見出し画像

病的なまでに嵌ったゲーム「PSPo2/2i」の話

 2009年12月3日にPSPで発売されたアクションRPG「ファンタシースターポータブル2」(以下Po2)、および2011年2月24日に発売されたアッパーバージョン「ファンタシースターポータブル2インフィニティ」(以下2i)というゲームがある。名前を聞いただけで顔をしかめたそこの人、多分というか間違いなくどこぞの国2もといPSO2を思い浮かべただろうけど待ってくれ話を聞いてくれ。


1.前書きというか自分語り

発売当時高校生だった自分はこのゲームに病的なまでに嵌った。それこそ朝起きたら学校に行くまでの僅かな時間も起動して遊ぶ、学校には当然持っていき休み時間になれば起動、オフラインで出来る準備と育成を学校で済ませ、家に帰ったらすぐさまオンラインに潜る。夜には弱かったので睡眠時間こそ削らなかったが、食事と睡眠以外の時間は全てこのゲームに捧げたと言ってもあながち間違っていない。

 お陰で学業はボロボロで授業はついて行けなかったし周りからの評価も芳しくなく、成績表の点数が赤く輝かない日は無かった。しかし優秀ゆえに先生たちの褒め言葉にまんまと乗せられ、難関大学の受験を勧められそのまま玉砕し、中には病んでいった哀れな優等生ちゃんたちを差し置いて自分はちゃんと合格したし(可愛がっていた優等生ちゃん達が全員落ちてお通夜ムードの中、自分の合格報告を耳にした先生らのバツの悪そうな嫌悪感丸出しの顔は今でも鮮明に覚えている)、大学もちゃんと卒業した。就職して独り立ちして元気に生きているし、こうして駄文を書き連ねているんだから笑ってしまう。


2.面白かった点の前にこのゲームのクソさを語る

「ファンタシースター」の名前で察している人も少なからずいるだろうが、このゲームは決して万人受けするものではない。10人中9人には合わない。しかし残った一人がその去っていった人たちの分まで楽しみ尽くすタイプのゲーム。まずはクソな点について語らせてほしい。面白い部分の話だけ読みたい人はこの記事飛ばして下記の2から読んで欲しい。


2.1. ストーリーミッション

 このゲームも例に漏れず(?)主人公(つまり自分の作ったキャラクター)が仲間たちと世界を救う感じのストーリーを楽しめる「ストーリーミッション」が存在する。それ自体は珍しくもないしクソでも何でもない。話の内容や展開、登場キャラクターに関しても結局は人の好みによりけりな部分のためノーコメント。

では何が問題か?

このストーリーミッション、単純にゲームとして全く面白くない。

・チュートリアルを兼ねている関係上難易度が低い
・ミッション一つ一つが無駄に長い
・ムービー、会話、演出等が挟まり更にテンポが悪い
・ギミックも通常のミッションと比較して多く面倒

 「面倒ならやらなきゃいいじゃん」と思う人もいるだろうが、ストーリーミッションのクリアが殆どの要素の解禁条件になっているためやらないわけにもいかない。某狩りのゲームで例えるならこれは村ではなく緊急。

 厄介なことに3種類マルチエンディングのため、コンプリートを目指す場合は何回かプレイしなければならない。クリア後にはハードモードが解禁されるが、ハードモードを全部クリアすることで解禁される要素も存在する。ハードと言う割には大して難易度も高くないため、単純に作業の量が倍となる。この手間の割に経験値やアイテムの稼ぎは悪い。ハードまで全部クリアすればエンドコンテンツでも使えるレベルの強力な武器は手に入るが、あくまで繋ぎ装備である。

 よほどストーリーにのめり込める人ならまだしも、そうでない人にはテンポも稼ぎも悪い面倒なミッションを延々と繰り返す作業に飽きる。そして辞める。チュートリアルのはずがゲームに悪いイメージを与えてしまっている。この辺りはPSZと同じ過ちを犯しているなと非常に残念に思う。

 一応擁護しておくと全てのミッションがつまらない訳ではない。マップ構成が凝っているミッションも多少は存在する。更に言うとこの手のゲームのストーリーなんて往々にして作業だし(ゲームとしては)クソだし期待するものではない。この苦痛をいかに素早くストレス無く消化するかが腕(?)の見せ所な節もある。しかしそれはあくまでこの手のゲームに慣れ親しんだ人や知っている人分かっている人の考え。

残念ながらゲームに疎い一般人にそんな理屈は通用しない。


2.2. アクションを楽しむゲームではない

 本作は一応アクションRPGを謳っている。しかしアクション性を期待して遊ぶとガッカリする。確かにPo2ではチェインシステム、回避、ガード、チャージショット、2iからはテクニックの移動撃ち、2種類目のチャージショットといった様々な要素が追加され、アクション性は大幅に向上した。しかし元はあのPSUである。他ゲームと比較するとアクション性は高くない。

 とはいえ、言ってしまえばPSOの頃からそうだったわけで、そもそもアイテムハントが醍醐味のゲームにアクション性を求めてどうするんだという話。だがそれはあくまでゲームに慣れ親しんでおり色々と分かっている人や、最初からアイテムハントがしたくてこのゲームを始めた人の場合。

残念ながらゲームに疎い一般人にそんな理屈は通用しない。


2.3. 何をするにも付きまとう周回という作業

 キャラクターを強化したい場合ひたすら経験値効率の良いミッションを回して敵を倒しレベルを上げるしかない。タイプレベルを上げたい場合もクリア時のタイプ経験値が多いエクストラミッションやDLミッションを回るしかない。強い装備品が欲しい場合も、その他諸々何をするにしても大半の場合はよほど素晴らしく運がいい人でもない限りは何度も何度も同じミッションをこなし敵を倒し、確率に打ち勝つしかない。愚痴る暇があったら敵を倒せ、動け、走れ。

 序盤に手に入るレアアイテムはせいぜい10周もすれば出るかもしれない。しかし後半になれば確率は1%など容易く切る。むしろ1%もあったら高確率に分類される。…とはいえPo2は欲しいアイテムに対してタイプさえ合わせて挑めばほとんどが0.1%~0.3%程度、具体的に言うとPSOのSKYLYで赤のソードが出る確率なので、そこまで鬼というわけではない。素晴らしく運がない人には何も出ないけど。

 ちなみに自分は出現率1%の筈の「デルナディブレード」が約500周したのに出ない。まぁ確率計算すると1%を500回回しても出ない確率は0.7%と割と現実的な確率。エンドイフが出る確率(0.5%)よりも高いので仕方ないのかもしれない……


 2iで追加されたアストラルライザー、エタニティゲイザー、煌刃パニシュメント、その他インフィニティミッションでドロップする☆16に至っては公式からPSOの超低確率に匹敵すると公言され、また後に発売された攻略本に載せられた断片的な情報(とエリートハムスターの有志たちの経験)から0.01%~0.03%と推測された。

 ゲームに慣れ親しんでおり、色々と分かっている人や最初からアイテムハントがしたくて始めた人ならば、”周回”という単語やこれらの確率を見て興味を持つ、やる気を出す、興奮するマゾh…チャレンジャーな方も多いだろう。

しかしモン◯ンの逆鱗(5%+α)ですら出ない出ないと愚痴を垂れるゲームに疎い一般人にそんな理屈は通用しない。


2.4.とにかく効率的に動かないとストレスの溜まるゲーム設計

 様々な要素の解禁のためのストーリーは面倒、アクションもそこまで軽快だったりスピーディという訳でもない、そして多くの場面で周回を求められる。苦痛。しかし避けられない。辞めるわこんなクソゲー。

この苦痛を軽減する方法はただ一つ。「効率化」
苦痛を感じる時間を短縮すればいい。

…その為には敵の配置を把握する、自分の装備やアビリティを見直す、強い武器・PA・テクニックを使う、あるいは急がば回れで一旦寄り道をしてレベルを上げたり強い武器を手に入れて、本命のミッションを早く回せるようにするetc…

 この手のゲームに慣れ親しんでいる人にとっては当たり前過ぎて「何を今更言ってるんだ、その試行錯誤こそがこの手のゲームの醍醐味であり最も面白い要素だろう」と言われかねない事だが……

ゲームに慣れ親しんでいない一般人にはそんな理屈は通用しない。

 非常にタチの悪い事に、エンジョイ勢やゲーム下手を自称する一般人と呼ばれる輩共は頑なにオリジナルにこだわり、効率化や上達を嫌う傾向にある。ちょっとでも効率良くしたりより上手く進めるためのアドバイスをしようものなら「ガチ勢乙www」「いや自分エンジョイ勢だから(笑)」と聞く耳を持たない。そしてそのまま非効率的・下手なプレイを続ける。当然上手くプレイ出来なければ勝てない、クリア出来ない。ストレスが溜まる。勝てない。クリア出来ない。勝てないしクリア出来ないのでは面白くない。そしてゲームを辞めていく。別にその人が勝手に苦しんで勝手にキレて勝手に辞めていくならどうでも良いのだが、残念ながら現実はそう上手くいかず、大半の場合は他のプレイヤーにも迷惑をかける。

 これは何もこのゲームに限った話ではなく、ネトゲでも、格ゲーやSTGといったアーケードでも、最近の作品で言えばPUBG/フォートナイト/APEXなどのバトロワ系ゲームでもよく聞く話ではあるのだが。


2.5.装備、PA、種族間の格差

 どのゲームにも必ず強キャラ(強武器)、弱キャラ(弱武器)が存在してしまう。このゲームも例外ではない。本ゲームのバランスについて簡潔に説明すると、Po2で追加された様々な新要素に併せて数値やパラメータ等が調整されたが、武器やPAのモーションや基本的な性能はPSUの頃からほとんど手を加えられていない。その結果、既存のモーションや性能が新要素とマッチした武器やPAはとことん強く、逆にマッチしなかったモノはとことん弱い

 先に述べたようなゲームに疎い一般人は何故か拘りが強い。ヘタクソほどオリジナルに拘る。その拘りが運良く強キャラや強武器に向けば良いが、何故か知らないが往々にして拘りは弱いものに向く。無意識のうちに縛りプレイをする。それでクリアできる&他人に迷惑をかけないなら全く問題ないが現実はそう上手くいかない。自分から勝手に縛りプレイをしておいて、クリアできない上手く出来ないこのゲーム難しいだのなんだの愚痴る。挙げ句の果てにオンラインに潜って他人の足を引っ張る。

 別に最初から好きな武器で好きなように遊ぶ部屋であれば全く問題ないのだが、この手の奴らに限って後述するような戦闘不能=失敗or報酬激減となる高難易度エクストラミッションに混ざろうとする。1人のわがままで全員が損をする、そして原因となったプレイヤーは悪びれもしない、そもそも自分が問題を起こしている事に気付いていない。

ギスギスオンラインの開幕である。

(※ちなみに、どのゲームでも定期的に問題視される"ギスギスオンライン"だが、99%の場合ギスギスだ何だと騒いでいる当の本人に原因がある。逆に言えば、ちゃんと練習し後述のように攻略サイトにも目を通し、その上で効率よくテキパキ進めるといった当たり前のことができていれば、自身に問題が無ければ、1%を引き当てるよほど素晴らしく運が無い人以外は滅多なことではギスギスオンラインに巻き込まれる事は無い)

2.6.攻略サイトの熟読はズルでも何でもなくマナー。それ以前に大前提。読まない方が悪い

 オフラインの1人用ゲームばっかりやってる連中には未だに「攻略サイト=ズルい」という非常に古く凝り固まった時代錯誤で旧態依然とした考えを持っている輩が少なくない。勿論、右も左も分からないゲームを初見で探り探り攻略していく楽しみや、初見だからこそ刺さる演出によって人気を博し、名作の扱いを受けている作品も多々ある。それは分かる。別にそういうのを1人で遊ぶ分には全くもって構わない。

 しかしこのゲームは不特定多数のプレイヤーとオンライン遊ぶ、いわばネットゲームである。製作者もネットゲームであるという自負があるのかマルチプレイ専用ミッションには高難易度のものが多い。(流石に本場ネトゲやビッグタイトルのエンドコンテンツと比較したら難易度は大したことないが…)

職レベルの育成に適したエクストラミッションは単に敵を倒すだけではなく特定のギミックを解く事で進めるものが多く、そもそも攻略方法を知らないとクリアすらままならない。仮にクリア出来たところでギミックを解かなければ報酬が雀の涙と化す。ちなみに報酬がアイテムの場合、ギミックを解かなければ大抵は入手不可能となる。

 更にこれらのエクストラミッションの大半は誰かが戦闘不能になった時点で即失敗でやり直し。後に配信されたDLCのイベントミッションは緩和されたが、それでも戦闘不能を繰り返すと報酬が激減する。戦闘不能を繰り返す下手なプレイヤーが混ざるとこれまたクリアがままならない、または稼ぎ効率が激減する。あるいは欲しいアイテムがほぼ入手不可能となる。

 もし自分がミスした場合、自分だけでなく画面の向こうにいる他のプレイヤーの時間も無駄にする、自分のミスが他人に損害を与える訳である。逆もしかり、自分がどれだけ完璧に立ち回っても攻略方法を知らない1人のせいで時間、アイテム、レアドロップのチャンスを無駄にしてしまう事も多々ある。

極秘任務Sの最後の罠スイッチに引っ掛かる奴は絶対許さねぇ。

…と私怨はさておき、それを防ぐためには、
・事前にミッションの攻略方法を覚えておく
・ミスしやすそうなところをチェックしておく
・レベルや装備、アビリティは足りているか?
・最も生存率と効率両方を高められるのはどんな構成か?
などを調べておく必要がある。その際に役立つのが攻略サイトである。

 攻略サイトを見ずにプレイするのは言ってしまえば、これからみんなでスポーツをやろうとする際にルールを知らないままやろうとするのと同じ。みんなで楽しくサッカーしている中である人が手でボールを運び出したらどう思うか?そしてそいつが逆ギレして「手を使ってはいけないなんてルール知らない!俺は悪くない!」と言い出したらどうか?攻略サイトを見ずにネットゲームに飛び込むのはその逆ギレ野郎と全く同じである。「でもそう言う野郎のおかげで今ラグビーというスポーツがあるんですよ(笑)」とかそういう今自分が言いたい事と全く関係ないクソリプは要らないです。

 話を戻して、「この手のゲームにおいて攻略サイトの熟読そして暗記はマナー以前の大前提だし当然だろう。読んでこない奴覚えていない奴が100%悪い。お前は今更何を言っているんだ?」と思ったそこのあなた、

あなたのその感覚は正しい。本当に正しい。全くもってその通り。

しかし残念なことに、ゲームに疎い一般人にはそんな理屈は通用しない。

…一つ擁護点を挙げるとすれば、最近は◯フィカスや企業系wikiのようなデマを平然と乗っけていたり中身の無いサイトが乱造されている。だから迂闊に「攻略サイト見ろ」「自分で調べろ」と言うとかえってデマなどに引っかかって悪い方向に向かうから言いづらい、というのはある。


3.終わりに

前半はここまで、なんだか書いてみたらゲーム自体のクソな点というよりもゲームに疎い一般人への恨み辛みの方が多かった気がする。

続きはこちら



PSPo2iから逃げるな

この記事が参加している募集