〇〇と僕『め』~眼鏡と僕~
僕は眼鏡がないと生きていけない。
なぜならば、僕は目が悪いからだ。
「目も頭も悪くなるからゲームは1日1時間まで!」という母ちゃんの言いつけを守っていたにも関わらず、僕は目が悪い。
頭も悪いが、その話は一旦置いておく。
なぜならば、今回は『め』だからだ。
僕は風呂に入る時と寝る時以外、ずっと眼鏡をかけている。
歯を磨く時も、背中をかく時も、日本の未来を考える時も、ずっと眼鏡をかけている。
なぜならば、目が悪いからだ。
裸眼では文字がほぼ読めない。
テレビのテロップも、町の大きな看板の文字も見えない。
というか、ほとんどの場合、文字が書いてあることすら分からない。
人の性別は服装や声色で判断するしかない。
なので、セーラー服を着たおじさんがいたとしたら、きっと女性だと思うだろう。
機関銃も持っていたならば、間違いなく薬師丸ひろ子だと思うだろう。
なぜならば、昭和生まれのおじさんだからだ。
眼鏡を初めて買ったのは高校生。
実は中学生の頃から黒板の文字は見づらかったが、高校2年生まで眼鏡を買わなかった。
眼鏡屋のおじさんに「なぜもっと早く来なかったのか」と怒られた。
目が悪いにも関わらず、裸眼で無理やり暮らしていたせいで、余計に悪くなっていたのである。
母ちゃんには「なぜもっと早く眼鏡が欲しいと言わなかったのか」と怒られた。
そんなことを言われても、僕は筋金入りのめんどくさがり屋である。
なぜならば、母ちゃんが筋金入りのめんどくさがり屋だからだ。
暗いとより一層見えなくなる。
わざと薄暗くしている小洒落た飲食店なんかは非常に厳しい。
眼鏡をかけていても厳しい。
雨の日は、昼間でも家の電気を付けたい。
とても付けたい。
でも、それは我慢する。
なぜならば、今年は節電の夏だからだ。
今年も健康診断で視力を測ったが、また悪くなっていた。
検査結果を見せられて絶望していると、担当のおばちゃんに「もう一回やろうか?」と言われた。
しかし、僕は断った。
なぜならば、何度やっても見えない物は見えないからだ。
眼鏡をしていても見えないことが増えてきたということは、眼鏡がいよいよ合っていないのかもしれない。
安いお店に行けば、5000円もあれば作れるし、大人だから5000円くらいは持っている。
しかし、しばらくは新しい眼鏡を作りには行かないだろう。
なぜならば、世の中は見なくても良いモノで溢れかえっているからだ。
『Radiohead / No Surprises』を聞きながら
FJALLRAVEN by 3NITY TOKYO 池守
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