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国語ができるようになるまでの全体像【国語勉強法】
おそらくこの記事が目に付くのは高校生以上だと思います。中学生以下で国語が苦手でも、とりあえず「たくさん読めば何とかなる」ところがありますからね。
高校からは、古文と漢文をやるようになる上、現代文が訳わからなくなります。せっかく日本語を読めるのに、勉強ができなくなってしまう勿体ない人が続出なので、今回は、国語ができるようになるまでの全体像を示します。
はじめに言っておきますが、高校国語にセンスはありません。むしろセンスがある人は、中学国語でおいしい思いをして、我流になり、高校国語でずっこけるケースが多いので、センスがない方が頭には入ってきやすいです。
まずは古文をやる
高校国語で一番頭おかしいのは古文です。日本語のふりをしながら全然読めないのでたちが悪いです。
流れとしては、①ある程度国語はフィーリングでできると思いながら高校に入る。→②古文が全然できない。→③点数がモリモリ引かれる。→④自信を失う。→⑤国語全体のモチベが下がる。 という最悪の工程があります。
とりあえず古文で耐えれば、国語全体が救われるので、「古文の勉強が最優先」です。
ここからは、具体的にどのような勉強をすればいいのかを書きます。
まずは、単語をやります。現代とは意味が違う単語や、そもそも使わなくなった単語が多いからです。例えば、古文単語の「ののしる」の意味を知ってますか?主な意味としては、「大声をあげる、評判になる」です。現代ではマイナスイメージなので、全然違う意味ですよね。
こういった単語でかつ頻出するものが500ほどあります。なので単語を勉強していないと、文章を読んだとき、まるで違う現代語訳になってしまいます。
使う単語帳ですが、なんでも大丈夫です。ただ、とにかく覚えやすいという理由で、「古文単語ゴロゴ」をオススメしています。下ネタが苦手だったり、ふざけた形式が嫌いだと使いにくいかもしれませんが(笑)。
古文単語の覚え方については別記事で紹介します。
次に文法をやります。英語では最悪、文法をやらなくても何とかなるケースがありますが、古文では絶対にやらなければいけません。というのは例えば、次の文を現代語訳すればわかります。
「いみじくうれしきにも涙落ちぬ。」(いみじ→とても)
ヒントもつけたので、意味が分からない単語はないはずです。じゃあ、それだけで現代語訳できたでしょうか?
正解は「とても嬉しいことにつけても涙が落ちた。」
んん?って思いませんか?現段階でこれを訳せたら素晴らしいです。
「うれしきにもってなんだ?」とか「落ちぬってことは、落ちないってこと?」とか考えませんでしたか?
「うれしき」は「しき」なので、連体形と考えられ、後ろに名詞が来ます。なので「うれしいこと」と訳せます。「落ちぬ」の「ぬ」は、完了の意味なので、「落ちた」と訳せます。
文法の知識がないと読めないことを痛感してもらえたら幸いです。オススメの文法参考書ですが、「吉野の古典文法スーパー暗記帖」と「富井の古典文法をはじめからていねいに」です。
これらは、初学者向けで、偏差値が高くない人でもスラスラ進められる難易度なので好きです。問題演習が少ないので、多いのが好きだと向かないかもしれませんが、古文法で問題演習をガツガツやるのは非効率なので、この2冊から選ぶのでいいかなと感じています。
単語と文法ができると、ビックリするくらい読めるようになります。「古文はルールチェンジした日本語にすぎない」んですね。ただ、知識は使わないと忘れるので、教科書を丁寧に読み込むなどすることで使いこなせるようになっていきますよ。
現代文の変化を理解する
古文の次は現代文を読めるようにすることがキーになります。これができると、高校国語は9割マスターしたも同然です。
同じ日本語の文章を読むだけなのに、なぜ高校に入ると読めなくなるのか?不思議ではありませんか?これは、文章が長くなり、さらに文を理解することが難しくなっているためです。
同じレベルの文の集まりでも、文章が長くなるだけで一気に難しくなります。なぜなら、シンプルに、読んでるうちに初めの方を忘れてしまうからですね(笑)。また、長い文章では、ずーっと違うことを言っていることはなく、大概は似たようなことを何回も違う段落で主張してるんです。なので、問いに対して、何を答えていいのか分からなくなります。確かに、似た内容を繰り返し言っていますが、同じような内容でも重要度が部分によって変わるのです。
長くなるだけで難しいのに、文1つ1つのレベルが上がれば、もっと難化するのは当然です。頭の整理が単純に追っつかないのです。
これら難化点を対策するために必要なスキルは「正しく要点を掴む力」となります。ただ、自分で要点の掴み方を発見するのは、まあ不可能な話なので、いさぎよく参考書に頼りましょう。優秀な新高校生なら、自信満々なので「自分で要点の掴み方を発見するんだ!不可能じゃないはず。」と逆張りしたくなるかもしれませんが、やめてください。東大や京大、医学部の知り合いは100人以上いますが、独学で成功した人は知りません。
「正しく要点を掴む力」を養う参考書は「船口のゼロから読み解く最強の現代文」です。中学生でも理解できる講義形式で、正しい基礎が学べます。学ぶことは大きく基礎3つ(対比、並立、添加)なのですが、これを1冊通して丁寧に見ていくので、これら基礎が文章のどこにあるのかが肌で分かるようになります。
とりあえず、現代文はこのレベルができれば、苦手意識もなくなると思いますよ。
漢文は優先度が低い
共テを見てもそうなのですが、漢文はずば抜けて簡単で有名です。返り点をマスターしてるなら、とりあえず授業を聞いてればOKです。受験期に入ってから本格的に対策を始めるのでも間に合います。
それでも、高1から漢文やりたい!という方もいると思うので、一応オススメを紹介すると「漢文早覚え速答法」ですね。勉強法は古文と同じです。細かい勉強法やさらに具体的な参考書は別記事で紹介します。
今回はこれで終わりです。基礎的な部分が多かったので、応用については次の記事で書いています。興味がある方はぜひ読んでみてください。
国語ができるようになることを祈ります。