〇〇と僕『ん』~ん!?と僕~
エッセイ。
それは文学における一形式。
イッセー。
それは尾形。
エビバディセイ。
それはホーオ!(ホーオ!)
ホッホッホッ!(ホッホッホッ!)
ってな具合に、ふざけにふざけた文章で幕を開けたシリーズ『〇〇と僕』。
〇〇に入るタイトルの頭文字は『あ』から『ん』まで順番に。
そんな無謀なルールを決めて、「本当に終わるのかねぇ」なぁんて思いながら書いてきたが、気付けばついに今回が『ん』。
ってことは、これで終わり。
やったぁー!!
ようやく解放されたー!!
って、まてよ……。
困ったね。
これはなんとも困ったね。
次回から僕はいったい何を書けば良いのか。
んー。
なんてグチグチ言っている場合ではない。
なんたってまだ終わっていない。
僕は『ん』を書かなければならない。
しかし『ん』から始まる言葉なんて見当たらない。
……。
……。
こうなったら仕方がない。
僕が日々の暮らしのなかで『ん!?』って思ったことを書きたいと思う。
・イヤホンの話
町で、電車で、本屋さんで。
至るところでイヤホンをしている人をよく見る。
僕も1人で電車に乗る時は、イヤホンをして音楽を聞く。
当たり前の風景。
しかし、最近、異様な光景を見かけるようになった。
カップル、夫婦、友達同士など、2人、または数人で町を歩いている人たち。
その中にイヤホンをしている人がいる。
ん!?
人と過ごしている時に、なぜイヤホンをしているのだろうか?
単勝一点買いに全財産をかけた競馬の結果が気になって仕方ないのだろうか。
なにかを聞いている訳ではなく、ただ単に外すのが面倒なのだろうか。
音楽など何かしらのリズムがないと、心臓のリズムを上手く保てない身体なのだろうか。
今度見かけたら聞いてみよう。
いや、やっぱりやめよう。
「お前に話しかけられたせいで全財産がぁぁぁー!うわぁぁぁー!」なんてことになったら面倒だ。
・日本語の話
メガネの鼻の部分が曲がったせいで、ごはんですよ状態になってしまった。
調整なら無料でしてくれるってことだったので、僕はそのメガネを買ったメガネ屋さんに行った。
「すいません、鼻の部分が曲がったので、調整して欲しいのですが。」
僕がそう言うと、店員さんは丁寧な口調で答えた。
「調整はメガネに多少負荷がかかります。もし破損しても保証できませんが、そのことをご存知の上で仰っていますか?」
ん!?
「そのことをご存知の上で仰っていますか?」
口調もそれぞれの単語も丁寧なのに、なんだかとっても攻撃的。
「は、は、はい。調整をお願いします。」
恐る恐る答えると、座って待てと言われ、待っていると別のスタッフが裏から出てきて、笑顔で手際よく直してくれた。
日本語は難しく、奥が深い。
・子どもおじさんの話
帰宅ラン中の信号待ち。
僕の横には小学3、4年の男の子とその父。
それぞれ自転車に乗っている。
父はスマホを持ち、ポケモンGO。
そして信号は青に。
それに気付かず、スマホをいじり続ける父。
「青になったよ。」
と、少しキレ気味で言う息子。
汗だくで走り出す僕。
なかなか頑張って走ったので、次の信号待ちもその親子と一緒。
止まるやいなやスマホをいじり始める父。
そして信号は青に。
案の定、気付かずにスマホをいじり続ける父。
「おい、ゲームいい加減にしろよ!」
と、ついにキレる息子。
ん!?
こりゃあもう、どっちが親だかわからん。
僕に迷惑がかかっている訳ではないので知ったこっちゃあないんだが、なんだか少し悲しくなった。
「少年よ、立派な大人になれよ。」
そう心の中で呟きながら、僕は汗だくで走り始めた。
他にも『ん!?』って思うことはたくさんある。
たくさんありすぎてキリがないので、今回はここまで。
ってなわけで、シリーズ『〇〇と僕』はこれにてお仕舞い。
大変長い道のりだったが、こんな駄文にお付き合いいただき本当にありがとう。
さて、次回からは何を書こうか。シリーズにするのか、単発のコラムにするのか、なにも決まっていないが、とりあえず駄文であることには変わりないだろう。
それでもよければ、今後も引き続き読んでくれると嬉しい。
では、また。
『KIWIROLL / バカネジ』を聞きながら
FJALLRAVEN by 3NITY TOKYO 池守