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重要な局面において、説明が足りないというのは、致命的なんですよね。

以前、こんなことがありました。


僕、その当時、ある病院の事務の責任者をしていました。

ある日、病院と離れた事務所でデスクワークしていると、

「地下から火が出ている、火災報知機が鳴ったようです」

と僕の携帯に連絡が入ったんです。

で、僕は、慌てて現場の一番に臨場しているであろう施設責任者に僕の携帯に状況説明の連絡をいれるように指示し、連絡を待ったんです。

そう、ここで自分が”現場に直行!”みたいに下手に動いては、事と次第によっては、各方面に指示を出さないといけないので、指示だし者がウロウロしてたのでは、現場が混乱するからです。

それにしてもこんな真っ昼間の患者がごったがえしている時間帯にえらいこっちゃ!

状況によっては、避難誘導しないといけない!消防には連絡入れてるのか、現場で消火しきれるレベルなのか、緊急火災対策本部の立ち上げが必要なのか、瞬時にいろんなことが頭の中を駆け巡り、状況に応じた次の対策シュミレーションを計算しながらも、とにかく現場責任者からの連絡を待ったんです。

やがて、5分ほどして連絡がきました。

現場責任者:「あ、〇〇です」

私:「ご苦労さん、状況は?」

現場責任者:「大丈夫です。特に問題ないです・・・・・・・・」

私:「???火は消えたの?」

現場責任者:「はい、ちょっとしたボヤさわぎです」

私:「ボヤ…ってどういう…、けが人はおらんのやな?被害状況は?」

現場責任者:「はい、大丈夫です」

私:「ほんで?」

現場責任者:「以上です」

・・・・・・


これ、「ああそう。ならよかった」で終われます?

シンプルすぎません?この報告。

結論さえ言えばいいと思ってるんです。

原因は何か知りたいんですよ。経緯を知りたいんですよ。どう大丈夫なのか知りたいんですよ。

もしかしたら、何も判明していなくて、これから調査するのかもしれません。

憶測で言って、間違った情報が流れるのを防ごうという意図があるのかもしれません。

だから、情報が無くて報告することがないと思ったのかもしれません。

でも、それは説明不足なんですよね。

あなたが現場で調べて分かったことを知りたいんですよ。

「おそらく、こういうことかもしれませんが、まだ原因は調査中です」とか、「何らかの原因で煙が上がったのに火災報知器が反応したようです」とか、「これから消防が来て調査します」とかね。


説明不足なことって、多すぎません?

こんなことも思い出されます。

ひとりで仕事をしていたら、部下が外回りから帰ってきて、僕に聞くんです。

「ねえ、部長、誰か尋ねてきませんでした?」

「いや、誰も来んかったよ?どうしたん?」

「いえ、だったらいいんです」


いやいや、こっちはよくねえよ!

その質問されたら気になるやんか!

その人物は何者を想定していたのか、誰か尋ねてくるはずだったのか、なぜその質問を私にしたのか。

もしかして、お前は何かトラブルとか、特別な案件を抱えているのか…とにかく

報連相しろよ!

とブチ切れたことがありました(笑)


緊急事態宣言が今なお継続中でありながら、オリンピックが中止にならないのには、説明が必要なんですよ。


劇場はOKだけど、映画館や美術館は禁止というのには、説明が必要なんですよ。

だって、矛盾してるから。


今年の経営は苦しいから、夏のボーナスはカットです。これ、説明が足りないんですよ。

だって、職員はどう苦しいのかがイメージできないから。


リーダーの菅さんに圧倒的に足りないのは、ここなんですよね。

「やっちゃダメ」と言われたことじゃなくて、納得がいかないことに人は憤るんです。


逆に立場で考えてみてください。

そんなとき、自分が知りたいのは何かって。


説明には型があります。

「〇〇です」「〇〇お願いします」

って結論いったら、「理由は〇〇だからです」ってつなげてください。



ね、簡単でしょ。



ふと、そんなことをモヤモヤ考えていました・・・





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