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「男性の胸ポケット」には、何を入れるのが正解なのか?

 「男性の胸ポケット」といっても、スーツや礼服のようにルールがあるようなものではなく、ポロシャツやTシャツなど、カジュアルな「胸ポケット」の話です。

 昔、それこそ「男性の」というよりは「男の胸ポケット」と言われていたに違いない時代では、そこに入れる正解は、「たばこ」だったと思います。

 統計によれば、昭和41年(1966年)は、男性の喫煙率が約83%でピークを迎えていましたが、その頃の記憶でいえば、駅のホームでもタバコを吸い、電車内にも灰皿があり、その当時の記録映像を見れば明らかになると思いますが、線路に向かって、吸い殻を棄てる人も珍しくありませんでした。その頃のテレビ番組だと、対談などでは、どちらもタバコを吸って、画面が煙に満ちている様子が残っていると思います。

 その頃の男性は、タバコを吸うのが当然ですから、仕事の時だけでなく、プライベートでも吸い続けていました。これは、ちょっと言い過ぎかもしれませんが、昭和のある時期まで、男性は、タバコを吸って、お酒を飲んでいるので、そんなにしゃべらなくても間が持った、というような印象さえあります。

 だから、プライベードのカジュアルなシャツでも、ポケットがついているのが多数派で、そこにはタバコが入っていた印象です。
 その時代は、かなり長く続いたと思います。

 男性の喫煙率が5割を切り始めたのが、平成15年から16年くらいなので、2000年代に入ってきてから、徐々に、喫煙者が少数派になってきたともいえます。それだけが理由ではないとは思うのですが、男性のカジュアルなシャツの胸ポケット自体がなくなってきた印象があります。

 もともと、オフィシャルなワイシャツには、胸ポケット自体がないのがノーマルという見方もあるようですから、カジュアルなシャツから胸ポケットがなくなっていったのも自然な流れかもしれません。

 

 ところが、どんな理由かは、よく分かりませんが、最近になって、カジュアルなシャツに胸ポケットがついているパターンも少し増えてきたように思います。それはあくまでも個人的な印象ですが、ポケットの色を変えて、デザインのバリエーションを増やしているような印象もあります。確かに、Tシャツなどにポケットがついていると、たまに得をしたような気持ちになることもあります。

 ただ、勝手ながら、今回、考えたいのは、胸ポケットが少しだけ復活してきた理由というよりは、「胸ポケットに何を入れるか?」です。何を入れるか?という実用面から見ると、少し重かったりするとポケットが伸びる可能性もありますし、精密機械だったりすると、ちょっと屈んだら、落ちてしまう危険性もあるので、スマホなどでも、危ないかもしれません。だから、ポケットとしての実力は、それほどでもないと思います。(そう考えると、重くなくて、落としても壊れないタバコは、ちょうどよかったのかもしれません)。

 私の場合は、老眼鏡を入れたりする時に便利ですが、そうなると、「男の胸ポケット」というよりは「おじいちゃんの胸ポケット」になってしまいますから、「男性の胸ポケット」の正解からは、遠いようにも感じます。

 そんなことを考えていると、最近、自分が「男性の胸ポケット」というよりも、「男の胸ポケット」の、正統な後継者のような姿を見かけたのを思い出しました。

 ある男性が、Tシャツの胸ポケットに、(たぶん)缶チューハイを入れて、それだとポケットが伸びるかもしれませんが、そんなことはまったく気にしないそぶりで、スマホをいじりながら、時々、ポケットから缶を取り出して飲んでいました。それは、胸ポケットにタバコを入れていた時代と、まっすぐにつながっているように見えました。

 それが、今の時代にふさわしいかどうか、多くの人に受け入れられるかどうかは、分かりませんが、でも「正解」の一つにしか見えない揺るぎのない姿勢には、思えました。

 他の「正解」が、今のところ、思いつきません。力不足で、申し訳ないです。


(参考資料) 

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