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いい空へ放つもの

1/24(水)はドカ雪となりました。

シャーベット状の雪はよく滑ります
北上するとだいぶ減りました

ここ数年は雪の降り方が変で、短時間でドカっと積もるときがあります。

『車が落ちる』なんて表現しますが、スリップしたり、道が分かりづらくなっていたりして、堀や側溝に脱輪する車が多発したりもします。

数年前に私も落ちてしまいまして。民家のない真っ暗な田園地帯。夜の9時半。

まずカミさんに電話。

次はJAFに電話。
『今混んでて〜、
    明日の夕方には行けるかと…』

連絡したほうが良いのかな?と警察に、
『他の車の通行の妨げじゃなければ、
   近隣のレッカーを依頼してください』

それではと、近隣のレッカー、
『雪で混んでて……』

そうだ保険屋さん、
『近隣のレッカーさんに…』

あぁ絶望。
掘ってだめなら置いて歩くしか無いか。

たまに通る車の方が、声を掛けてくれたり脱出を手伝ってくれたりする。申し訳なくもありがたい。

しかし車は微動だにせず、何回目かの孤独が始まる。そろそろ置いて帰るしか無い。気温はマイナス13度。

遠くからハロゲンの明かりが近づいて来る。通り過ぎるやと思ったていたら、ハリの良い声、
『ハマったのー?
    何台目かな?
    よし、やるぞ』
助手席から人が飛び出て私の車の運転席に乗り、声の人はナイロンスリングとシャックルを車と車で繋いでいる。

『お兄さん離れてねー』

『よっしゃ、ショックで行くぞ、
    ハンドル右にきっとけ!』

ナイロンスリングが緩む距離まで前進したら、そこから一気にバック、ナイロンスリングがピンと緊張した瞬間、私の車がすっぽりと抜け出しました。

『足回り、見てもらったほうがいいよ、
    んじゃ、俺ら現場行くんで』

近くの運送会社の方で、自社トラックも雪で立ち往生してヘルプに向かう途中、私も助けて頂けました。

何度もお礼して、軽油の排ガスが消えるまで見てました。また訪れる静寂に心を静めます。電話したところに、復旧の報告をしました。

どちらも本当に喜んでくれて、本当に申し訳なかった。特に警察の方。もう1回110番してみたら、ちょうど最初の方が出てくれました。女性の方でしたが、涙声で良かったです〜!って言ってくれて。
こちらも声が震えてしまった。

(もう1回に110番して『大丈夫でした!』って。今考えるとおかしいかも…)

もうこんな時間だし、街の方へ戻って宿を取ろうと国道へ出たら、上下線とも大渋滞。わー。

さらに、何台も車が落ちている。雪をかぶっているので、運転手はいない模様。徒歩かお迎えで帰られたのでしょう。私はほんとに、運が良かったのかもしれません。

さて。腹を決めて、宿ではなく家に帰ることに。歩くより遅いスピードで、3時間掛けて帰宅しました。

ガソリンは満タンだったので暖を取ることが出来たことと、たまたま残ってたペットボトルの水で喉を潤せたのも運が良かったこと。

事故は一瞬。調子に乗ったあの瞬間が、みんなに迷惑を掛けることになる。幸い誰かを巻き込んで怪我をさせるような事態に至らなかった事をラッキーと思わない。

安全運転は大前提として、車に食料と寝袋を装備するようにしました。

この1件で学んだことです。


ともあれ、どんなことでもそうかもな。

過信しない。
慢心しない。
気を抜かない。

てもそんな事ばかり考えたら、頭が疲れます。

今日の晴れ間のように、風と空気を味わって、青空を抜けていく雲を眺めて、止まってボンヤリしてみる。

そうやって頭の緊張を解放すると、本当に必要な情報がスッと入ってくる。気がする。

冬に、こんな青空が見られる幸せを感じます。

例年は最も陰鬱な時期。
だから、あの雲の上は晴れてるんだな、とかあまり人に聞かせられない想像を描いて、自分という基準から逸脱しないようにしてきました。

まぶたを閉じれば見えた空、
今年はありがたい。

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