ポリハレビーチまで 3)カウアイ島へ
カウアイ島への旅が決まったのは、ヨーコが死んでもうすぐ1年という頃のことだった。
たまたま仕事で長い休みをとれる時期だったことと友人がそこを訪れるタイミングが重なり、どんな島だかよく知らないままついて行くと決めたのだ。
私はヨーコの死を、まだリアルに受け入れられていなかった。
もちろん頭ではもうヨーコがこの世のどこにもいないと知っていた。
けれどふとしたときに、「これはヨーコに知らせなければ」とか「一度ヨーコにも意見をきいてみよう」と、ごく自然に考えてしまうのだった。