「コロナワクチン接種2回目 その後の72時間」
不安が、ふくらむだけだった。
7月中に、ワクチン接種を受けられるのは、問診票を見ても、自分が、まだ特例の状況に入っていないのに、幸運だったと思う。
それは、6月下旬にワクチン接種券が来て、クリニックに電話をしたら、キャンセルが出たので、7月7日でしたら、と言われ、その日にいくことができたので、7月下旬に二度目を受けられることになった。
ラジオで、出演者が、いつもと違ってリモート出演をしている理由が、前日に2回目のワクチン接種をして、そのために次の日に38、5度の熱が出て、今は37、5度まで下がって大丈夫です、といったコメントをしていたのだけど、そういうことを聞いて、ちょっと怖くなる。
ワクチン接種当日
午後4時30分の予約で、当日を迎えるまで、ワクチン不足のニュースが盛んになり、いつ、予約取り消しの電話があるかもしれない、とビクビクしていたのだけど、電話をすると、そこで「ちょうどよかった」と取り消されるのではないか、と思い過ごしくらいのことを思って、当日になった。
夕方だから、まだ平気だと思っていたら、時間がたって、午後3時50分に家を出る。天気も良く、空も青く、セミの声を聴きながら、自転車に乗って、午後4時に着いた。
受付けに、接種券と問診票を出して、スムーズに受け取ってくれて、接種が確実になって、やっとホッとしていた。
検温はされましたか?と聞かれ、そばの機械で測定したら、「36度6分」で、大丈夫とわかり、さらに力が抜けた。
あとは待つだけだった。
待合室
14〜15人の人がいる。
廊下のソファーにまで、座っている人がいる。
7月上旬の時と比べると、明らかに人が多い。
名前が呼ばれ、診察室へ移動する人と、ワクチン接種を終えて、待合室へ戻ってくる人の動きが繰り返されている。
「2回目は、取れないんだって」という言葉が聞こえてくる。
ワクチン接種が遅れている、というようなことを思い出す。
テレビではオリンピック報道が、ウソのように明るいトーンで伝えられ、その直後に、コロナ感染拡大のニュースが、シリアスな気配で話されている。
その差は、ちょっと異様だった。
病院内の動き
次から次に名前が呼ばれ、診察室の方へ移動する。
ただ、高齢者も目立ち、ツエや車イスの人も少なくないから、すぐ動き出せない人もいる。家族や専門家の付き添いが必要な人も少なくない。
「本人は、クルマにいますんで、連れてきます」
受付で、そんな話をしている年配女性がいる。
前回と比べると、年齢層が少し幅が広くなり、やや若い層もいる。
私は、途中から、席を譲ったので、ほぼ立ったまま、時間がたつ。
ワクチン接種2回目
午後4時18分に、名前を呼ばれる。
予定よりも、早い。
診察室へ急いでいかないと、また呼ばれてしまうと思って、診察室へ行き、医師にあいさつをして、注意事項を伝えてくれる。
「アルコールと激しい運動はダメです。
2回目なので、発熱があるかもしれません。
この前、熱さましは使いましたか?」
「いえ、使ってません」。
「じゃあ、今日はいいですね」。
それで、すっとワクチンを接種し、あっという前に終わる。
打ちながら、短い会話になる。
「しびれはありませんか?」
「ないです」。
1回目よりも、短い時間に感じた。
「今回は、熱が出るかもしれません」。
もう一度言われると、やっぱり怖くなった。
「お風呂は難しいので、どうしてもの時は、シャワーにしてください」。
そんな言葉も加えられる。
待ち時間
ここから、15分待つ。
待合室に戻ったけれど、相変わらず、車イスやツエの人が目立つ。
名前を呼ばれても、とっさに動けない人も少なくない。
プロの介護者と思われる人も、何人もいる。
その後も、人が多く、また席を譲ったので、ほぼ立っていることになる。
次々と人が来る感じ。静かだけど、活気があるという空気感がある。
聞こえてくる会話は、付き添いの家族と、プロの介護者と思われる人のものが多かった。
名前を呼ばれ、その反応が遅れると、診察室から医師が顔を出して、直接名前を呼ぶ、ということが何度か繰り返される。
ここで見ていると、ワクチン接種は、順調に進んでいるように見える。
微妙な不安
左肩が痛いような、痛くないような。
そんな感じとともに、時間がたっていく。
玄関から、新しく年配の男性が入ってきて、検温機の前に立って、止まって、あっという間に検温が終わる。その間は数秒。自分も含めて、近づきすぎて、距離感を調整することが多いのに、すごく慣れているのだと思った。
午後4時36分に受付に名前を呼ばれる。
15分がたった。
接種券を返してもらい、保険証もお金も要らず、そして、2回目が終わって、やっぱりホッとした。
激しい運動
空は青いし、さっきよりもセミの声が大きく、多くなっているように感じる。
それからスーパーに寄って、買い物をして、自転車をこいで、午後5時15分頃に家に戻った。妻が迎えてくれた。
それから、手洗いや顔を洗って、うがいをして、荷物を冷蔵庫に入れてから、図書館へ自転車へ行く。
最後に登り坂があって、いつもは立ち漕ぎをして、なるべく早く登って、足の筋肉に負荷をかけてトレーニングのようにするのだけど、今日は、激しい運動をしてはだめ、ということだったので、自転車から降りて、押して、登った。
ワクチン接種2回目 初日の夜
夕食も終えて、そんなに変わらない感じだったのに、午後8時過ぎくらいに、なんだかぼーっとしていて、発熱だろうか、と思って、体温を測ったら、「36、7度」だった。
体が少しだるい。
その後、午後10時になったら、さらに、だるさが増したので、検温したら「36、9度」になってしまっていて、いよいよ副反応が始まるのか、と思い、早く寝ようと思った。
さらに午後10時45分になり、ボーッとしているのが続いたので、また体温を測ったら「36、6度」に下がっていた。
意外だった。
なんだか、変で、自分が熱があるのか、ないのか、よく分からなくなっている。
それとも気温が高いのかと思って、エアコンの冷房をつけてみたりする。
午前12時。
そろそろ寝ようと思って、体温を測ったら「36、5度」になっていた。
左肩あたりが痛いような気がしたが、さっきよりも頭がはっきりしていた。
ただ、明日の朝起きたら、どうなっているのか分からない、という不安は変わらない。
ワクチン接種 2日目
午前5時前。妻がトイレに起きたので、私も目を覚ます。
「大丈夫?」
妻が心配してくれたが、体調は悪くなかった。
午前7時15分に目が覚める。
体温を測ったら「36、6度」
テレビはどこもオリンピックで、違う世界に来たようだった。
日本人のメダルの話ばかりで、スポーツの報道でもないように見えた。
午前8時15分。
体温は「36、5度」だった。
午前10時半過ぎ。すごく眠くなったので、横になる。この時間帯には、珍しいが、今日は、体調に逆らわないことにする。
体温は「36、6度」だった。
午後12時。「36、7度」。
これから上がるのだろうか。
そして、2回目の接種から約24時間たった頃、午後5時半に、思い出したように検温をしたら、「36、6度」だった。
左腕の痛みも薄れている。
だけど、油断はできない、と思い込んでいた。
午後10時半。少し額が熱いのではないか、と妻に言われ、計測したら「36、5度」だった。
もう大丈夫なのだろうか。
午後11時半。「36、8度」に上がっている。ちょっと怖い。だけど、風呂には入ろうと思う。
風呂から出て、直後は、「36、9度」。おおと思って、しばらくたってから、測ったら、午前12時半くらいで、「36、1度」。
気がついたら、体のだるさはずっとあった。
ワクチン接種3日目
朝起きて、検温したら「36、5度」だった。
雷が鳴って、雨も降る。
昨日はなるべく安静にしていたはずなのに、起きたら、なんだか妙に疲れていて、何で疲労感だけあったのか、分からない感じだった。
ただ、体のだるさみたいなものは、かなりなくなっている。
午後4時半頃。ワクチン接種から48時間。
体温は「36、1度」になっていた。
ワクチン接種4日目
起きてすぐ午前8時。「36、7度」だった。
ちょっとある。暑いだけ?微妙な気持ち。
10分ほど経って、測ったら、「36、4度」。
少し下がった。
2回目接種から、72時間経った頃、すでに接種のことも忘れるくらいになっていた。
その頃、ニュースを見た。
若い人が接種して、という呼びかけは、とても残酷というか、失礼なことだと思う。40代以下の持病も持たない、職域接種の機会もない人は少なくないと思う。感染が怖くて、打ちたくても打てない人も、おそらくはかなりいるはずで、そういう人が、こうした都知事の発言を、どのように聞くか。少しでも想像すればいいのに、とは思う。
そうはいっても、自分も、おそらくは早目に摂取できたから、そこには、ありがたいけれど、微妙な後ろめたさもあるのは、偽善的かもしれないが、もっと必要な人もいるのではないか、と思ったりしたからだった。
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