病的なまでに嵌ったゲーム「PSPo2/2i」の話 ~その3~
2009年12月3日にPSPで発売されたアクションRPG「ファンタシースターポータブル2」(以下Po2)、および2011年2月24日に発売されたアッパーバージョン「ファンタシースターポータブル2インフィニティ」(以下2i)というゲームがある。名前を聞いて顔をしかめたそこの人、多分というか間違いなくPSO2あるいはNGS、もしかしたら色々悪名高いPSUを思い浮かべただろうけど待ってくれ話を聞いてくれ。またこの下りか。
今でも禁断症状のようにやりたくなる時がある、しかし充電器が手元に無いので泣く泣く我慢するしかなかった…………のだが、最近ちょっとトンデモないモノを見つけてしまった。
多機種対応マルチレトロケーブルS
https://a-answerstore.com/?pid=135244575
これがあれば手軽にPSPを充電できる。遊べてしまう。
つまり、
PSPo2iから逃げるな。
一応エミュという抜け道があるにはあるがまぁそれはなんというかちょっと…置いといて…
1.改めて思った面白い点
1.1. チェイン
PSO2のGuのチェイントリガーの原型となったシステム。ただし初出は本作ではなくシリーズ屈指の神ゲーであるPSZERO。これを間違えるとどこからともなく現れたZEROの民の手により口にも出来ぬ恐ろしき手段でエターナルタワーに閉じ込められる。
通常攻撃または□ボタンにセットしたテクニックを当てるとチェインが溜まる。チェインが2以上溜まった状態でフォトンアーツ(PA)、チャージショット(CS)、△ボタンにセットしたテクニックのいずれかを当てると「チェインフィニッシュ」となり、一定時間その敵に当てるPA/CS/テクニックの威力が大幅に上がる。チェインを溜めるほどフィニッシュ時の威力および効果時間が増加し、大ダメージを長時間与えられるようになる。
しかしその代わりに準備に時間がかかり、またチェインが溜まるほどフィニッシュ成功の猶予時間も短くなる。フィニッシュに失敗しチェインが途切れた場合は大ダメージは与えられないしチェインも1から溜め直し。大幅なロスとなる。また1chでフィニッシュしてしまうと威力がほとんど上がらない。その上フィニッシュの効果時間中はチェインを溜めることが出来ないため、こちらも大幅なロスとなる。
このシステムにより、本ゲームの戦闘にはまず以下の二つの駆け引き…と呼ぶのも烏滸がましい気がするが、そんな感じの何かが生じる。
(1) 安定を取り、多少時間をかけても多くチェインを溜め、確実に大ダメージを与えて倒すか?
(2) 倒しきれず逆に時間がかかるリスクを承知の上で早めにフィニッシュして、時短を狙うか?
次に現在装備中のPA/テクニックにより、
(3) 現在装備しているPAを3段目までフィニッシュに入れるには何ch必要か?(※例えばツインセイバーPA「ブレードデストラクション」なら15ch以上
、ハイスピ付ギ系テクニック3回なら10ch、など)
(4) そもそもPA3段目まで入れなくても倒し切れるならもっと少ないチェインで良いのでは?
(5) 逆に1回のPA3段目では倒しきれないなら、PAを何回も入れられる40~50chまで溜めるか?
相手によっては悠長にチェインを溜められるとは限らない。オルガ=フロウ第一などが良い例。
(6) 激しく動き回る相手にフィニッシュ失敗するリスクを承知でチェインを溜めるか?
(7) 与えるダメージは減るが安定を取り、少ないチェインで確実にフィニッシュを当てるか?
いざチェインを溜めるとして、
(8)今装備している武器でチェインを溜め、そのままフィニッシュするか?
(9) 武器切り替えのリスク(※本作では武器を切り替えるとロードの都合上攻撃出来なくなる時間が少なからず発生する)を承知の上でチェイン稼ぎは手数の多い武器で行い、フィニッシュは威力の高い武器で行うか?
育成や転生が一通り終わり、最強クラスの装備が揃ってくると通常攻撃も無視できないダメージ源となる。一部の敵は最大レベルであるLv249だろうと通常攻撃だけで倒すことも現実的となる。
(10) 今までなら選択肢に入らなかった程の少ないチェインでフィニッシュし、通常攻撃のダメージ+フィニッシュのダメージが相手のHPを上回るギリギリのラインを攻めて更なる時短を狙うか?
(11) 多少オーバーキルになる、またはチェインを溜めてる間に倒してしまう無駄が発生するリスクを承知で安定を取り、今まで通りちゃんとチェインを溜めてフィニッシュするか?
…以上のように、一つの戦闘においてこれだけ考える要素が発生する。急いでいるからといって少ないチェインでフィニッシュしてしまうと火力が足りず逆に時間がかかる、多少時間をかけてチェインを溜め高火力を叩き込んだ方が早くなることが日常茶飯事。現在の自キャラの強さ、敵の強さや種類、装備その他色んな要因が絡み合い、最適チェイン数やその状況での最適解は変わり続ける。
それに加えてIMのように出現する敵が毎回ランダムで変わるコンテンツもあるため、文字通り無限に遊べてしまう。絶えず動き回りながら最適解を模索するこの要素が面白くて面白くて数千時間遊べたのだろうと今なら言える。
1.2. ガード
両手武器を装備中、または左手に盾を装備中はガードが可能。ガード中に攻撃を受けるとPPを消費してダメージを大幅に軽減できる。またタイミングよくガードすると「ジャストガード」となる。このジャストガードがとにかく優秀で、成功すればノーダメージ&PP消費なし。加えて長めの無敵時間が発生する。成功時の長い無敵時間と判定の甘さにより、多段ヒットなどのガード殺しのような攻撃も初段さえジャストガードできればジャストガード→ガード解除→解除モーションが終わったら即座にガード、で丁度よくジャストガードが成立する。
また本作ではダメージ判定のあるモノほぼ全てをジャストガード出来る。自分からダメージ床に突っ込んでダメージ床をジャストガードすることも可能。
これにより広範囲に吹き飛ばし効果のある攻撃を繰り返す敵へのストレスが大幅に緩和された。また相手の攻撃ギリギリまで攻め続け、相手の攻撃は無理矢理ジャストガード、更に攻め続けると言ったそれまでのPSシリーズとは思えないアグレッシブなプレイも可能になった。敵の攻撃やガードのタイミングを覚える、そして攻撃のチャンスを増やす。そういったゲーム内ではなくゲーム外のプレイヤーの成長が効率や安定したプレイという結果に如実に現れる。ガードを攻めに転用できるのは他作品で言えばSEVEN以降のYsシリーズや、比べるのもおこがましいが隻狼の弾きに通ずる面白さがある。
1.3. 装備品の「強化」への依存度の低さ
本作にも装備品を強化できるシステムがある。
・メセタを消費して攻撃力を”僅かに”上げる「強化」
・10回強化した武器にアイテム”エクステンドコード”を使用する事で武器の性能、レアリティを☆10相当まで、☆10以上の武器に使用した場合は1つ上のレアリティ相当まで上げる「限界強化」
・限界強化した武器にアイテム”エクステンドコード∞“を使用する事で性能、レアリティを☆13~16相当まで上げる「究極強化」
“僅かに”と書いたように本作の強化による上昇値は固定な上にほぼ誤差。殆どの装備品は強化を行わずとも性能が担保されているため、強化を行わずとも良い。強い装備は入手するだけでキャラクターの成長に繋がる。中には元の性能がレア度と釣り合わない程低く、限界強化や究極強化をしないと真価を発揮しない例外もあるが、全体から見れば極一部の武器のみのため単なる個性の一つ。
どこぞの某2のように素ドロップ品の装備は本来の性能を全く引き出せていないゴミであり、安くない金と素材(旧式武器なら補助アイテムと運)を支払って強化とは名ばかりの装備「修理」で元の性能まで戻す必要は無い。
ちなみに強化成功率は全て100%(※)、どんなに素晴らしく運がない人でも安心。
※例外として強化前は「レア」だが低確率で強化失敗すると「ウェルダン」、失敗せず10回強化成功すると「ミディアム」となる見た目も性能も完全なネタ武器は存在する。
2.改めて思った厳しい点
2.1. 育成
本作のキャラクターは最大Lv200、タイプ(職業)は4種それぞれ最大Lv50まで存在する。Lv200までの必要経験値は1億、タイプLv50までの必要タイプ経験値は12万(4タイプ全て上げるなら48万)。
2iではLv50以上のキャラクターをLv1に戻す代わりに得られるポイントでステータスを強化する「転生」というシステムが追加された。この転生でのステータス補強をカンストさせるために必要な転生回数はLv200転生5回+Lv109転生1回、経験値換算で5億900万。それが嫌ならLv50転生を600回以上繰り返す必要がある。
「いや転生とか一部の廃人向けのコンテンツでしょ?」と思う人もいるだろうが、転生する事でタイプのアビリティ枠がそれまでの上限が8枠だったのに無条件で+4枠される、その上転生しない場合タイプLvの上限は30止まりとなり、2iで追加された様々な強力なアビリティ…例えばRaなら2強たる所以の「ハイスピードチャージ」と「バーストシューター」…を覚える事が出来ない。また2iのエンドコンテンツとされる高難易度エクストラミッションやIMでの真レア掘りは転生を前提とした難易度となっており、未転生で挑むのは敢えて弱く不便な状態で高難易度に挑む事に(マルチなら他人に迷惑をかけることに)快感を覚える一部の方以外には非常にストレスが溜まる心折設計となっている。
そのため、エンドコンテンツを快適に回せる事を目標に、大してレアアイテムも出ない経験値稼ぎ用のミッションをひたすら周回してレベルを上げる必要があるのだが…これがまぁ面倒くさい。最近のレベリング自体は容易なゲームに慣れきってしまったのもあるが、今やると非常に厳しい。
当時はまだ「買ったばかりの新しいゲーム」だったり、オンライン潜ってもみんな同じようにクソゲークソゲー言いながらレベリングに勤しんでいて謎の一体感があったからこそ続けられた。しかしオンラインのサービスはとっくの昔に終了しシリーズの新作も幾つか出て、大半はそちらに移りもはやこのゲームについて話している人が居ない今モチベの維持するのは厳しい。
ちなみに、これでもタイプLvに関してはかなり緩和されている。2iで配信された比較的難易度の低いDLCエクストラミッションにてヤケクソ気味なタイプ経験値が貰えるようになった。
・Po2ではギミックを知らない人が混ざると報酬激減ギスギスオンライン開幕不可避のマルチ専用エクストラミッションをひたすら回し、10分〜15分で1周300~400ポイント貰えれば非常に多い部類だった。
↓
・2iでは前作に比べ難易度が抑えめのDLCミッションでも最終的に10分〜15分でオフラインで1000ポイント以上、オンラインなら2000ポイント以上貰えるようになった。
そのためDLCで最強クラスの装備を集めていれば気付けば上がってた事も多い…がしかし、それでもタイプLv50までの必要経験値12万を稼ぐには単純計算で120周する必要がある。もうちょっと軽くても良かったのではなかろうか。
幸いな事に自分はオンラインサービス稼働中に病的なまでに嵌り2人ほど転生およびレベリングを済ませ、ついでにマルチプレイでしか入手できないアイテムを全て集め、オフラインでの高難易度IMを快適に回せるキャラがいるため今からレベリングをする必要性は無いが、この育成の重さは何とかならなかったのかと思わずにはいられない。例えば経験値ブーストの上位アビリティを出したり転生すればするほど取得経験値が増えるとか、あるいはマガシ抹殺に代わる新しいミッションを追加するとか出来なかったんだろうか。あとどうしてIMで得られるタイプ経験値を設定ミスを疑いたくなるぐらい低く設定したんだろうか。
2.2. 当時のゲームとしては仕方ないが今やると若干不便なシステム周り
久々に触って真っ先に不便だなと思ったのが装備マイセットを保存できない事。本作ではタイプを切り替えたり自キャラをPTに連れて行くNPCとして設定するなど、装備やスキル構成をガラリと変える場面が非常に多い。その度に装備を倉庫から引き出し装備してアビリティを付け直す必要がある。今思うと割と不便。せめて通常プレイ時とサポート用の構成は別に設定できると良かった。当時のゲームなんてそんなもんと言われたらそれまでだが………いや当時のモン◯ン2Gにはあった気がするぞマイセット機能。
IM周りも改めて考えてみるとかなり不便。とにかくマスクデータが多い。出現する敵の種類は分かるが強度までは書いておらず自力で計算する必要がある。それだけならば渋々計算すれば良いだけの話だが、問題はレアエネミーの出現率。1~8%とかなり振れ幅が大きい上に合成すると更にランダムで変動する。にも関わらず確認する手段がない。レアエネミー出現を何度も連続で引いたとしても単に素晴らしく運が良いだけで実は1%かもしれないし、逆に全然出ないのも単に素晴らしく運が無いだけで実は8%かもしれない。
合成結果も合成してみるまで分からない。気に入らない場合はリセットする必要がある。当時は新要素だったこともありマスクデータの多さも楽しめたが、10年近く経って大半の仕様が解明された今では不便さしか感じない。あとこれは単純に自分の我儘だが、ミッション名を変更できたら便利だったなと。作者名にミッションの用途をつど書くのは割と面倒くさい。
3.終わりに
実は他にも書きたい事があったのだが、書いてるうちにあまりにも長くなってしまったため、急遽分割する事にした。気が向いたら書いて公開するかもしれない。
とりあえず、NGSから逃げてもPSPo2iから逃げるな。
4.クソみたいな自慢話
自分の未入手武器一覧を晒す。
「え!?お前◯◯持ってないの!?」とか笑いたい人は勝手に笑え、じゃあお前エタゲ60%持ってんのか?
俺は持ってる
……氷だけど
半分ぐらいはこれを自慢したいという汚い心でこの記事を書きましたすいませんでした。
ちなみに現実は非情でエタゲ光60%を持ったガチ勢に軽く捻り潰されオーバーキルされる。
???「え?お前のエタゲ光じゃないの?」