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250113 ロック・バンドにおけるジェンダー考

今日のプレイ・リストから 086
イングリッシュ・ティーチャー
「世界最大の舗装床板」


「ティナ・ウェイマス、ノーブラやったで」。開口一番、S君は確かにこう言いました。1979年、高校3年の夏でした。トーキング・ヘッズの京大西部講堂ライブの感想です。身長が20cm低いトム・ヴァーレインのようなギター少年は僕に熱く語ってくれたものです。いや、ノーブラがトピックになるぐらい、インディーズには女性がいなかったと言いたいだけなんですよ。

半世紀近くたった今も、事情はあまり変わらないようです。くだんのトーキング・ヘッズがそうであったように、たとえヴォーカルが女性でもバンドのフロント・マンは男性です。なぜそうなのか?インディーズ、ひいては音楽全般が男性優位社会のひずみをいまだ解消できずにいるのかと思うと、男性ファンとして忸怩たる思いがします。

その意味ではイングリッシュ・ティーチャーは希望の星。ヴォーカルのリリー・フォンテーヌがフロント・ウーマンを務めています。イギリスのリーズ音楽学院の学生で作られたバンドです。イングリッシュ・ティーチャーというバンド名は、メンバーの経歴から採ったそうです。日本でいえば「国語教師」ですかね。その意味では期待できそうにないんですが(自虐オチです。誤解なきよう)。