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調整役なんて会社にいらない!
私の今の仕事は、ラーメン店を経営、指導する会社の管理部長。
管理部長を名乗っているが得意としているのは経理・財務・経営企画だ。
今日は経営企画のお仕事について書いてみる。
正直、経営企画は1社で3年程度しか経験していないから、いわゆる一般的な企業の経営企画ではないかもしれない。とはいえ、誰かの役に立つかもしれないから書いておこう。
私が経営企画として働いていたのは外食系一部上場企業で、仕事内容としては、年間の販促計画や活動方針、予算などの作成、予算実績差異分析、各部署の活動内容の確認、各会議体の運営管理など、という感じ。
ようは取締役の方々が快適に『頭』を使えるように『手足』となって資料や情報を用意するってイメージかな。私的な実感としては『企画が目立っている会社は業績が悪い』ってこと。一般的ではないかもしれないけど、これは事実だと思う。
例えば、年間の販促計画や活動方針なんて各部署のトップがまともな人なら常に用紙してあるものだと思う。自分の部署はどこに向かっていて、今どの地点で理想とのギャップはこんな感じってのはリーダーが常に考えることだと思うし、メンバーとも共有していることだと思う。
予算ってのは、その活動計画をベースとしているものだから活動計画さえしっかりあれば自然と決まってくる。例えば、ある新商品を販売するという計画なら、いつどうやって売るのか、原材料はどうやって仕入れるのか、広告はどうやって出すのか、店舗での売り方や作り方はどうするのかってのが自然と決まってくる。そうなればそれらにいくらお金が必要か、人が必要かってのが明確になる。
予算が決まれば、それが実際に計画通りに使われているのかを確認し、遅れているようならハッパをかけ、使い過ぎているならブレーキを踏む。予算実績差異はそんなに大変じゃない。月次ベースの数値が確定した段階で予算との差異をだして、大きく乖離があるようであれば各部署に聞いて回れば良いだけだから。まあ各部署からは煙たがられるけど(笑)
こんな感じで毎日、毎月、各部署を回って話を聞いて、順調な部署は笑っておしまいだし、停滞している部署は私の顔を見るのも嫌って顔になる(笑)で、これらのことを資料にまとめて取締役会やらなんとか会議に提出する。
その資料を見て取締役の方々が今月の振り返りから来月以降の修正点を議論し来期以降の活動を決めていく。それをまた議事録という形で残すのも経営企画の仕事のひとつ。
つまりは経営者(取締役)と各部署をつなぐ役割をするのが経営企画という感じ。毎回の会議で各部署のトップが参加してたら席も足りないし時間も足りなくなる。だから経営企画でまとめて報告するって感じ。
でも、これって、経営企画の担当者のコミュニケーション能力に物凄く左右されると思っていて、各部署のトップの話を真の意味で理解できていないと間違った報告をすることになる。自分が意図しない方向に報告された各部署のトップはたまったもんじゃない。
なので経営企画の担当者はたいがい歓迎されない(笑)しかもそれぞれの部署のことを何も知らずにやってきたと思われてしまったら口もきいてもらえない。そりゃそうだよね。下手したらこいつは敵になるやつかもしれないと思われているんだから、せめて、その部署の今の活動内容やそれをするに至った過去の経緯なんてのも頭にいれてから行かないと。
そう、各部署がきちんと機能していて会社経営が問題なく行われている時は経営企画なんていらないのよ。全く目立たない存在で良いと思ってる。たまに営業職から経営企画に異動してくる人で『企画はえらい』と勘違いしている人がいるんだけど、彼らは営業時代に企画に憧れていたんだろうから仕方ないといえば仕方ない(笑)
本来、経営企画なんていらないんだと本気で思っている。各部署がしっかり機能し、経営者(取締役)とのコミュニケーションも円滑に行われているのであれば『調整役』なんて必要ないはず。
それでも、私が書いた経営企画のような仕事を担当する部署が存在し偉そうにしているのであれば、おそらくその会社は経営が苦しい状態にあるのだと思う。取締役が各部署のトップを信用していないとか、とある部署のトップが暴走しがちとか、そういう状況を解消し全社一丸となりたいけど規模がデカすぎるのか何なのか社長だけではコントロールできないとか。そういう状況になると『企画』とか言われる部署が誕生して調整役として動き出す。
企画担当者のみなさん、必要ないなんて言ってごめんなさい(笑)