが遺してくれた世界観を享受しています。
私は他所からやってきた市民ですが、宮沢賢治さんへの印象としては、まぁよく理解はしてません。
岩手に来た頃から、どこか訪れればたいてい『宮沢賢治ゆかりの‥』といった案内や詩碑、モニュメント(種山の風の又三郎の像とか)があるわけです。
影響を受けやすい私は、そんな出会いを重ねるにしたがって岩手の景色や風土には、他にはない特別な何かを感じるようになりました。牧歌的な、暖かい、何かです。
『宮沢賢治さんかぁ。ちゃんと知りたいなぁ。』
漠然と興味はありましたが、どこから手を出してよいか、長いこと手を付けない宿題のようが気がしてました。
図書館に行けばいろいろと参考書はあります。ただ研究報告書みたいな視点のものが多くて、敷居の高さを感じてました。
展示会や、個人研究(インターネット)、個人出版、熱量のあるいろいろな媒体を歩いてみましたが、正直なところ偏っていたり、自己主張に陥っていたりして、他の賢治像を否定したり。
『リアルな賢治像』は私には理解出来ませんでした。
そんな折に出会ったのが『銀河鉄道の父』。
数ページめくって、『あ、これだ』と私にしっくり来ました。
宮沢賢治のお父さんの視点で、時系列で賢治を始め家族を描かれた物語は読みやすく、思想や視点がニュートラルで、さらに金言のような文章が散りばめられていました。
『質屋に学問はいらん!』という昔気質の父と、まっすぐ夢を追いかける兄・賢治。
ふたつの生き方が交錯して、やがてまっすぐ向き合い、終にお互いを理解するとき‥。
とても、感動しました。
講談社の門井慶喜「銀河鉄道の父」特設サイト
映画化もされますよ😀
以下、余談です。
おとといと今日の、読書日記。
子供がコロナで、私が濃厚接触者。
5日間の外出自粛。
家にいる時間が長いので、普段なかなか出来なかった読書に没頭してるわけです\(^o^)/
幸い子供は発熱ぐらいで、いまは熱も下がり、暇だ暇だと騒いだり、食べても食べても腹減ったとか、なんとか。
そんな主張を聞いて、なぜか幸せを感じます。
外はまた雪が降りました。雪で遊ぶ雀には申し訳ないけれど、ちょっと外出て雪かきしなきゃ。