外食産業時間⑥「吉野家」有楽町駅そば。2021.7.3.
コロナ禍になってから初めて有楽町の駅で降りる。人がとても多くいて、広い歩道のような場所が、まるでスクランブル交差点に見えて、人があっちからこっちからやってくるようだ。
最近は、コロナウイルスも変異して、デルタ株は、すれ違っただけで感染する、といったニュースの映像のようなものも思い出して、怖くなって、行くつもりだった買い物をやめた。
それよりも、今日は外食をすることになっていて、だから、人がいなさそうな場所がいいな、と思って、それもファーストフード店の方が、元々は沈黙の外食でもあるわけだし、カウンターにアクリル板が立てられているし、換気さえ気をつけていれば、感染の確率は低くなるはずだった。
有楽町の駅前には確か「吉野家」があって、それは、鉄道の駅に寄り添うようにあったけれど、あそこはあまりにも駅近で開かれていて、だから、混んでいたら嫌だな、と思ったら、違う改札の前に、ガード下でないのに、ガード下のような場所に、もう一軒、「吉野家」があった。
「吉野家」
2021年7月3日。土曜日。午後5時に入店しようとする。
「吉野家」の前には、二つのアルコール消毒のポンプが置いてある。
中に入ると、先に2人の客がいる。どちらも男性。「ソーシャルディスタンス」以上の距離を保って、静かに座っている。どこに座るか迷って、開きっぱなしになっている自動ドアの側にしようとかと思ったけれど、先客とは別のサイドの壁際のカウンター席に座る。
全席、一人ずつアクリル板で区切られている。このカウンターは5人席で、それを今は一人で座っている。
注文する
メニューをとって、見て、何にしようかと思って、目の前の小さいポスターのようなものがあり、限定メニューにしたい気持ちにもなったけれど、迷って、そういえば、「吉野家」だから、牛丼にしようと思い、サラダとみそ汁の「Aセット」にしようと思って、店員さんに頼む。
その後、言われたことが分からなかった。
発音のせいなのか、もう一度言ってもらって、やっとわかったのは、ドレッシングの種類を聞かれていたので、ゴマにしてもらう。
頼んで、たぶん、1分くらいでそのメニューが出てくる。
「早い、うまい、安いの3拍子」という、今はやっていないラジオのCMの歌が頭に流れる。
食べ始める
5時5分には、食べ始める。入店してから、5分だった。
また一人、客が入ってくる。
気がついたら、さらに、2人客が増えていた。
少し立ち上がって、周りを見たら、この店内には、今は7人の客がいる。
注文をとる声が聞こえてくる。
全部、男性かと思ったら、2人で並んでいるうちの一人が女性だった。外国語で会話している。
午後5時9分に、また客が入ってくる。
その人が、私の座っているカウンターの並びに、二つ置いて座る。
牛丼は、安定の味で、久しぶりなのに、懐かしさを感じさせないほど、いつもの印象だった。どこか安心感さえある。ここまで、いろいろなことが変わってきたから、変わらないものが有難いのかもしれない。
そういえば、つゆだく、ということができたはずで、それを頼めばよかったなどと思って、食べ進める。紅生姜を入れたり、しょうゆをかけたり、唐辛子をふったりする。
客の動向
私の背中の方から、携帯で話す男性の声が大きめに響く。
客は9人。そのうち女性は1人。
午後5時12分。一人の客が会計を済ませて、店を出ていく。
女性が、トイレに入って、出てくる。
牛丼を食べ進めると、どんぶりの下の方に、つゆが溜まっていて、下にあるのをもっと最初からかき混ぜればよかった、と後悔する。
午後5時18分、また一人、客が帰る。
最初、並を頼んだ時は、他の牛丼屋ではミニのサイズを頼むので、残そうと思っていたが、いろいろと味を加えたせいもあり、結構美味しくて、気がついたら、全部食べてしまっていた。
みんながラーメン屋の「一蘭」のようになるのかもしれない、と思う。
ヨウジまで使って、そして、立ち上がって、会計をした。549円。Tカードを使えるので、出してしまい、これで行動の把握もされるなどと思った。
店を出る
店を出たのが午後5時20分。レシートをもらうのを忘れる。
549円。
店の前には、「テイクアウト始めました」という文字があって、それまでなかったのか、と思う。
カサ立てがあって、そこにはビニールカサが一本だけ立っていて、そのそばにレッドブルの、半分つぶれた缶も捨てるように置いてある。
店内には、20分くらいしかいなかった。
何かおびえたような気持ちになっていた。
こんな風な感じになっていたのは、さっきの「吉野家」の中では、自分だけだったのかもしれない。
(これまでの「外食産業時間」は、食事をした日付と、同じ日付の日に投稿してきましたが、今回は、比較的、最近の出来事なので、日付はズレました。ご了承ください)。
(他にもいろいろと書いています↓。よろしかったら、読んでいただけると、うれしいです)。