たぶん私のオールタイムベスト|その2

今日は、地元から少し行ったところにある中華料理屋さんで夜ご飯を食べた。定食が安いのにたくさんで美味しい。すごく大きな唐揚げがセットでついてくる。いつもはニラレバ定食を頼むけれど、今日は初めてコマ切れ定食を頼んでみた。何味なのかわからなかったけれど、豚のコマ切れがたくさん入っていておいしかった。おなかいっぱいだ。
オールタイムベスト。やっぱりなんだかいい響きだ。その2はアニメについて書いておきたい。アニメ編、はじまり。


好きなアニメ①電脳コイル

以前、「好きな映画は何か」と聞かれたときにどう答えるか、という事を書いた。私は同じように、「好きなアニメは何か」と聞かれたときに答えるアニメを2つほど決めている。その1つが『電脳コイル』というアニメだ。このアニメは2007年放送、原作・脚本は磯光雄さん。言うのが下手なので、あらすじはNHKアーカイブスを参照してほしい。簡単に言うならば、「電脳メガネ」という拡張された現実(AR)を観ることができるメガネを手にした子供たちの物語という感じだ。舞台は202X年で、調べたら「Apple vision pro」というAppleから今発売されているデバイスは相当「電脳メガネ」にいい線行っているように思える。近いうちに、電脳コイルのような日常が訪れるのかもしれない。
電脳コイルを初めて観たのは、たしか小学生のころだった。NHKっ子、というかNHK家だったのもあり、なんとなしに見てたNHKのチャンネルでやっていたのを観たのがきっかけだった。その時に全話観ていたかは覚えていない。私が覚えていたのは、「サッチー」や「オヤジ」というキャラクターの絵をよく書いていたこと、やたら「うんち!」というキャラクターがいたことくらいだった。それから時が経ち、サブクスか何かで見つけたことによって私は再度、電脳コイルと出会うこととなった。その時のメモにはこうある。

(電脳コイルは)「触れられないもの」と「触れられるもの」の話。霊的なもの、電脳的なもの、感情、どれも「触れられないもの」

2021年4月14日のメモ

この時のメモをどんな気持ちで書いたかはもう覚えていない。正直、電脳コイルの話自体、どういう展開だったかあまり思い出せない。でも、このアニメを通して「喪失にどう向き合うか」や「触れられるもの/触れられないもの」についてものすごく考えたことは覚えている。それには『電脳コイル』24話での主人公のセリフも大きく影響している。すごくいい文章(セリフ)だと私は思う。このアニメは全体的にトーンが暗く、どこか鬱々とした空気が通奏低音としてある。あとちょっと用語などが難しい。そのため万人に受けるアニメではないと思う。私も初対面の人に勧めるかといえば、勧めない。ただ、私にとってとても大切なアニメだという事に限る。もし気になった人がいたら、下にリンクのあるバンダイチャンネルで1話が観れるみたいなので、観てみて欲しい。果たして電脳コイルのような世界になるのだろうか。


好きなアニメ②日常

「好きなアニメは何か」と聞かれて私が電脳コイルの他にもう1つ挙げるのが、『日常』だ。原作者はあらゐけいいちさんで、制作は京都アニメーション、あの有名な京アニだ。調べたところ、テレビ放送は2011年から。私は、電脳コイル同様、NHKで放送されているのを観たのが初めだった。『日常』には、いわゆるストーリーというストーリーみたいなのはない。主人公たちの通う「時定高校」と、「はかせ」と「なの」というキャラクターの住む「東雲研究所」の日常を中心に話は描かれていく。私はあらゐけいいちさんの書くシュールでポップでナンセンスな会話や起こる出来事が好きだ。聞いていて、見ていて、とても楽しい気持ちになる。「みおちゃん」がブチぎれる回と、「ゆっこ」があたふたする回が私は大好きだ。アニメの主題歌は、「ヒャダインのカカカタ☆カタオモイ-C」と「ヒャダインのじょーじょーゆーじょー」で『日常』は観たことないけれど、この曲は知っている人がいるかもしれない。
どうしても、私が文字にすると陳腐な感じがするけれど、日常の連続性みたいなのをすごくチャーミングに描いているアニメだと思う。小さな出来事が小さな出来事を呼び、つながっていく。その連続性が面白おかしく描かれている。難しい話はなく、両手を離して楽しむことができるアニメだ。電脳コイルと比べたら、万人受けするタイプのアニメかもしれない。それは、それぞれの良さゆえだけど。
そういえば、原作者のあらゐけいいちさんの『CITY』という別の漫画が、同じく京都アニメーション制作でアニメ化することになった。嬉しい!めでたい!楽しみに待っていよう。楽しみ。


好きなアニメ③四畳半神話大系

以前、京都に行ったきっかけとして紹介したのがこの『四畳半神話体系』だ。原作者は森見登美彦さん。『夜は短し歩けよ乙女』や『ペンギン・ハイウェイ』でその名前を知っている人が多いかもしれない。下に挙げたホームページによれば、この作品は森見さんの初の映像化作品だそうだ。脚本は劇団ヨーロッパ企画の上田誠さん。上田さんは2017年に『来て駆けつけるべき新世界』という戯曲で岸田國士賞を受賞されている。最近では、『リバー、流れないでよ』という映画が話題となっていた。
四畳半神話大系の魅力は、まず森見さん独特のセリフ回しにある。小気味がよくて、リズムが良くて、ユーモラスで滑稽で可笑しい。私の形容はどうもうまくないので、ぜひ下に挙げたリンクから1話を観てみてほしい。独特かつ、ものすごくセリフ量の多いモノローグを、声優の浅沼晋太郎さんが見事に演じ切っている。私は中でも、小津というキャラクターが好きだ。主人公に付きまとう、彼自身の言葉を借りれば、「愛」のあるキャラクターだ。声優は吉野裕行さんが務めている。吉野さんは『SKET DANCE』のボッスンというキャラクターも演じており、その声に私はとても馴染みがあったので好きだというのももしかしたらあるかもしれない。ともあれ、吉野さんの声と相まって小津はとてもいいキャラクターになっている。
他にも、現実とアニメーションを重ね合わせたアニメ表現や、特徴的なキャラクターデザインなどが四畳半神話大系の魅力としてあげられる。監督は湯浅政明さん、キャラクター原案は中村佑介さんだ。アジカンの主題歌「迷子犬と雨のビート」もとても良い。アニメをさらに魅力的なものにしている。
また、電脳コイルと比べてしまうが、電脳コイルと比べれば万人受けする作品だと思う。でも、少し難しいところもある。私も全然理解できていない。『夜は短し歩けよ乙女』が好きな人はきっと好きだと思う。『ペンギン・ハイウェイ』が好きな人は好きかどうかはわからない。でも、ぜひ観てみて欲しいと思う。ちなみに、『四畳半神話大系』の続編?である『四畳半タイムマシンブルース』が2年前に公開された。そちらも面白いのでよければ是非。私も薔薇色のキャンパスライフを送ってみたいものだった。


好きなアニメ④スキップとローファー

たびたび、私のnoteで出てくる『スキップとローファー』は間違いなく、複数の作品を選べるなら、私のオールタイムベストに入っている。原作者は高松美咲さん。漫画の方は『月刊アフタヌーン』にて連載中だ。アニメ放送は2023年から。漫画もさることながらアニメもとても良い。私は、漫画での高松さんが描く線も好きだし、アニメの優しい色使いも好きだ。どちらもすごく良い。そして、以前も書いたが声優さんの演技がすごい。特に、主人公の岩倉美津未に声をあてている声優の黒沢ともよさんが私はすさまじく感じる。とても岩倉美津未だ!という感じがする。黒沢さんは「Real Sound Movie」というYouTubeチャンネルでのインタビューにおいて、声づくりで大事にしている事の1つにそのキャラクターが「生まれ育った空間の広さ」を考えることを挙げている。そして、それらをもとに理屈で考えたり、想像したりして「低くて大きい」という美津未の声をつくったそうだ。声優を含め「演じる人たち」はすごいなと思う。とてもクレバーだ。
他にも私は、美津未の1学年先輩である兼近先輩が好きだ。声優は木村良平さん。木村さんの声によって、兼近先輩の素直さや子供っぽさ、まっすぐなところがより魅力的に伝わっていると私は感じる。演劇に向き合う姿勢もかっこいい。作中の言葉を借りるならば、美津未と合わせて2人は私にとって「眩しくて遠い」存在だ。でも、だからこそ好きなのだと思う。
下に挙げたリンクより1話が観れるので、気になった人方は是非観てほしい。アニメも漫画も熱くおススメしたい。アニメ2期の制作はまだ決まっていないが、私は待ち遠しい気持ちでいっぱいだ。漫画11巻と合わせて、楽しみに待ちたい。


好きなアニメ⑤進撃の巨人

言わずと知れた進撃の巨人を初めて観たのはなぜかイギリスだった。高校生の時、私は3週間ほどイギリスに短期留学で滞在した。宿泊はホームステイだったのだが、そこで私は確か2つか3つ年上のヒューとNetflixにある日本のアニメを見る会をした。いくつかのアニメを一緒に観たがヒューはハマらなかった。しかし、進撃の巨人だけは別で、ヒューは私が学校に行っている間も1人でアニメを観進め、夕食の席では「紅蓮の弓矢」をごきげんに鼻歌で歌っていた。「この曲が俺の頭をハックしてくるんだ」とヒューは言っていた。その後もあのキャラがどうのこうのと言っていたが、数話しか観てない私はヒューがなんでこんなハマっているのか全然わからなかった。ヒューは元気にしているだろうか。それから何年も経った去年、私は特に理由もなく『進撃の巨人』を観始めた。そういえば、ヒューと少し観たんだっけかなと懐かしみながら観進めていくと次第に「これはくそやばいぞ」という気持ちになってきた。そう、私も異常にハマってしまったのだ。今なら、ヒューの気持ちがとてもわかる。これは、やばい。ものすごく面白くてドキドキする。アクションも、ミステリーも、会話のやりとりひとつとっても、どれもスリルがあって面白い。好き嫌いはあるのかもしれないが、私は日常を描く回も大好きだ。そして、全部を観終わったときには壮大な神話を読んでいた気持になった。他のアニメを観終わった時とは違う、類を見ない感情になった。本当にものすごい作品だと思う。
是非、まだ観てない人は、少し時間はかかるものの、全話観てほしいと思う。「グロいだけでしょ」と切り捨ててしまうのはもったいない。私もそうだった。色んな人に是非観てほしい。わかりやすく面白いが、扱っている問題やテーマは重大なものばかりだと思う。外国の方におススメする日本のテレビアニメとしても『進撃の巨人』はいいかもしれない。私は、おススメの日本のアニメを聞かれたら『進撃の巨人』か『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』と答えようと思っている。国境を超えた安心の面白さがその2つにはある。
来月から「劇場版『進撃の巨人』完結編THE LAST ATTACK」が上映されるそうだが、まだ『進撃の巨人』を観たことのない人は観に行ってはいけない。たとえ好きな人に観に行こうといわれてもだ。調べるのもいけない。絶対にネタバレを食らってはいけない。サブスクかTUTAYAなどで借りて1話から地道に辿っていくことを勧める。面白さは、私とヒューが保証する。なんの証明にもならないけれど。心臓を捧げよ!


オールタイムベスト。書いていて思ったが、1つに絞らなくていいならこの5つのアニメは、十分に私のオールタイムベストといえる。でも、他にも好きなアニメはたくさんある。前述の『SKET DANCE』も『攻殻機動隊』も、『アイシールド21』も好きだ。本当にたくさんのアニメによって私は形作られてきた。今観進めている『HUNTER×HUNTER』もめちゃくちゃ面白い。
しかし、まだまだ観てない「古典」も多くある。毎年の新作アニメをクールごとにしっかりチェックしているわけでもない。前回以上に、ファンの人からしたら「何言ってんだ!」というのがあるかもしれない。その場合は、前回同様にこっそりと教えてほしいと思う。今回は、あなたのおススメのアニメを添えて。
オールタイムベスト。次は何があるだろうか。そもそもベストというのにいくつも挙げてしまってよかったのか。わからない。まあ、ここではいいとしよう。何か思いついたら、次も書きたい。前回と同じ終わり方だが、今がオールタイムベストな人生だといい。

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