【登山】風と雨の早池峰山
金曜の夜は、頭が冴えてしまって寝付きが悪く、モヤモヤしたまんま土曜日の朝3時を迎えてしまった。
晴れの予報も玄関開けたら小雨。でも行く。
早池峰山へ向かう途中に、立派な角を構えたホンシュウジカ。キョトンとこちらを振り返る。そんな季節になったんだね。
登り始めは気温16℃。シャツ1枚でちょうどよい気温。御門口に出ると、
風が冷たいので、ソフトシェルを羽織る。2合目からはさらに冷えてカッパ着用、着た途端に雨がパタパタ振り始める。
汗をかかないように、汗を冷やさないように、ペースに気をつける。
下を向いて黙々と登る。雨音が良い。
五合目まであっという間に着いた。
御金蔵の中で休ませていただく。
偶然なのか必然なのか不思議なのは、御金蔵に身を置くと雨風が完璧に凌げるということ。隙間には細かい石が詰めてあるが、この巨大な岩石が、まるで擦り合わせたように「蔵」を成している。
お菓子をポリポリ食べながら蔵の中から見る風景は、草紅葉が目立って秋を感じさせた。
ここから上の竜ケ馬場は風衝地。風と雨に打たれながら小股で歩く。
風のピークを越える。
天狗の滑り岩の二段ハシゴを超えると、また少し風が出る。首筋を撫でる風は、カラリとしていて、雨雲を超えたことを実感。
コロコロ岩ゾーンで気を抜いてしまった。右足を滑らせて一瞬で転倒。左肘を打って、右回転しながら、岩の懐に収まるようにして、リュックを受け身にして倒れた。
左の太もも、外側を打ったらしい。打撲のしびれが治まるまで安静にする。怪我、衣服の損傷、落とし物はないか確認。
あとから首が痛くなったりするから、1週間は無理に伸ばさないで安静にする。
雨に濡れた蛇紋岩は本当によく滑る。岩が硬く、雨などの水分の吸収が少ないからだという。
幸い打撲のみ。これも何かの教えだろう。
山頂で参拝。
雨に濡れて陰影がハッキリ見える十一面観音様。
山頂で雲がゴロゴロ鳴る。雷か。思えば、1回目の登山のときにも雷に見舞われたな。41回目の今日も、光るわけでもなくゴロゴロ。良い兆しかも知れない。
下山していると、
空が明るくなり始めた。でも晴れそうで晴れない。今日は晴れの予報だったのにと、皆さん異口同音。
黙々と降りていると、天狗の滑り岩を過ぎたあたりで、
一瞬の晴れ間!思わずみんなで「わー!」っと声が出た。晴れた先にはどこまでも雲海があって、空の青さに心が洗われる思いがする。今日来られて良かった。
その雲海は、薬師岳で分断されながら、東から西へゆっくり流れていく。また雲が早池峰を覆ってしまった。
ちょっとホクホクしながら、黙々と下山。
お花も終盤。
昨日まで天気良かったから、クジャクチョウがたくさん集まっただろうな。
山頂直下のオトギリソウは、雨が降ると水玉をたくさん身につけている。
淡いのから濃いのまでまだたくさん見られた。強風に吹かれても、折れないしなやかな茎。強いな。
ツボミが開いた中の白玉がパチっと開く。清廉。
ベッコウ飴みたいに、光沢を得てよく目立っていた。
雨が降ると潤うもんね。
ちょっと今年は勢いが無い。
夏の花が終わると、1合目から見渡す限りにナンブトウウチソウが風に揺れる風景。
夏場から違和感を持っていたが、ハリ・ツヤがない。いつぞやのように、モフモフを食われてしまった印象も無いが。
こういう年もありましょう。
車に戻って、ここでお昼を頂いて帰路に。
平地は夏空、
ドキドキしながら走る。
それを目にしたときは嬉しかった。
「ぶどう」ののぼりが立っていた!
先週、開園前の「偵察」行動は「開園遅れてすみません、先週、来てましたよね(笑)」とちゃんとバレていたが、今年も開園して頂いたことが嬉しかった。自宅用とお土産用で盛り合わせを2つ頂いて、今は冷蔵庫で冷やしている。9月の楽しみ。
帰宅して困ったことに、
シロ君が玄関先で涼んでいた。家に入れない。シッシッてやるのは嫌い派なので、家にいた子供にラインして猫を誘導してもらう。
猫ファーストの家。
平地はまだまだ暑いからなあ。
天気が良かったら薬師岳にも登るつもりで、それなりの荷物で臨んだ今日。リュックサックは、コンプレッションがたくさんある35Lが使いやすく、フィッティングも細かく調整できるので、背負うととても軽く感じる。振り返れば14年選手だ。
アウトドア用品はほんと長持ち。学生時代から使ってるものもまだあって、25年生も。買い換える要素は何も無いが、常に何か欲しいと新しいものを見て回る日々。
今日も変わらずに自分を発見できた、印象的な早池峰山でした。