読書感想 『トラウマ』 宮地尚子 「トラウマの希望や豊かさ」
これは、ごく常識的なことなのだけれど、「トラウマ」というのは、最初は本当に専門用語であって、ごく狭い世界で、限定的な使われ方をしてきた。それから、ずいぶんと時間がたち、いつのまにか、日常的に「トラウマ」は使用されるようになってきて、それは「精神分析学」の歴史の凄さ、という言い方もできるかもしれない。
そうなると、「そのトラウマという言葉の使い方は、おかしい」とか、「正確ではない」と言われることも増えてくるし、確かに使いすぎることによって、何が重大なのか分からなくなる可能