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ことRPGに関しては昔のゲームの方が今のゲームより難しかったよなという話

 特にタイトルに他意はないし、別に昔のゲームをコケにする訳でも礼賛する訳でもない。そういう記事などを求めている人のご期待には添えられないのでそそくさとブラウザバックでもして欲しい。


1.前書き

 小学生の頃はあまりRPGに馴染みは無かったが、幾つか触った作品はあった。しかし当時はその大半をクリアする事なく詰んでしまい、クリアしたのはその後中学高校あるいは大学生になってからだった。そんな事あったなーと思い返していた所、その詰まった要因の殆どは今の作品ではまず起こらないのではないか?という考えに至ったため忘れないうちに記事にしたためる。


2.子供の頃にRPGで詰まった要因

 自分がRPGで詰まった要因は、当時のゲームはボスが強くて勝てなかったり謎解きが難解だったりと難易度が高かったから……ではなく、

①次に進行するためのフラグの煩雑さ
②次の目的地の不明瞭さ、確認する手段の少なさ
③各種操作への導線の無さ

といった部分だった。


①次に進行するためのフラグの煩雑さ

例:
・ある町でストーリーを進行するにあたり、◯◯にいるNPC1と××にいるNPC2に話かけるとイベントが発生し、次に進む

・そのままではダンジョンに入れない、またはそもそもダンジョンが出現しないが、あるNPCに話しかけてから訪れると入れるようになる

 今にして思えばRPGの基本中の基本であるNPC全員に話かける、もし全員に一回ずつ話しかけて何も起こらなかったとしても、とりあえず2周か3周ぐらいは試してみる…というのを実践していれば特に詰まるポイントではないのだが、それまでアクションやシューティングといった、前に進むなり出現した敵を倒せば勝手に場面が進む事が多いゲームを中心に遊んでおりRPGというものを全く知らず、また周りの友人や大人たちにもRPGについて詳しい人がいなかったためセオリーなどを教えてもらうこともなく、その上まだ小学生で読めない漢字や理解できない単語や表現があったりしたので、詰むには十分過ぎる要素だった。


②次の目的地の不明瞭さ、確認する手段の少なさ

例:
・次の目的地を明言しない、方角だけ口にするなど

・仮に会話の中で「××に行け」と明言する台詞があったとしても、もう一度話しかけると無関係なセリフに変わっており確認できない

・似たような構成やデザインが続いたり、どこまで仕掛けを解いたのか目印(仕掛けを解いた部屋は明かりが消える、等)が無い

 この要素でもかなり詰まった記憶がある。これもNPCの会話をちゃんと読めばわかるポイントなのだが、RPG慣れしていない子供には十分過ぎる詰み要素だった。


③各種操作への導線の無さ

例:
・鍵のかかった扉の前でメニューからアイテム欄を開き、回復アイテムなどのように特定のアイテムを「使用」する

・特定のアイテムを「装備」した状態で何らかの行動をすると先に進む

 「アイテムの使用や装備品というのは戦闘にのみ関わる要素で、フィールドやワールドマップ上で何かイベントを起こすための操作ではない」という固定観念に囚われていた故に詰まった要因。ある程度色んなゲームに触れた今でも詰まりかねないポイント。


3.記憶にある限りの具体例

 他にもあった筈なのだが、記憶に鮮明に残っているのは下記の3作品

3.1. ドラゴンクエストVI 幻の大地 (SFC)

 前述した①、②、③全ての要因で事あるごとに詰まった作品。更に言うと単純に戦闘で勝てなくて詰まった事や仕掛けが難解で詰まった事、挙げ句の果てにはお気の毒なことに冒険の書が消えてしまい詰まった事もあるし、何ならクリア直前にSFC本体が壊れてしまったため現在進行形で詰んでいる。ゲームにおける詰んだ経験の数え役満。

①次に進行するためのフラグの煩雑さ
 アモールの血の川やカルカドの幸せ島など。何の説明もないので何をすれば良いのか見当もつかず長い事詰まった。これもとりあえず全員に話しかければ良いだけなのだが、そもそもRPGというものに不慣れだったためとにかく全員に話しかけてみるという発想が無かった。

②次の目的地の不明瞭さ、確認する手段の少なさ
 ムドー戦後や空飛ぶベッド入手後、外洋に出た後などは割と自由に探索が可能になるのだがその際どこに行けば見当もつかず長い事彷徨った記憶がある。今にして思えばこれももしかしたらどこかの町のNPCがヒントをくれたのかもしれない。

③各種操作への導線の無さ
 店で売っている"きぞくのふく"(貴族の服)を「装備」して特定のNPCに話しかけると進むイベントがあるのだが、これも長い事気づけなかった。もしかしたら今でも引っかかるかもしれない。
 周りの装備より明らかに値段が低いなど導線はあるにはあるのだが、他の装備より守備力が低いから安くなっているというミスリードを招きやすい上、DQ6には戦闘では役に立たない代わりに"かっこよさ"なるパラメータが高い装備などもあるため尚更誤解しやすい。

 詰まった要因ではないが、DQ6は属性周りの仕様も今一つ感覚的ではなく不親切。例えばDQ6には「かえんぎり」(火炎斬り)という特技があるが、この「かえん」ぎり「ギラ」属性の攻撃。ついでに覚えるタイミングも魔法剣士⭐︎1「メラ」ファイターで覚える。矛盾魂か?
 DQ6における火炎属性とは「〜の息」などブレス系の技を指す属性のため、百歩譲ってブレス系ではないこの特技が火炎属性ではないというのは分かるが……ちなみにヒャドと氷の息などもそれぞれ「ヒャド属性」と「吹雪属性」で別枠らしい。
 また、「せいけんづき」(正拳突き)は岩石属性の属性攻撃のため、耐性持ちには命中率が下がる。ムドー前半まではあれだけ大活躍したのに真ムドーでは何故か当たりづらくなる、一部の敵に対して何故か全く当たらないというのは相手が岩石耐性持ちで命中率が下がっているため。ちなみにこれらの情報をゲーム内で知る術は一切無い。

分かるかァ!こんなもん!!!

…まぁこれらの詰まる要因や不自然な作りを差し引いても「面白かったゲーム」として記憶に残っているのだから流石はドラゴンクエストと言うべきか。


3.2. ワイルドアームズ (PS1)

 今やシンフォギアの方で有名な金子氏が手がけた荒野と口笛のRPG。この作品では特に①と③で詰まった。

①次に進行するためのフラグの煩雑さ
 最序盤の3人が集う場面や船を入手後に外洋に出ようとすると渦潮に阻まれる場面は街中のNPCの話を聞く事でフラグが立ち、イベントが進む。繰り返しになるがこれもとりあえず全員に話しかければ良いだけ、分からなくなったら面倒でも全ての街を回ってみれば良いだけなのだが…

③各種操作への導線の無さ
 序盤に訪れる神殿では、地下の仕掛けを解いたあと入り口にある扉の前に立ち、特定のアイテムを「使用」することで道が開く場面がある。それまでアイテム欄から鍵となるアイテムを使用して進むというギミックが無い上に取説にも書いておらず、加えてこのゲームにはフィールド上で「グッズ」と呼ばれる道具を用いるアクションパズル要素…例えるならゼルダの伝説のように爆弾を置いて壁を破壊したりランプに火をつけて道を開いたり…がある。そのため行き止まり=何らかのグッズを使って道を開くという固定観念に囚われてしまい長い事気付けなかった。
 大人になった後やり直してみると、それより前の会話をよく読むとそれらしい操作を仄めかす会話がある上に、その特定のアイテムは何故か文字の色が白(使用できないアイテムは灰色)であるため道具として使用する事に意味があるのだと推測できるが…
 また、ゲーム中盤でも同じように特定のアイテムを使用する事で先に進める場面があるのだが、このアイテムを使用する場所の判定が妙に狭く、使用する→微妙に座標がズレており何も起きない→もしかしてこれは違うギミックなのか?というミスリードも起こった記憶がある。


3.3. ワイルドアームズ セカンドイグニッション (PS1)

 前述の広野と口笛のRPGの2作目。戦闘のテンポの悪さ以外は今なお愛されるPS1屈指の名作。こちらは①と②で詰まった。

①次に進行するためのフラグの煩雑さ
 本作のワールドマップはダンジョンや町などがほとんど出現していない状態で始まり、NPCの会話やレーダーを頼りに町やダンジョンの近辺でサーチと呼ばれるアクションを行う事で初めて出現し、入場可能になる。しかし極一部ワールドマップ上のレーダーには表示されているのだが先にとある町でイベントを進めないと出現しないダンジョンがある。何度も同じ事を書くのは忍びないのだがこれも全ての街を回って全員に話しかければ良いだけだったのだが…


②次の目的地の不明瞭さ、確認する手段の少なさ
 海に散らばったアイテムを集める場面があるのだが、その際アイテムの場所は潮の流れを見ておおよその位置を見極めなければならない。レーダーには表示されたような記憶があるが、ストーリー進行に必要なアイテムだけでなく普通のアイテムなども置いてあるためあまりアテにならない。
 また、これはゲームの作りというよりも諸事情でプレイに間隔が空いてしまった事も原因なのだが、あるダンジョンでは四つの回廊があり、初めから開いている回廊を進み最奥でイベントを起こすとまた別の回廊が開き、その先でイベントを起こすと次が…という形式で進む。回廊はどれも似たような作りな上に目印なども無く、どこまで攻略したのか忘れてしまった事で詰まったこともあった。


4.終わりに

 今の作品ならば次の目的地や誰に話しかけるのかなどは律儀にガイドやアイコンを表示する場合がほとんどだろう。進行状況も記載してくれるかもしれない。そしてアイテム欄から使用といった操作もなく、所持している状態で扉などを調べると勝手に扉が開いてくれたりアイテム欄を開いてくれたりすると思われる。
 よって、昨今の作品において自分が主に詰んだ3つの要素で詰むということはまず起こらないと考えられる。その点に関しては昔のゲームの方が今のゲームより難しかったと言い切れるのではなかろうか?

ついでに一つ、WA5のシステムで作られた2を出してくれ。あとアームドファンタジアは結局いつになったら完成するんだ?