ディスクレビュー: Tell Me I Am Alive / Downcast

Downcast、1990年代黎明期のバンドでEbullitionの最初のリリースでもある7インチシングルとその後のLPは、Ebulltionというレーベルの性質も決定づけたとも言える。アメリカの西海岸、カリフォルニアのゴリータというローカルから始まった音楽が地下の音楽シーンを少しずつ変革していく。それから約30年後、急に再結成したDowncastだったが今度はなんと新作をリリースした。EMOとポリティカル。その姿勢こそがDowncastではあったはずだけど当然かつてのようなサウンドではなく当時の音を期待して聴くのは時代錯誤だし、だからといってDowncastに何を求めれば良いのかわからないという愛ゆえの困惑がそこにはある。もはや白人がポリティカル言っても何の説得力もないのかもしれないという矛盾も含めて、それでもレコードとしてブツをリリースするに至った彼らはホンモノ。再結成ライブはしていても未だ新作をブツとして出せていない全てのリバイバルバンドは偽物である。自分達も90年代当時の若者の知識はとっくに追い越している、だからこそ求められているのは我々のほうだ。行動せよ。

tracklist:
1. From the Body
2. Expectationless
3. Nature of a Gun
4. Four Arrows
5. Hiding in the Limbs
6. Price
7. Mayday
8. The Response from White America
9. Sandpaper (A Song for Still Life)
10. The World He Promised to Katherine

Text by Akihito Mizutani (3LA -LongLegsLongArms Records-)
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