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症例報告

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医療的なトピックスをまとめています。 (お話のモデルになっている人の年齢や性別や設定は個人情報に配慮してあえて創作を加え、実際の情報とは変えてあります。)
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#発達障害

妖怪について医学的に解説してみた。

昔から日本には多くの妖怪の類型が伝わっており、その数だけ共通点や違いを見出され、アーカイブされてきた歴史がある。 その情報源は目撃情報だったり、噂話だったりと様々だったと思うが、仮に今全く同じ噂話を聞いた時に、同じように、ただただ不思議な話となるかというと疑わしい。 もちろん日本古来の八百万のアニミズムに由来している物があったり、偉い人を祭り上げるための誇張表現や、失敗を隠すための方便も多々含まれると思うが、現在まで伝わっている妖怪の類型、特に人型の妖怪の中には、今でいう

転校初日をループする病(高次脳機能障害と発達障害)

若年性認知症 自分が出会った若年性認知症の患者さんは元々大手の商社で働いていたそうだ。 一見すると優しいお父さんのような風貌ではあったが、この時すでに彼の記憶は少しずつ抜け落ち、ほとんどの生活行為が自立できていない状態だった。 一緒に活動すると不安が高く、こちらが言う全てのことに、小さい男の子のような口調で何度も確認をしていた。 料理をすると、手の使い方などは覚えており、何も言わなくても利き手で包丁を持ち、押さえる手は猫の手になり、魚の鱗を削ったり、捌いたりする手つきは、