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初音ミクのライブは「面白くはない」と思ってました
面白くはない。
これは去年のマジカルミライで初めて初音ミクのライブを観た正直な感想だった。楽しかったし、感動したし、とても良いものを観させてもらったと思う。だけど面白いとは思えなかった。
■「楽しい」と「面白い」の違いって何?調べてみました!
Googleで「楽しい 面白い 違い」を検索すると、こんなかんじのタイトルで意味の違いを解説するサイトがたくさんヒットする。でも考え方はほんとに人それぞれで一概には言い表せ無さそうだ。
じゃあ音楽ライブに限定した「楽しい」と「面白い」の違いは何か。まずライブに参加した時点で楽しいのは当然だろうけど、MCのトークで笑いを取ったり、楽曲を大胆にアレンジしたり、ユーモアのある演出を取り入れたり、いわばライブのライブらしさこそがライブの面白さなのだと思う。
しかし初音ミクたちはプログラム通りにしか行動できない。だから実在アーティストのライブと同じような面白さを求めるのは酷な話かもしれない。それでも去年のマジカルミライは、MCではけっこう喋ってくれたし、最新の演出効果もあった。原曲とは少し違ったアレンジの曲もあったような気がする。コロナの影響もあった中で十分すぎる内容だった。
そもそも私は去年のライブで初音ミクの尊さに打ちのめされたので、ぶっちゃけ面白さとかどうでもいいのだ。だからその点については高望みせずに今年もマジカルミライに参戦した。
■2021はのっけから
ミクさん「毎日がマジカルミライだったらいいのになぁ~」
いきなり面白いじゃねえか!!
結論から言うと、今年のマジカルミライはそこそこ面白かった。
まずこの冒頭MCで心をガッツリ掴まれた。中にはこういうのをサムイと思う人も居るかもしれないけど、運営の遊び心が感じられて嬉しかった。大舞台に立つ初音ミクが大体堅苦しい事しか喋らないのは人それぞれが持っている「初音ミク」のイメージを崩さないためだろうけど、時にはこのぐらいのユルさがあるといいよね。
続いて初めの試みだったらしい紗幕を使った演出。これも座席によっては見え方がだいぶ違って賛否両論あるみたいだが、視覚的な面白さを求めて色々と試行錯誤してくれていることがありがたい。
そして中盤以降だんだんと遊び始めるバンドメンバーの皆さん。アンコールの「Hand in Hand」のアレは笑っちゃった。これぞ求めていたライブのライブらしい面白さだったかもしれない。
ここからは、面白さは別として単純に良かったところを紹介。
まず断トツに良かったのはメインスクリーン背後の黒幕にうっすらと照明が当てられていた点。この照明があるだけでステージの奥行きが感じられてキャラクターの実在感が爆上がり。マジでそこに居るようにしか見えなかった。これ去年なかったよね?
肝心のセットリストは私にとって世代じゃない曲が大半だったので何とも言えないが、歴代グランプリ曲が聴けただけで生きてきた甲斐があった。それと今年のグランプリ曲「First Note」のツインアコギがエモエモ。ところで「サンドリヨン」の時に周囲から声にならない悲鳴みたいなのが聞こえてきたが、あの人たちは生きて帰れたのだろうか。
■面白さは自分たちで
でも結局一番面白かったのは観客のペンライトだったかもしれない。結束力が去年以上にヤバすぎて気持ち悪いレベル。あの光の海を眺めてるだけで面白くて肝心のステージをあまり見ていないという。
やっぱり結局は人間なんだよな、初音ミクのライブを創っているのは。あたりまえだけど。
だから面白さが足りないと思うのなら、運営陣のさらなるアプローチに期待しながら、自分たちからも面白くしてしまえばいいのだと気付いた。それこそ初音ミクと共に広がってきたこの文化の象徴的な構図なのだから。