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【前世探究の闇】私の黒歴史❸
27年前のあの日、旅先で起きたことを簡単に書き起こす。(執筆現在:2024年)
①『偉人のライバルの前世』
私は友人達と行った旅先でとある史跡を訪れた際、看板に書かれた歴史上の偉人の名前を見て、「ああっ!こいつ知ってる!!会ったことある!!めちゃくちゃ性格悪いやつだった!!」と、突然前世の記憶を思い出した。前世の私はこの男のライバルだった……と思った。
②『男同士の恋愛の前世』
①のあと間を置かず、すぐ近くにある別の史跡に行った。するとそこでも私はまた前世の記憶の一場面を思い出した。それは男同士の恋愛と別れの記憶だった。
あとで思えば、この①と②で思いだした前世の思い出は、まったく別のことだったのだが、私はそれらをすべて私自身のひとつの前世で起きたものだと思ってしまった。
私はこれらふたつの記憶を結び付けて解釈した。
『私の前世は歴史上の偉人のライバルであり、男同士だったが二人は愛し合っていて、やがて決別した』
というように。
ハチャメチャな解釈である。
歴史上の人物の話でしかも男色である(笑)!
しかし、当時の私は前世探求一年生、前世の記憶に落とし穴があるなどと知るはずもなかった。
恥ずかしいのでさっさと結論から書く。
②『男同士の恋愛の前世』、これはその時同行していた同性愛者の友人の前世の記憶だった。他人の記憶を『思い出す』、そんなことがあるなんて私は全く知らなかった。
魂の世界は現実の世界とはかなり勝手が違う。
そのことに気付くのは、もっと私が前世探求を進めていく道の先のことだった。
そしてもうひとつの問題は①『偉人のライバルの前世』だった。
これは結論から言うと、『比喩の前世』だった。
もしくは憑依した霊によって、あたかも記憶が蘇ったかのような現象が起きる、『憑依系前世』であった。
これらはいずれも本当の前世ではないが、大切なメッセージをわかりやすく伝えるために守護霊などが用意する仮の前世の記憶である。
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比喩の前世とはこのように、前世の諸問題を思い出すためのキーワードを伝える道具である。主に守護霊が我々にメッセージを伝えるひとつの手段である。
それならいっそのこと、守護霊たちもはっきりと言葉で、
「あなたの現世での宿題は兄弟仲良くすることだよ」
と言ってくれればいいのだが、それはしてくれない。守護霊たちが助けすぎると、人間は助言に依存して自分で考えようとしなくなるからだ。
守護霊たちは我々にヒントしか与えてくれない。そのヒントのひとつが比喩の前世である。
そうとも知らず、私は歴史上の偉人のライバルが私の前世だと思い込んでしまった。
ああ、もう、ここでいちいち偉人の名前を伏せておくと、今後の説明がとても面倒くさいのでひと思いに書いてしまおう。この際とことんさらけ出すのでぜひ笑っていただきたい。これは前世探求の危うさ、怖さ、クレイジーさを知ってもらうための記事なのだ。隠すのはやめよう。
私が23歳の時、旅行先の史跡に書かれた歴史上の偉人の名前を見て突然、「ああっ!こいつ知ってる!!会ったことある!!めちゃくちゃ性格悪いやつだった!!」
と思いだしたのは空海のことである。お寺の看板に、かつてここに空海が来たことがあると書かれていたのだ。
は~~い、皆さんここ笑うとこでーす!!
あ!ちょっと可哀想なものを見るような目で見てるアナタ!!ああっ…
そこのあなたも逃げないで、あああああっ……!!
そう。
これまで自分が最も忌み嫌い、最もバカにしていた、
『こんにちは、私の前世は釈迦です!』
とか言ってる、カルト宗教の教祖みたいな異常現象が突然我が身に降りかかってしまったのだ!
それまで一度たりとも前世なんか考えたこともない自分が、カルト嫌いの私が、なんでこんな…… こんなことに……(涙目)
そして私はこの時恐ろしいことに、
「私の前世は空海のライバル…… 最澄だった……」
と思ってしまったのです。
うわあああああああっ、ほんとごめんなさい、ごめんなさい!!
天台宗の皆さん、めちゃくちゃ申し訳ない、本当に恥ずかしい、とんでもない畏れ多いことをををををーーーーーーっ!!!!(土下座)
で、でも、わざとじゃないんですぅうううううっ!!!!
なんか、旅先の楽しいテンションでちょっと頭がおかしくなってただけだと思うんですううううーーーーっ💦
ああっ、ごめん、い、石っ、石を投げないでええええーーーーっ💦💦
わざとじゃないんですってばぁぁぁ💦(泣)
猛烈な勢いで謝る現在の私ですが、ここで泣いても仕方がないので当時に話を戻しましょう。(震)
私はその看板に書かれた『空海』という名前に、猛烈な怒りが湧いてぶるぶる震えた。
「なんやねんこいつ、死んで仏様扱いされてるけど思いだしたぞ、めちゃくちゃ性格悪かったやんけ!!!あいつの性格の悪さ、今ではなかったことになっとんのかーい!!!!カ~~~~ッ、今までなんで忘れてたんだろう、うわぁ、めっちゃ腹立つわ~~~~っ」
(あくまでそのときの気持ちを正直に書いてるだけです、信者の方すみません。)
そしてほかにも思いだした。
「私は長い輪廻転生の中で、そのたびに法華経の行者として修行してきた。この地に来たのは初めてではない!懐かしい……」
私は複数の前世で僧侶だった記憶をうっすら思いだした。
日蓮宗の僧侶だった前世もあるはずだ。
私は次々思いだすイメージに激しく動揺しながら、一緒に来た友人たちにその話をした。友人たちはびっくりしながらも、「えっ、大丈夫!?」と気遣ってくれた。
とりあえず、友人たちは他に行きたいところがあるというので、そこからすぐ近くの別の史跡に移動することになった。そしてそこで私はまたしても前世の記憶の一場面を思い出したのだ。
ふたりの男、いや、二人の僧侶の愛と別れの場面を。
そう、ここで思いだしたのも二人の僧侶の記憶だった。
ここで私はさらに衝撃を受けた。
「ええっ!?私今さっき、空海と最澄の記憶を思い出したんだけど、あの二人って恋人同士だったのおおおおおおーーーーーっ!!??」
先に説明したのでおわかりだと思うが、二番目に行った史跡での記憶はその場に同行した同性愛者の友人の前世の記憶だった。しかし、この時の私にそんなことがわかろうはずもない。
しかも、偶然この日思いだした『前世の記憶』は、登場人物が全員ハゲの男だった。顔ははっきりわからないが、みんなハゲだということだけはよくわかった。
「最初に見えたハゲふたりの記憶と、二回目に見えたハゲふたりの記憶は別物なのね~~!」
なんて、すぐわかるはずがない。
まして、前世の記憶というものに、偽の記憶があるなんて、夢にも思わなかったのだ。
そしてこの日から私は、
「空海と最澄ってホモだったんだ……、マジかよ……!」
と、ものすごい勘違いをしたまま前世探求をすることになったのだった。
━━ 完 ━━
(ああっ、ここで無理矢理終わって逃げようとしてるぞ、この人!!)
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次回予告
『いるはずのない大師(ホモ)を探して』
乞う、ご期待!!
(そのうちほんとに罰当たる感じするでしょ?大丈夫、アタシこんな人間だけど、なんとかまだ生きてる!)