「怒るってむずかしい…」 40代営業マンが語る、部下を叱りたいときにどうするか?
「40’s Biz talk」は法人営業やBtoBマーケティングが専門の40代男性2人、杉本浩一と柳澤大介がお届けするポッドキャスト番組。
音声番組の内容を読みやすく要約してnoteでお届けしています。第75回は「部下を叱りたいときにどうするか」です。
それでは、本編の内容をお届けします。
若手の服装を注意した話
柳澤:今回の40s Biz Talkのテーマは「部下を叱りたいときにどうするか」です。
杉本:あー、私これは苦手だなあ。
柳澤:杉本さんは1年くらい一緒にPodcastやってても怒っているイメージとかまったくないですが、実際に怒ったり、叱ったりすることはありますか?
杉本:叱るのは苦手ですね、怒ったりもしないと思います。どちらかというと「自分が悪かったのかな」と思うようなタイプです。だから逆にどうすればいいのか自分が知りたいくらい。
ただ、若手に指摘したことはありましたね。仕事の内容ではないんですけど、服装があまりに乱れている場合です。一人暮らしの若い子とかたまにあるんですけど、シワシワのワイシャツを着ているとか、襟元とか袖口が汚れているなどですね。
柳澤:襟元めっちゃ気になりますよね。
杉本:そうなんです。これは営業としては問題なので、「自分では気づきにくいかもしれないけれど、お客さまはこう感じるよ」と伝えました。私自身も襟元とか袖元をしっかりするようになってから褒められたり成績が上がったことがある話を交えながら指摘したり。一緒に服を選びに行ったこともあります。
柳澤:えー、服を一緒に買いに行くんですか?
杉本:はい、ファッションは自信ないのですが、最低限きちんとしたワイシャツは持ったほうがいいと言ったりしたことはありました。ベテランの方には言いにくいですけど、若い人だと早く指摘してあげないとこのままずっと過ごしちゃうとかあるので。私自身、2年目のときコンビニで買った名刺入れを使っていて、それを上司に注意されたことがあります。
柳澤:エンプラセールスなのにコンビニの名刺入れですか?
杉本:そうなんです。チーム異動後の課長に「コンビニで買っただろう」と言われて。当時は自覚がなくて、言われて初めて「これはダメだ」と気づいたんです。なので、私も若手の子には早めに指摘するようにしています。
たとえば、自分で洗濯する余裕がないのもわかるから、ワイシャツを最低5枚は用意してある程度溜めてからクリーニングに出せるようにうまく回すとか、具体的にアドバイスしています。
指摘する方法に気をつけたり、指摘するときは良い部分と悪い部分をセットにするようにしています。今の服装の話の場合、「きみが頑張っているのは伝わるけれど、その服装が頑張りを台無しにしているよ」という言い方ですね。
「褒める」と「指摘する」の効果的な順番は
杉本:私は必ず良い部分とのセットで叱る派なんですが、意外と皆さんはやらないですよね。怒る時は怒ることしかしない人が多い。怒られた側からすると、悪く言われるだけだと全然やる気が出ないように思います。良いところを見つけずに指摘するだけなのはどうかと思うんですよね。
柳澤:確かにそうですね。ダメ出しばかりされると受け入れにくいですよね。
杉本:そうそう。そもそも叱るとか指摘するって相手を良い方向に導くためにやることですよね。それなのに、ただ指摘すれば相手が動くと考えている人が多いのは、素朴に疑問です。
柳澤:私も昔、上司に営業同行してもらった後、移動中にフィードバックされるタイミングで、いい点と悪い点の両方を言われました。最初にいいところ、次に悪いところ、という順番が多いですよね。
杉本:そうですよね。
柳澤:でも、ある上司は最初に悪いところをズバッと指摘してから「でもここは良かったね」と言ってきたんです。その時に私は指摘の響き方が違った気がして、順番を変えて指摘するのもありだなと思いました。
杉本:それ面白いですね。悪いところズバっと言ったあとに褒めるのは、ヤクザの恋愛学に似てますね。まず「オラあ!」って叱ってから、「でもお前の良いところはわかってるよ」って言うらしいですよ、同じ理屈かもしれません。
柳澤:あとから褒められると、最後ポジティブに終われるんですよね。
杉本:そうなんです。違う例になりますけど、とある売り上げの良いキャバクラの店長の叱り方は、柳澤さんが受けた叱り方と同じなんですよ。
柳澤:えー、そうなんですか?
杉本:はい。めちゃめちゃ悪く「全然なってないじゃないか」と言うんですけど、「ここはすごく良いよ」とセットで伝えて、キャストの女性も男性も伸ばしているそうです。
コロナ禍で実店舗が営業していなくてオンラインキャバクラが流行ったときに、いろいろなお店をまわって、ナンバーワンキャストの作法とか素養とかの話を聞いてたんですよ。その中でお店の店長さんの叱り方に特徴がある話なんかも出てきて。売り上げがいい店舗のマネージャーのマネジメント力ってすごいなと思ったんです。
ちなみに、そこのナンバーワンキャストは、必ず朝8時前後に自分の太客にLINEをして、お中元・お歳暮も欠かさず送って、最後は家族ぐるみで奥さんも含めてお店に来てもらうところまでいくそうです。
ちょっと話外れましたけど、いまの柳澤さんの話を聞いたら思い出しました。
柳澤:そう。あれはすごく上手いなと思いました。だから僕もそれ以来、結構使っています。
ボーダーを超えたら、意図的に感情を乗せる
杉本:でも、そもそも叱りたいときにどうするかをしっかり考えて叱っている人って少ない気がします。
柳澤:よく「褒めるときはみんなの前で、叱るときは個室や人に見えないところで」とかは聞きますよね。
杉本:変な叱り方をする人は、叱られた経験がないか、最近叱られてないとかで忘れているのかもしれません。でも叱り方はちゃんと考えるべきだと思いますね.
柳澤:私過去に何回かだけ、叱りたいを超えて怒鳴ったことありますね。
杉本:それはどんなとき?どんなふうに?
柳澤:展示会の準備をやっているときに、担当者の段取りが悪くて、周りの出展者はさっさと帰っているのに、自分たちだけなぜか右往左往してて30分経っても1時間経っても帰れなくて。1人の担当者が原因で他の5人も巻き添えになってしまっていて。1対Nで迷惑かけちゃってるみたいな場面では、怒りましたね。
怒るのって普段できないじゃないですか。だけど、あまりにひどいとき、ここぞというときには意図的に感情を乗せて怒るようにしてて。「ここは越えちゃダメなんだ」っていうボーダーを、みんなにちゃんと周知させるために意図的に、感情を押し殺しすぎないで怒ることはありました。
杉本:そうですよね、本当に非常線というか、一番最後のラインを越えてしまった瞬間えらいことになるぞ、っていうのを示すのは大事ですよね。
柳澤:そうなんです。1人だけで30分右往左往するならまだしも、5人巻き込んじゃうと5人×30分で損失が大きいですから、そういうときは怒りましたね。
普段と違う表情や態度で示す
杉本:なるほどね。私は意図的ではないんですけど、大変なときには「この人こんなふうになるんだ」っていうのを思い出しました。
部下ではなくて、代理店のパートナーの人たちなんですけど、約束を守ってもらえなくて。直販でないから優先順位が下がってしまったり、商品自体の魅力がどうとか理由はあるかもしれないんですけど、こちらも時間を割いているのに相手が動いてくれないし本気度が見えないみたいな。
そのときに私、普段はにこやかな感じでいるんですけど、あえて無表情で対応してみました。あえてというか、3割くらい意図的ですけど、7割くらい本気で。
柳澤:杉本さんの無表情は、すごく効きそうですね。
杉本:ええ。そのとき無表情で相手の目をじっと見つめていたら「これはただ事じゃない」と察したようでした。いつも陽気な杉本が反応も悪く無表情だったので驚いたようで、あれこれやりますと言って温度感が変わってきて、「わかりました、でも次回やらなければ考えます」と伝えたら、本当に動いてくれました。
同席していた部下にも「杉本さんにあんな表情があるんですね、相当ビビってたと思います。」と言われました。7割くらい素なんですけど、本当に怒っていたので表情に表さないといけないと思っていたので、普段の私と全く違う姿になったんでしょうね。言葉だけでなく、態度・雰囲気・表情で表すっていうのもありますよね。
柳澤:確かに、私も代理店セールス担当時代に、パートナーの方との間で似たような経験がありました。
杉本:パートナーセールスをしているとよくありますよね。本気になってもらわなければこっちも困るし、俺たちのやっていた稼働は何だったんだと。パートナーアライアンスの話はまた別の機会にしましょう。
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