私たちが注目している3つの有望スタートアップ
「40’s Biz talk」は法人営業やBtoBマーケティングが専門の40代男性2人、杉本浩一と柳澤大介がお届けしているポッドキャスト番組です。
音声番組の内容を読みやすく要約してnoteでお届けしています。第12回は「私たちが注目している3社のスタートアップ」です。
それでは、本編の内容をお届けします。
柳澤:40s Biz talkはじめましょう!先日、Xで「ポッドキャストでどんなテーマを聞きたいですか」みたいなアンケートを取ったところ、ダントツの1位が「注目しているスタートアップを教えて」でした。
今日はそれについて話しましょう。
杉本さんも、僕もスタートアップで働いているというのもありますし、関わる方もスタートアップの方が多いので、このテーマはたくさん話せると思うんですけど、杉本さんの注目しているスタートアップ、まず1社ありますか?
杉本さんが注目するのは生成AIによる電話応対SaaS
杉本:実は私、そんなに詳しくない方だと思うんですけど、その中であえて言うと、私が注目しているスタートアップは、株式会社IVRy(アイブリー)という会社です。
最近よく出てきますよね、アイブリーさん。
柳澤:よく見ますし、いま、いい人材がたくさん入っていますよね。
杉本:そうなんですよ、いい人材たくさん集めていらっしゃるなっていうのが、もうSNSからもよくわかりますし。
そもそも僕がアイブリーさんに注目したのって、生成AIが出たての頃に堀江さんの番組に出てたところ。いわゆる生成AIで電話の応対を作ってみましたみたいなところでバズって。
電話の応対って、例えば飲食店なら、「何名なんですけれども空いてますか?」とか、「お持ち帰りできますか?」とか色々な質問が来るじゃないですか。
だけど飲食店や旅館とかは人が足りてないし、いま話した電話対応って完全にコストじゃないですか。
そういったことをなんとかしたいのはずっと前からあった課題。それをChatGPTとかと組み合わせてサクッと解決して、まず華々しくSNSでバズりましたよね。
ちょうどいいタイミングで堀江さんとコラボして、堀江さんからも「これいいじゃん」っていうふうに言わせて、まずここで名前を覚えられました。
そこで認知を取ってからお金を投下して、業界の有名スタートアップのCTOや大きな会社のビジネス職の人達をガバッと採用していくっていうのができていて、まさに王道中の王道の動きをしっかりやられている会社。
ChatGPTが出てきたタイミングもいいですし、いま人手不足が顕在化してきてる中で市場も巨大。そこに対する認知を取るタイミングとか、お金をかけて人を取るタイミングとかもすごく上手いんじゃないかと思って。
「お前何様だよ!」みたいな感じかもしれないですが(笑)。外からはそう見える。
たぶんこれからも人が集まるでしょう。柳澤さんと僕が勤めていたメルカリも、以前は「人材のブラックホール」って言われてたじゃないですか?
伸びていくスタートアップって、人材のブラックホール的な要素があるんじゃないかと僕は思っていて。
みんなが「ここは活きがよさそうだ」って。腕に覚えがある人たちが、よし、ここでチャレンジしてみたいって思える雰囲気がブラックホールを作っていく。
それがいまアイブリーに起きてるなと思って、この会社を選びました。
柳澤:確かに、タイミングも良かったですよね。ちょうどコロナで。
杉本:タイミングも味方した部分は多分にありますね。タイミングを作り出すことはできないけど、タイミングにうまく乗る準備ができてたんだと思うんです。経営者の方と話したことはないので推測で喋ってますけど。
柳澤:僕はアイブリー使ったことがあるんです。
IVRyの成長戦略と技術活用
柳澤:うちはフォンデスクとアイブリーの両方を使ったので、それぞれのメリット・デメリットも知ってるつもりなんですけど。
両社とも主に中小企業向けで低価格。ウェブ上で購入できるモデルなんですよね。
いわゆるPLG型、プロダクト・レッド・グロースっていうビジネスモデル。 ウェブで申し込んで1ヶ月間無料トライアルして、そのまま有料につながるっていう形で営業は介在しない。
エンタープライズ企業には営業しているんでしょうけど。
杉本:エンプラ領域を攻めていくとすると、間違いなく営業が必要となっていくでしょうね。今のスタートアップは、基本的に低価格でグロースをさせていった後、あるいは途中でエンタープライズをしっかりと時間をかけて開拓していく準備をしている。
そこで利益をドンと上乗せして、非連続な成長を上げるみたいなのは当然考えてると思いますけどね。
確かクックパッドの方だったかな、CTOの方が書いたブログを読んで、そのブログがすごく良かったんですよ。
クックパッドでずっとやってこられた思いをとても丁寧に綴られていて、それで次に行くところがアイブリーって書いてあったんです。
その時に、ただバズってる会社じゃなくて人材を積極的にしっかり取ろうとしているのがわかったんです。 それで注目しはじめたっていう感じです。
柳澤さんはどうですか?
柳澤さんが注目するのは宿泊施設のキャンセル対策SaaS
柳澤:時間の限りもあるので紹介できて1〜2社だと思うんですけど、僕が注目しているスタートアップはPayn株式会社(ペイン)っていう会社。
杉本:ごめんなさい、勉強不足だな、知らない。
柳澤:ちょうど今日、資金調達のプレスリリースも流していて。どんな会社かというと、宿泊施設のキャンセル料の請求に関するサービスです。
宿泊施設ってチェックアウトの時に料金を支払うじゃないですか。後払い決済の場合、予約してたお客さんが来ないケースがよくあるんですって。
それは今まで泣き寝入りしてた業界なんですけども、Paynっていうプロダクトはキャンセルポリシーに則って、キャンセル料を回収するサービス。国内では類似サービスがないんじゃないかな。
杉本:確かに。いま聞いて思ったんですけど、飲食店とか宿泊施設のキャンセルポリシーってあるじゃないですか?何日前は何パーセントってあれですよね?
僕はキャンセルしたことないんですけど、実際にキャンセルポリシーが適用になった時、施設側は回収する手段がなかったんですか?
柳澤:施設側がお客さんに電話をして「払ってください!」って督促をすればいいんですけど。
杉本:ポリシー上そうなってるんだけど、追いかけてる時間もないし、手間だしってことで…。そういう状態なんだ、なるほど。
柳澤:その督促をやることによって、お客さんの体験も良くないじゃないですか。追っかけられるみたいな。再来店に繋がらない。
ペインの秀逸なところは、次のリピートにつなげる請求の仕方をするところなんですよ。
例えば、キャンセル料をお支払いいただいた代わりにクーポンを発行したり、次回来店時に50%オフみたいな形で。特典と共にキャンセル料を回収するので、お客さんが感じる体験がうまく設計されてるんですよね。
いまは宿泊施設がメインですけど、飲食店も将来的にはカバーできる領域だと思うんです。
杉本:そうでしょうね。僕も飲食店が最初に思いつきました。
柳澤:僕は社長と副社長が知り合いなんですけど、2人ともすごい優秀で、数年以内にさっき話題に出たアイブリーさん規模になる予感がしてます。
杉本:いいですね!しかも少人数で運営できるプロダクトなのかな。
柳澤:たぶん一定のキャズムを超えると、どんどん施設側から申し込みがくると思うんですけども。世の中になかったサービスなので、おそらくGoogleとかYahoo!の検索ボリュームは少ないはずなんですよね。
なので、一定期間は営業していく必要あるモデルだと思います。ただ、一度導入されるとずっと使ってもらえるサービスだと思うのでLTVは長い。
杉本:自然と伸びていきそうですね。
柳澤:そう、ここは僕一押しのスタートアップです。
リモートワーク支援の「リモートHQ」とは
杉本:続けてもう1社、柳澤さんありますか?
柳澤:もう1社は株式会社HQです。「リモートHQ」っていうプロダクトを出しています。
コロナ禍で在宅勤務が増えたじゃないですか?で、在宅勤務手当てやリモートワーク手当てを出してる会社ありますよね。僕も会社員の時に受け取ってたんですけど。
例えば従業員に月1万円とか5,000円支給したとしても、結局、税金がかかるんで、1万円支給したとしても実際に使えるのは6〜7千円くらい。
月に7千円支給されたところで、家のリモートワーク環境、あんまり変えられないじゃないですか?
そこでリモートHQの秀逸なところは、例えば今まで従業員に月1万円支払ってたものを経費として使える。
つまり1万円フルに使えるんです。その1万円の枠の中で長時間座っても疲れない高級な椅子をずっと借りられるみたいな形ですね。
あとはモニターや観葉植物、ビデオ会議の際に顔を照らす照明も借りられる。これもコロナが追い風になってめっちゃ伸びてる会社です。
杉本:Twitterで代表の方が「八ヶ岳に住んでいる」って発信していて面白いなと思っていました。
確か、東京で週3以上リモートの会社ってまだ40%ぐらいあるんです。週5日リモートワークも17.6%ぐらいあるんですって。
我々の感覚からすると、だいぶ出社する方向に戻った感覚あるじゃないですか。でも実際は週3以上リモートワークの会社が40%ぐらいあって、フルリモートワークの会社もまだ17.6%あるっていう。東京都の調査によるとそうなってるんですよ。確か。
ってことはまだまだ可能性がありそうですよね。私も基本リモートで、出社は週1程度なので。
柳澤:3社中2社はコロナをきっかけに伸びたスタートアップでしたね。
杉本:そうですね。もともとあった課題やニーズが、コロナがきっかけで急速に顕在化した点は相通じているものがありますよね。
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