見出し画像

48. adapt, adopt 〈接頭語 ad:~の方に〉

さて、本稿からしばらく「よく使う接頭語(接頭辞)」をまとめてみます。

まず「接頭語(prefix:プフィックス)」とは「英単語の頭の部分につき、その単語に一定の意味をつけ加えるもの」です。当ブログでは、主要な接頭語として13の接頭語を解説する予定です。

第48講の〈見出し語〉は adaptadopt です。文字数も発音もそっくりなので、受験の対策などで「どっちが、どっち!?」と混乱し易いもの。こんな単語こそ、語源で覚えればバッチリ意味が区別できるようになります。

ちなみに、接頭語に関する綴り(と発音)のルールに、接頭語の語尾が消えて後に続く文字が繰り返されるなどの同化 (assimilation) と呼ばれる現象があります。

このassimilationという単語じたい、接頭語 ad(方へ)+simil(同じ) +ation(名詞化)の接頭語のdが消えて、後続の文字sが繰り返されており、同化が生じている例です。X adsimilation「アシミレーション」と発音するよりも 〇 assimilation「アシミレーション」の方が発音しやすいからです。
(※なお「同化」は通常、英語の音韻ルールとして解説されます。)

その他の同化の例として以下の単語などがあります。(B.で解説します)
■ accelerate 
accommodate 
allocate  
allege 
appreciate 
approximate 
arrogant 
assert 
assemble 
attain 

☑️記号のルール
1. 発音記号は使わずカタカナ表記をします。アクセントは太字で表します。
2.★マークは良く使われるカタカナ語、※マークはポイントです。


A. 「語源」で〈見出し語〉を覚える

■ adapt = ad(の方に)+apt(合わせる)
=アデァプト(動)「適応する」「適合させる」
※いわゆる「アとエの中間音の<ェァ>」です。

※語源 apt(合わせる)も重要な語源です。
例)aptitude → apt(合わせる)+tude(名詞化)→合っていること
プティテュード(名)「適性」「才能」

■ adopt = ad(の方に)+opt(選ぶ)
~の方を選ぶ
=アプト(動)⑴「採用する」⑵「養子にする(=子供を選ぶ)」

※語源 opt(選ぶ)の方も重要ですね!
例)option →opt(選ぶ)+tion(名詞化)
=★プション(名)「選択(肢)」

▶接頭語 <ad>=「~の方に」「~に向かって」

B. 〈同一接頭語の単語〉を覚える

accelerate= ac(=ad: に向かって)+celer(速める)+ate(動詞化)
ある方向に向かってスピードを速める
=アクレレイト(動)「加速させる」
★「(車の)アクセルを踏む」のアクセルは、英語では
accelerator =アクレレイター(名)「加速装置」

② accommodate = ac(=ad: の方へ)+com(=con: 同じ)+mod(形)+ate(動詞化)→同じ形の方へ向かっていく
= アモデイト (動)⑴「を収容する」(=人を同じ建物に入れる)
 ⑵「に適応させる」(=同じ型に合わせる)

③ allocate = al(=ad: の方へ)+loc(場所)+ate(動詞化)
→(ある人を)ある場所へ置く
ロケイト(動)「割り当てる」
★ ロケーション(location)「場所」

④ allege = al(=ad: に向かって)+lege(訴訟・法律)
訴訟に向かって(※諸説あり)
=アッジ(動)「主張する」「申し立てる」
★リーガル (legal)「法的な」

⑤ appreciate = ap(=ad: の方に)+preci(=price:価値)+ate(動詞化)
~の方に価値を向ける
=アプシエイト(動)「正しく評価する」「感謝する」

⑥ approximate = ap(=ad: の方に)+proxim(近い/接近)+ate(動詞化)
~の方に近づいている
=アプキシメット(形)「おおよその」
※approximately(アプキシメトリ)=about(副)「約、およそ」
※少し難しい単語でproximity(プロキミティ)(名)「(時間や場所の)近接性、近いこと」があります。

⑦ arrogant = ar(=ad: に向かって)+rog(要求する)+ant(形容詞)
相手に向かって(寄こせ)と要求するような
ロガント(形)「横柄な、傲慢な」
「お前のものはオレのもの。オレのものはオレのもの。」という名言(?)を吐いた「あのキャラクター」のイメージ。

⑧ assert = as(=ad: の方に)+sert(つなげる)
自分の意見の方につなげる
ート(動)「(根拠はないが)主張する」「断言する」
desert=de(否定)+sert(つなげる)→つなげない=つながりを断つ
ザート(動)「見捨てる」→(見捨てられた土地)→(名)「砂漠」「不毛の地」

⑨ assemble =as(=ad: の方に)+semble(=simil:同じ)
同じものの方に(人を集める)同じもの同士を集めて(組み立てる)
=アンブル(動)「集める」「組み立てる」
resemble = re(何度も)+semble(=simil:同じ)→何度も同じだと思われる
=リンブル(動)「似ている」

⑩ attain = at(=ad: に向かって)+tain(触れる)
→~の方に手を伸ばして触れる(ところまで行く)
=努力してゴールに達するイメージ

=アイン(動)「達成する」

attain (達成する)obtain(獲得する)の意味の違いは語源-tainの違いが反映されます。attainのtainは「触れる」、第2稿で紹介したobtainのtainは「(ガッチリ)つかむ・保つ」なんですね。

※obtain = ob(に向かって)+tain(つかむ)
→ ~の方に手を伸ばしてつかむ
=(動)オブイン「~を得る、手に入れる」

▶️第48講では、18語の見出し語&関連語を確認しました。
▶「C.接尾語で<派生語>を覚える」は、しばらくお休みします。



いいなと思ったら応援しよう!

3PBラボ /3点バースト速習法‼️
よろしければサポートお願いします! いただいたサポートは「学びを取り戻す」3PBラボの活動費に使わせていただきます!

この記事が参加している募集