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IT業界の定着が難しい新入社員の特徴と人事がやるべき事

新入社員研修の担当になって数年が立ちますが、IT業界への定着が難しい新入社員の傾向がなんとなくつかめてきたので、まとめてみたいと思います。

大きく分けて以下の3つの観点が影響していると思います。
①論理的思考力
②ストレス耐性
③IT業界への思い入れ


まず①がないと、②③があっても長続きは難しいと感じます。
また、①に加えて②か③のいずれかが無いと、かなりの確率で離職する印象です。

逆に①を満たしていれば、多少②③が低くてもやっていける印象です。

ここからはもう少し各観点について具体的に説明していきます。(採用的な視点が強いですが)

①論理的思考力
いわゆる数学的思考で、主に文系出身の未経験者に苦手な方が多くいます。
ただし、理系や経験者であっても全員が得意というわけではありません。
論理的思考力の判断には、たとえば以下のものがあると思います。
・基本情報処理以上の資格の有無
・大学の情報学部や数学科を卒業しているまたは、大学院を卒業している
・応用的なプログラミング問題の対応力(ゼロからの実装)
・ある程度の長さの論理的な文章作成力
・論理的な会話力
なお、思考力には瞬発的に本質を理解する力と、じっくり難しい論理に取り組んで考える力の2種類があると思います。

②ストレス耐性
作業量、スピード、正確性、対人関係等のプレッシャーに対応できるかという力です。
ストレス耐性に関する適性テストや、その人が苦手なこと、今までに一番つらかった経験や、そこから立ち直った経験からある程度の判断できると思います。(じっくり細かな作業にとり組む趣味の有無も参考になります)
長くチームスポーツを経験していると耐性が高い印象があります。(ただし、そもそも①を満たさないと適応は難しいです。)

IT業界への思い入れ
理系や情報系の学生であれば、「業界や仕事についてどこまで具体的にイメージを持っているか」だと思います。
正直、文系はイメージが浅かったり志望動機が弱くても仕方ないと思いますが、研修や実務でどれだけ自己学習できるか、業務内容についていけなかった場合にどのような対策がとれるか、過去にそういった壁を乗り越えた経験があるかを、確認するとよいと思います。

そしてこの3つの観点を踏まえて、人事担当がやるべき事は次の2つだと考えています。

■採用時に3つをしっかり判断する
それぞれの判断方法はあると思うので、この3点に着目した採用をしていく必要があると思います。
一方で3つが完璧な学生は少なく、年度の採用方針、採用のバランスから様々なことを考慮しなければいけないと思います。
しかし、この3点(特に1が苦手な方)を満たしていないと、結局長続きはないし、配属された現場が苦労すると感じています。

■新入社員の3つの観点の弱みを減らす
「①論理的思考力」
についてはプログラミング研修を初め、様々な検討とアウトプットを行う訓練で伸ばしていくことは可能と思います。また一口に論理的思考といっても幅は広いため、本人が得意な思考に合った仕事に割り当てることもポイントと思います。
「②ストレス耐性」ストレスマネジメント研修と定期的な振り返りで、自己の特性を把握し、先手を打って仕組みでストレスを減らせるスキルを身に付けるよう支援していくのがポイントと思います。また指導担当、メンター、人事担当など複数人で、1~3年目をフォローすることで、ストレスの緩和が期待できます。
「③IT業界への思い入れ」は実際の仕事を楽しいと思えることが、思い入れを強めることにつながると思います。そのために本人のモチベーションに一致するような達成感や充実感を得られる機会を作ることも1つと考えます。


私もまだまだ道半ばですがこれらの観点を踏まえて、育成に取り組んでいければと思います。

【ご参考】
未経験エンジニアや文系学生向けの業界入門講座も行っていますので、ご興味がある方はお気軽にご相談ください!


「"未経験エンジニア転職"で失敗しないためのIT業界入門」
https://www.street-academy.com/myclass/45973

「【就活対策】文系学生活生向け、IT業界入門」
https://www.street-academy.com/myclass/91476

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