PR代理店の「パーセプションチェンジが得意です」という発言に「ん?」とした話
先日、とあるPR代理店から提案をいただきました。
そもそも、私たちの商品への理解が低かったという点がマイナスポイントなのですが…その上で、ディスカッション中に代理店のプランナーの一人がタイトルのような発言をしてきました。
私も前職、PR代理店で働いていました。そして今は事業会社にいます。事業会社で働いていて思ったことは、
ということ。
この違和感を感じれたのは、自分が今、マーケティング部に所属しながら営業活動を行えているからだと考えています。それはどういう意味か。
今回は、事業会社で働いて感じたことをまとめていきます。
1. PRの成果を図るピラミッド
PR代理店やPR発想を軸に企画を考えている人ならお馴染みのピラミッドがこちら↓↓↓
PRの成果は、ステップ1「認知の獲得」、ステップ2「認識の変化」、そしてステップ3「行動の変化」で考えることができます。
PRの真の力を発揮すれば、単なるメディア露出=パブリシティをとるのみならず、生活者の認識を変え、そして、行動までも変えてしまう。
そんな仕事を百発百中、どんな商品でも、世の中がどんな雰囲気でも、予算があっても無くても実行できる人はほぼいないと思います。
それはなぜか…事業会社側が土台を作れていないからだと現時点の私は解釈してます。
2. プレトライブづくりのマーケティング活動&プロダクト改修
ピラミッドの下にもう一つこのような階層を付け足してみました。土台づくりの階層です↓↓↓
最近の潮流(?)でしょうか、「トライブ」という言葉が使われます。
よく提案とかで、
なんて使われています。ただ私が思うことは、
と。
現時点で、私の出した答えの一つは、プレトライブづくりのマーケティング活動&プロダクト改修が必要であると。プレトライブは私がつくった言葉です。
私は今、マーケティング部でマーケティング業務をしながら、プロダクトの営業活動も行っています。
営業活動では、早々に「あ、もうこの商談無理だな」と感じることが往々にしてあります。そうしたら私は、その商談時間をフィードバックの時間に切り替えます。
などと話し、それらフィードバックをスプレッドシートにまとめてプロダクト改修に役立てています。
・地道なリードジェネレーション(オウンドメディア、広告、ウェビナー、広報/リリース)でちょっとずつ商品の認知を広げる。
・地道なリードナーチャリング(マーケティングオートメーション、インサイドセールス)でちょっとずつ利用者を増やす。
・地道なフィードバックで、プロダクトを使いやすく改修する。
このような活動が土台としてあって、プレトライブ(トライブと自覚する前の人たち)を生み出す。
そんなプレトライブに、PR施策のステップ1に該当する打ち手(例:メディア露出や意見広告など)を当てることで、「あれ、うちらって似てる…?」と自覚し、プレトライブからトライブに昇華される。
そんなトライブが、PR施策のステップ2に該当する打ち手(例:メディアでの討論、Twitterでの賛否両論など)と接触することで認識の変化が起こる。
複数のトライブが認識の変化を起こし、社会現象が起きる(例:社会記号が生まれる、賛同企業が集まるなど)ことで、結果的にステップ3「行動の変化」につながる。
と私は考えています。
3. 提案は嬉しいけども…
代理店からの提案はすごくありがたいです。他の仕事も抱えている中で、私たちの商品のことを考えて、企画を練ってくださる。受注するかどうかわからないのに。
しかし、「世の中を動かします」「パーセプションチェンジが得意なので、」「PRでマーケーティング支援します」などと説明されても、「おうおう、ちょっと待て待て」となっちゃいます。
事業会社側の組織構造や地道なマーケティング活動&プロダクト改修が間に合っていない中で、その事情をすり合わせることなく大きなことを言うのは…ちょっと違うのかなと。
(思い返すと、かつての私もそうでした。事業会社側のリアルを知らずに、提案をしていたなと。)
「PR施策〜刈り取りまで、一気通貫して提案します」と言ってくれることもありますが、その前に土台づくりを一緒にやってくれる、そこに目を向けてくれる提案が欲しいのです。
(もしまた代理店で働くようなことがあれば、そうしたとこまでフォローできる提案をしたいです)
私の関わっている商品は、まずは土台づくりのフェーズ。そこに真摯に向き合って、その上でぜひPR施策にチャレンジしたいなと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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