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『11月の夏日と、異例の「見解」』。2023.11.4。

   天気予報では、11月なのに夏日になることを告げていた。

 それでも、やっぱりなんとなく肌寒く、だから、長袖のワイシャツを着て、ジャケットをさらに着た。

 セーターも持った。


 午前9時前に家を出て、駅へ向かう途中の道は、人通りが少ない。
 歩いていても、まだ少し肌寒い。

 病院の前に一人待っている。
 駅前の1000円カットの店に誰かが入っていく。

 駅に着く。ホームには10人くらいの人が待っている。
 小さい子どもを連れている人が多い。

 マスク着用している人は、3割くらいだった。

 天気はいい。空の青さが澄んでいる。

車両

 電車が来て、電車に乗る。
 車両は空いている。

 確か、3連休の真ん中のはずだった。

 次の駅に着く。
 また、電車が走る。

 静かに、それが繰り返されるけれど、その間にも、あちこちからせきの声が聞こえてくる。
 大きなくしゃみも響く。

アナウンス

 終点について、人が一斉に降りて、改札を出て、次の路線の改札に入っていく。

 自動改札を通り抜けていく前の人の残高が、1万円を超えていた。そういうのを見るのは趣味が悪いけれど、それでも、それだけの金額はあまり見ることはなかった。

 階段を降りて、ホームに降りて、電車を待っていたら、録音されたアナウンスが聞こえてくる。

 スマホを見ながら歩くのは、危険ですので、おやめください。

 そういう注意喚起の内容で、それが隣り合ったホームで、ほぼ同じタイミングで2カ所から流れ始める。

 少しの時間差だから、駅の構内に輪唱のように響いている。

運転中止

 電車が来た。

 さっきの路線と比べると、人が多い感じがする。

 ドアの上の小さい画面には、他の路線の運転中止の文字が出ている。

 隣の画面では、天気予報が流れていて、「夏日」らしいというのだけど、もう11月なのに、とは思う。

 ただ、25度あったとしても、個人的にはもう「暑い」ではなく「あたたかい」感覚になっている。

 さらに、画面には、常磐線が濃霧の影響で、一部に遅れ、という文字があって、その情報を知る。霧のせいで電車が遅れるということを想像して、自分の経験が足りないせいで、イメージしにくいことに気がつく。

せき

 車内は静かなまま、電車は進む。

 せきや、くしゃみの声だけが響く。

 先週よりも、その数は増えているような気がする。

紅葉

 目的の駅について、降りる。

 駅の構内には、いくつかのグループがあって、スーツケースが目立つ。

 その駅の目立たない場所にある除菌アルコールポンプを、今日も一人だけ使った。

 駅の構内の外へ出ると、静かだった。

 紅葉が、また進んできたように思う。

異例の「見解」

脇田所長は30日付の見解で、新型コロナワクチンの重症化予防効果について「多くの適切にデザイン(設計)された研究に基づいて実証されており、学術的に確立された知見」と指摘した。「日本国内で実施された複数の研究でも確認されている」と説明し、学術論文や出典を示した。

また、2020年以降に発生した国内の超過死亡については「『新型コロナウイルスのワクチン接種が原因で超過死亡が発生した』と考えられる科学的根拠は、現時点において確認されていない」と説明した。

 脇田所長は見解を公表した理由について「私の意図とは異なる内容が、私の言葉としてSNS等で広まることとなってしまったため」だとした。感染研が28日に庁舎を一般公開した直後から、SNS上では「脇田所長と直接話し、『ワクチンの重症化予防を示す国内のデータはない』『超過死亡の原因がワクチンである可能性は否定できない』との意見で一致した」との情報が広がっていた。

(「毎日新聞」より)

 こうしたニュースを見た。

 このSNS上の言葉は、いわゆる「アンチワクチン」の主張なのだろうけれど、今も、こうしたことを続けているのを知った。このニュースで、国立感染症研究所のホームページも見てみる。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、ウイルスゲノムの変異を繰り返しながら世界中に広がっています。日本国内でも数次に渡る流行を経験し、感染管理や行動自粛、ワクチンなど様々な対策が実施されてきました。今年5月8日に感染症法上5類に指定されましたが、現在も市民の皆様をはじめ、医療従事者や高リスク者のケア従事者、自治体など様々な人々による感染対策が行われています。

10月28日に私たちは感染研の業務やサイエンスの楽しさを知っていただくため、戸山庁舎の一般公開を実施しました。私は4年ぶりに来場者と直接お話する機会を得ました。私にとって生の声を伺うことは大変貴重であり、500人以上の来場者の方々とお話をさせていただくことができました。

その中で、私の意図とは異なる内容が、私の言葉としてSNS等で広まることとなってしまったため、ここで改めて見解を述べさせていただきます。

(「国立感染研究所」より)

 国立感染研究所は、4年ぶりに一般公開をして、そこで来場者と話をして、それからSN Sなどで話が広まった。おそらくは、この来場者の中にそのSNSでの発言をした人がいたと思われる。

 ということは、もしかすると、国立感染研究所の一般公開自体がなくなるかもしれない。

 
 私自身は、基本的にはワクチンを接種してきた。重症化リスクを防ぐためと、できたら感染しないことでも、感染拡大を少しでも減らしたい。それは、同時に、重症化リスクがあると思われる家族のため、という目的もある。

 だけど、いつの間にか、ワクチン接種に対して、疑問の目を向けられることも増えてきた。なぜか、本当のことを知らない人間として扱われているような時もある。

 ただ、コロナワクチンが今だに開発されていないとしたら、感染死者数が、どれだけ今よりも増えたのかは、想像もつかない。無理だとしても、もしも、そういう比較が可能になったら、ワクチンの効果が嫌でもわかるのに、といったことを思う。


夕方

 午後4時すぎに用事が終わり、毎週のことだけれど、朝降りた駅に再び向かう。

 ビルの谷間のベデストリアンデッキといわれる場所を歩くと、カフェがあったり、ベンチがあったりするけれど、なんとなく静かで、そして夏日といっても、暑いというよりは、やっぱりあたたかい感覚だった。

 だから、セーターは着なかった。

ターン

 駅について、電車を待って、電車が来る。

 いくつかの駅に停まって、同じ側の扉で開く。

 そのためか、次の大きめの駅が近づいたとき、その今まで開いた側のドアの前に立っている女性がいた。

 次の駅で降りるのだろうと思ったが、今度は逆の側のドアが開く。声をかけようかと思ったが、駅についてドアが開いたとき、その女性はすぐに気がついて、素早く180度ターンをして、逆のドアから降りていった。

 とても早い動きで、こちらから何かを言う必要もなかったようだ。

アニメ

 ドアの上の小さい画面では、朝とは違う路線の遅れを伝える情報が出ている。

 朝、あんなにニュースを繰り返していたのに、夕方には、自分が乗っていた時間では一度もやらなかった。

 その画面では、何度も「プルートウ」のCMを繰り返していたので、なんだか見たくなる。

時間

 目的の駅について、乗り換える。

 次の路線の発車時刻まで、まだ7分くらいある。

 たぶん、電車は行ったばかりだ。

 だから、まだ車両内は空いていて、久しぶりに座れた。
 発車まで5分はある。

 人がどんどん車内に増えてくるけれど、発車するまでの時間が長く感じる。

 かなり経ってから、電車はスタートして、車内は静かなままで、時々、小さな男の子の声が響くだけだった。

雪だるま

 いくつかの駅に停まって、自分が降りる駅に着いたので、降りた。

 駅のそばに洋菓子屋があって、その店の前にクリスマスのための雪だるま型、風船の人形が置いてある。

 向こうから歩いてきた小さい男の子が、「どうして、雪だるまがあるんですかー」と大きな声で、近くの大人に尋ねている。

 最もな疑問だった。


 



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おちまこと
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