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2.大学受験レベルの英単語を「速習」するとは?
こんにちは。
前稿では筆者の考案した「3点バースト速習法」についてごく簡単に触れましたが、世の中には既に多くの優れた勉強法が紹介されています。
そして勉強法の中でも、特に「英単語学習をいかに進めるか」は、英語を学ぶ多くの方たちにとって頭痛の種であり、英語を学ぶ限りは一生ついて回る課題です。
とは言え、大学受験や留学準備、TOEICなどの資格試験を控えた方たちにとっては「一生の課題」などという悠長なことも言っていられないですから、
「これから受験する試験レベルの英単語をどうすれば速く確実にマスターできるか」すなわち
「英単語の速習法」
は受験生にとって切実なテーマです。
今日は、「3点バースト速習法」メソッドによる「英単語速習法」をご説明する前に、「巷で最も影響力のある英単語速習法」について検討します。
(1)「英単語・高速回転法(仮)」
さて、昨今のブログやYoutube界隈での「英単語学習」についての論調は、「1日10語、10日で100語」派よりも、「1日100語ザっと回すを10日間毎日続ける」派の方が圧倒的に優勢でしょう。
丁寧に時間をかけて1語1語を覚えるのではなく、とにかく「その単語を目にする回数を増やし慣れる」。そのために「単語帳を学習する回転数をできる限り増やす」という英単語速習法です。(仮に「高速回転法」と呼ぶことにします。有名どころだと元グーグル副社長の村上憲郎氏が『村上式シンプル英語勉強法』の中で紹介されています。)
この単語速習法が社会的に認知されるにつれて、英単語学習・大学受験をテーマに扱ったブロガーさんやYoutuberの皆さんが一斉に「英単語の高速回転法」を紹介されて、今や「英単語学習法をネットで調べると高速回転法しか出てこない」と言っても過言でないかもしれません。
そして、それらはエビングハウスの忘却曲線や脳科学の知見なども論拠にされていますが、結局のところ、
私はこの英単語学習法で志望校・資格試験に合格した!!
という実体験(実績)こそが、彼ら彼女らの主張を最も力強くサポートする論拠なのでしょう。また、そういう実績に基づく説得力こそが読者・視聴者を強く惹きつける理由であるとも言えます。
(2)それは本当に「万能薬」なのか?
しかし、ここで少し考えて頂きたいのは、そのブロガーさん・Youtuberさん等の英語学習歴や英単語学習歴、さらにはバックグラウンド(どういう教育を受けてきたのか)についてです。
より具体的には、高速回転法の推奨者が「受験レベルの英単語を覚え始めた頃から『高速回転法』を採用していたのか」ということです。
これは決してその「ブロガーさん・Youtuberさん」が嘘をついていると言いたいわけではありません。
そうではなくて、たとえば
①その記事を書いているブロガーさんは、実は進学校出身で、高校1年生の頃から毎週英単語のテストをキッチリ受けていたり、サイドリーダーとして英語のテキストを多読する課題を出され続けていたので、「1日100語をザっと回す」だけでそれまでの英単語学習の記憶を喚起できるくらいの単語力が既にある人だった。
とか、
②そのYoutuberさんは英語が3度のメシより好きで、それまで特に単語帳などは使わずに英語をどんどん多読・多聴して吸収し、受験用の英単語帳に出てくる単語などは改めて覚えるまでもなく「1日100語をザっと回す」だけでそれまでの英単語学習の記憶を喚起できるくらいの単語力が既にある人だった。
とか、はたまた、
③その著者さんは、並外れた記憶力の持ち主で、100語をザッと2〜3回繰り返した段階で、ほぼその範囲を覚えてしまい、残りの1週間はそれまでの英単語学習の記憶を喚起することで10日後には完璧に記憶を定着させることができた。
といった特殊な能力やバックグラウンド(属性)を持っていたのではないでしょうか、ということです。
①進学校出身で単語学習のスタートが早い。
②英語好きで単語を覚えるのが苦にならない。
③他人に比べて記憶力が抜群に良い。
正直なところ、上記の3属性以外の受験生で、高速回転法が「1周めから」うまくハマって英単語をマスターできている人に私はお会いしたことが無いのです。
(3)単語帳「1周め」と「2周め以降」の違い
これは、英単語の「高速回転法」という方法論自体が効果がないとか、一部の属性の受験生にしか向かないということでは、全くありません。むしろ、一度しっかりとその単語帳に掲載されている単語を覚えこんだ後、すなわち2周め以降に、せっかくインプットした単語を忘れないように維持する方法論としては、「高速回転法」がもっとも優れた方法だと考えています。
私自身の実体験に照らしてみると単語帳の「1周め」と「2周め以降」の方法論を変えてみるのが望ましいのではないかと思います。
自分の大学受験のときには、一応上記①・②の属性らしきものがあり(残念ながら③記憶力はさほど良くなかったですが)『ターゲット1900』と『試験に出る英単語』(後者はもはや受験市場では古典の扱いですが)を「高速回転法」に近い方法で仕上げました。
それから約30年後。突如(仕事上のやりとりがきっかけで)ボキャブラリィの不足を痛感し、英検1級の受検を思いつきで決めました。直近の英検試験日の半年前のことだったと思います。
とにかく単語を覚えなければ、ということで旺文社の『出る順パス単・英検1級』を大学受験の際の要領で「高速回転」させようとしました。
結果は…。
①そもそも、単語のレベルが高すぎて「未知語と既知語の仕分け」の作業ができない(ほぼ未知の単語ばかりでイチから覚えるしかない)。さらには、②30年の経年劣化で、若い頃もさほど良くなかった記憶力が、もはや全く当てにできる状況に無かった。
③その結果、『出る順パス単』を3か月ほど、何周「高速回転」させても、ほとんど全く頭に残らない、という残酷な現実に直面しただけでした。
そういう悲惨な状況にありながらも、それから2か月ほどで英検1級に1発合格できたのは、ボキャブラリィを強化するという所期の目的を思い出し、①『語源』を中心に単語の意味をしっかりとマスターするという方法に切り替えて単語帳をじっくり1周させた後、②時間が許す限り『高速回転法』で語義を定着させるという戦術に切り替えたおかげだと思っています。
結局、「大学受験レベル以上の英単語の速習」とはその単語の語義(意味)をどれだけ早く定着させるか(その単語をactiveに運用できるかはまた別)という「実質」にポイントがあるのであって、テキストを何周させるかという「作業」にあるのではない、というのがその時に得られた教訓です。
そして、この自分自身の体験に照らしても、世間に出回っている英単語学習の方法論には
「単語帳1周めの方法論」が決定的に欠如している
と言わざるを得ない。
この「単語帳1周めの方法論」として「3点バースト速習法」メソッドに基づく語源学習法を提唱したいのです。
(つづく)
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