炭酸入浴剤の音を分析するのもまた、冒険なのである。 #noteフェス

2021年10月15日(金)〜17日(日)に開催された『note CREATOR FESTIVAL 2021』(noteフェス)。

3日目の17日に行われたトークセッション『日常を冒険に変える7つの方法』は、自分では考えもつかない人生の楽しみ方が学べる時間でした。

登壇者は会社員兼ライターの岡田悠さんと限界労働OLの砂漠さん。

世界のあちこちを旅してきたおふたりが、コロナ禍において日常をいかに充実したものにしているのか。おふたりのエピソードからヒントを得て、『日常を冒険に変える7つの方法』をリストアップしていこうというのが、このトークセッションのテーマでした。つまり、本当に7つの方法が決まるのか分からない状態から、この時間はスタートしたのです。

とにかくおふたりの語るエピソードはどれも一風変わったものばかり。終始「クセがすごいんじゃ!」とうっかり千鳥ノブさんばりのツッコミを画面越しに入れてしまうくらい、「え?どういうこと?」と言いたくなる話がポンポンと出てきました。全部書き出すと大変なので、とりあえずアーカイブを見てください。諦めではありません、それだけおふたりの話を全部聞く価値があるということです。

本当に良い意味で変わっているおふたりですが、方向性は違うところがまた面白いと思いました。

岡田さんは自ら楽しみを見つけていく天才です。そして、面白そうと思ったことに対して、どんなに時間がかかろうが、手間がかかろうが、好奇心のままに追究を続けていく根気強さがあります。例えば、岡田さんは入浴剤の『バブ』が好きなんだけれど、自分は何故バブが好きなんだろうと思い立ち、その理由が音にあるのではないかという仮説を元に、あらゆる炭酸入浴剤の音を分析したそうです。その結果、一般的な炭酸入浴剤は泡が弾ける音が単調だけど、バブはさまざまな大きさの泡によって音が不規則に発生し、その音が心地良いのだという結論を得たとのこと。「バブはジャズ」というパンチラインも飛び出しました。しかし、ありとあらゆる炭酸入浴剤の音を録音し、それを分析していく作業って、実はとても地味で時間もかかるんですよね。だって、基本的にお風呂に入るのは一日に一回。つまり、一日に一種類の入浴剤の音しか採取することができない訳です。私だったら三日坊主に終わると思います。そもそも入浴剤の音を分析する技術もないし、そのやり方を調べる方法すら分からない。その他にも、ドコモの携帯電話の説明書に登場する「ドコモ太郎」という人物がどんな人柄なのか調べるために、ドコモのホームページに載っている全ての説明書に目を通した話など、岡田さんは面倒なことを続けていく才能がズバ抜けているんだと思いました。

逆に、砂漠さんは面白いことに巻き込まれる天才です。砂漠さんのエピソードは「友達に誘われたんですけど」から始まることが多いんですよね。知らない人に誘われていることもあるけれど。とにかく誘われたら断らない。だから、周りの人も砂漠さんなら来てくれるだろうと思って、彼女に声をかけるんだと思います。砂漠さんは「自我がない」と言われていましたが、実はそれってすごいことなんですよね。誰だって気持ち的には「友達に誘われたことは何でもする」と思ってはいても、いざ誘われたら断ることもあると思うんです。断るのが悪いということでは決してなく、どうしても行けないことやできないことってあるじゃないですか。それは仕方ないんです。みんな自分の都合があって当たり前なんですから。だけど、砂漠さんは自分の都合よりも、常に人の都合に合わせることができる。そして、砂漠さんがそういう人だということを、周りの人が理解している。そういう関係性を築けることがすごいと思います。私もよく「いつでも誘って!」と友人に言うことはありますが、実際に誘われることってあんまりないんですよね。ある意味「いつでも誘ってください」という言葉は社交辞令と化しているんですよ。私は本当に誘ってほしいと思っているけれど、相手はそう受け取っていないんじゃないかと思います。反対に、私が「いつでも誘ってね」と言われたとして、誘えるかというとやっぱり難しいです。忙しいかもしれないとか、どんな理由で誘えばいいか分からないとか、いろいろ考えてしまいます。ただ「会いたいから会いましょう」で全然いいと思うんですけどね。断られても「じゃあ、また今度ね」って言えばいいし。だけど、その勇気がなかなか出ません。なので、いつか砂漠さんには人間関係の構築の仕方を教えていただきたいですね。

そうして、数々のエピソードから得られた教訓(?)を元にまとめられた『日常を冒険に変える7つの方法』がこちら。

1.愛するものを育ててみる。
2.流されてみる。
3.時間で遊ぶ。
4.ゼロから自分で体験してみる。
5.お風呂に入る時バブの音を聞いてみる。
6.忘れる。
7.勉強する。

簡単にできること、だけど、一歩踏み出す必要があることがきれいに揃いました。改めて見ても、面白いですよね、この7つの項目。パッとこれだけ見せられても、よく分からないかもしれないです。なので、ぜひアーカイブを見てください。(2回目)

私もこれから7つの方法を活用しながら、日常の中で少し目線を変えてものごとを見てみるということをしていきたいと思います。

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