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これであなたも未来が見える!?(笑)

今日は資金繰り表について。
キャッシュフロー計算書の回でも書いたけど資金繰り表は未来を予測できるのでほとんどすべての会社で作成されているはずで、特に中小企業では経営の羅針盤の一つとなっていると思う。

資金繰り表は『お金の流れ』を予測するもの。やっぱり企業経営にとっては『お金』がとにかく重要だし、万が一資金不足なんてことにでもなれば一大事だし。経理業務を税理士さんに丸投げしている小さい会社でも、その税理士さんが月に1回は資金繰り表を作ってきて社長に説明してくれるはず。

資金繰り表の作りは簡単でお金の『入りと出』を一定期間毎に集計すれば良い。資金状況がそこまで切羽詰まっていないのであれば、月毎の作成となるだろうし、今にも足りなくなるなんて時は『日繰り表』という毎日のお金の流れをまとめたものを作成する。こうなると結構厳しい(笑)

集計する項目は社長や管理者がわかりやすいやり方で良いとは思うけど、私が良く作ってるのは『営業収支』と『営業外収支』と『財務収支』に分けて『入りと出』をそれぞれまとめている。『営業収支』と『営業外収支』を足したものが『経常収支』と呼んだりしている。

『営業収支』には、収入として現金による売上高、回収できた売掛金や手形が入って、支出には現金による仕入、買掛金の支払い、手形の決済分、人件費の支払いやその他の経費の支払いなどが入る。ここまでを差し引きすると営業=本業でどれだけのお金が出入りして、今月はいくら加算もしくは減算になったのかがわかる。

『営業外収支』には、収入として補助金の入金や飲食店の社長が講演してもらった報酬など本業以外からの入金が入る。支出には法人税や消費税、固定資産税などの税金の支払いや本業以外での支出が入る。『営業収支』と『財務収支』に該当しないものが全部入るって感じ。この項目はそれほど頻度高く発生しないかもしれないので主に税金の支払いの確認をする感じかな。

『財務収支』には、収入として銀行などからの借入金を入れて、支出としてはその借入金の返済や飲食店であれば設備投資や敷金の支出なども入れた方がわかりやすいかも。

これら3つの項目で作っていく。実績は起こった事実をそのまま記載すれば完成するから簡単だと思うけど、一応、月末残高が通帳に記載してある残高と一致しているかは確認する(笑)

未来予測が資金繰り表のキモなんだけど、どれぐらいの精度で未来予測をしたいのかで準備するものが変わってくる(笑)まあ当然といえば当然なんだけど、ある程度精度高くやりたいと思うのなら、未来の損益計算書=予算が必要になる。あわせて損益計算書だけでは直接見えてこない投資計画なんてのも必要になる。

ざっくりで良ければ簡単(笑)
来月は売上でどのくらい現金回収できて、仕入でどの程度使うのか。人件費やそれ以外の経費は前月とそんなに変わらないかもとか、他には法人税や消費税の中間納付や借入金の返済はどの程度あるのかなんてのがわかれば、ある程度の着地が見通せる。

今の時代、手持ち現金が多くなりすぎて困るなんて会社はあんまりないだろうから、せめて月単位の資金繰り表を新しい期が始まる前に作っておくと便利だと思う。まあ、それには予算が必要になってくるので、まずは予算作成を先にしてしまいましょう(笑)

予算をベースにした予測の資金繰り表を1年分作成して、毎月月次が確定したら資金繰り表を実績に置き換える。当月の予算と実績の差異分析を軽くして、翌月以降で計画外での収支があればそれを反映させておく。そうすればどんどん精度の高い資金繰り表になってくるし社長も安心して経営に専念できるはず!

企業経営には『お金』が重要だから、もし、資金繰り表で数か月先で資金不足になることがわかれば、早急に社長や銀行と相談する。数か月前にわかればまだ手の打ちようはある!

直前になって『足りない』ってなるから、てんやわんやになるわけで、前もって『足りない』ってわかっていれば精神的にもちょっとは落ち着いていられる。だから作る時は『美人に見せよう』なんて思わないで、事実や自分の将来の見立てをそのまま見せることが大事だと思う。

銀行さんだって見栄っ張りより本音で話す社長と取引したいはずだから。

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