さよならハンドメイド
妊娠が分かってから、何かに取り憑かれたようにベビーグッズを作っていました。
今考えてもおかしいくらい😅寝る間も惜しんで作ってましたね。
最初作ったのは、スタイ(よだれ掛け)か何かだったと思います。
その後、下着からロンパース、にぎにぎなどのおもちゃ、退院用の豪華なベビードレス。マザーズバッグやおむつ替えシート、ベビーカーマットや掛け布団、ベッドシーツに白の刺繍をいれたり…
ありとあらゆるものをつくりました。
2歳くらいまで、服は買わなくて済むレベルでした。
その後、近所のママ友に「ハンドメイドサークルをしてるから来ない?」と誘われて参加。
そのサークルで、とある会場を借りて、ハンドメイドワンデーショップをやったり。
その頃は、まだスマホは無い時代ですが、SNSが発達し始めた頃で、どこからともなくお客さんが大勢来てくれて、大盛況でした。
とてもとても楽しかったので、それが高じてネットで注文を受けたりして、ハンドメイド作家の走りのよーな感じでした。
しかし、次第にハンドメイド風の服や小物が市販品で出回り始め、珍しさがなくなってきていました。
大量に外注して本格的にネットショップを運営して行ける方が生き残っていくんだろうなぁと、漠然と考えていました。
趣味が高じて…だからか手間と収入が見合わないなぁとも感じていました。
そのうち、それを慈善事業と勘違いする人もたびたび現れました。
知り合いの知り合いという「学校行事でいるので作って欲しい。縫うだけだから」と全く面識の無い方から注文がきました。
材料が揃っていて、裁断も済んでいるので縫うだけでしたが、1〜2日かかりました。
出来上がりのメールで、たいそう喜んでいましたが、肝心の謝礼の事は忘れていたようでした。
一応、お仕事で受けていますのでと伝えると、小さな焼き菓子を持って、出来上がり品を受け取りに来ました。
彼女は笑顔で、ありがとうと言って帰っていきました。
それからは、知り合いの依頼は受けない事にしました。
ほとんどが、SNSやフリマのチラシからの注文でした。
「昔、着ていたワンピースをリメイクして娘に着せたい」と言うお母さん、
「好きな生地で作務衣を作って欲しい」というおばあさん、
「スリングを大量に作って欲しい」というショップ販売をしている方…
色々な注文を受けましたが、ある一定数は値引きを交渉されました。
しかし、私が今でもありがたかったのは、親友からの「幼稚園の学芸会の天使の衣装を作って欲しい」という依頼でした。
真っ白いサテン生地でワンピースを20着。
生地選びから全て任せてくれたので、近所の問屋さんで生地を仕入れ、一から作りました。
報酬は10万円ほどでした。
「安い!本当にこの金額でいいの??」と親友と園長先生が驚き喜んでくれていましたが、私は当時、専業主婦だったので、その10万円は飛び上がるほど高額で泣きたくなるほど嬉しかったのを覚えています。
それから、いつの間にかハンドメイドからは遠ざかりました。
サークルのママ友同士のいさかいや、子供が大きくなり手が離れたのを機にパートに出始めたこともあります。
けれど、一番の理由は、娘や息子がじぶんの好みの服しか着なくなったことです。
ママのハンドメイド店は、子供の成長とともにあったのです。子供たちが着なくなれば、ハンドメイド店は閉店するのです。
妊娠を機に始めたハンドメイドは9年で終わりを告げました。
今、子供たちは20歳と16歳。家を出て各自生活をしています。
もしかしたら、孫が出来たら、今度はババのハンドメイド店がオープンするかもしれませんね(笑)
それまで、まだハンドメイド本は置いておきますかね😊
それまで、さよならハンドメイド🧵