一時帰国:突然の学費を払う話に目が覚める
9月の国内旅行や、最近の出来事を書いていて、しばらく間が空いてしまったが、一時帰国の思い出noteに戻りたいと思う。(一時帰国の直前のnoteはこちら。)
8月の始めに日本に到着し、成田(妹の家)→弘前(実家)→札幌(友人の所)→成田(妹の家)と移動して、8月の下旬に妹の家でリモートワークをしていたある日の朝の事。
東京にいる元夫から電話がかかってきた。
寝ていたので、まだちょっと頭が動いていなかったが、用事があるからなのだろうと思い、電話に出た。
「まだ寝てたのか?」と言う問いに曖昧に返事をして、用件を聞くと、「息子の短大の学費を払って欲しい。今週末までだ。金額はXXXカナダドルで。。。」
え、え、なんだって・・・・?
言われている内容は分かったが、理解ができない。
学費は元夫が払うのじゃなかったのか。
頭を振って無理やり目を覚まして、もう少しよく聞いてみると、
息子の短大の9月のセメスターの学費の支払いが必要である。
支払い期限は今週末。(8月末が期限って聞いていたが・・)
元夫ではなく、なぜか私が払うことになっている。
と言う情報はなんとか理解できた。
昨年の9月に、息子はカナダの大学に入学した。
コロナが広がり始めた頃に高校を卒業し、大学の方針が家族の中で一致していなかったため、息子と元夫は散々もめた。その上、コロナで大学の試験や資格試験も中止になったり、延期になったりしたため、入学が決まった時はほっとしたものだった。
何とか初期費用や当初の学費を納めて、これでやっと一息つけると思ったのに、元夫が色々と理由をつけて、9月のセメスターの途中から学費を支払わなくなってしまった為、短大に編入の願書を出して、受理されたのだった。
(注:元夫は学費の全額以上を払ったと言っているが、学費を大学に払ったのか、それとも息子に使ったのかが未だはっきりしない。)
大学と比べると学費が半額ほどになり、卒業までの期間も短い為、息子が自分で学費を稼ぐ可能性が増えると見込んでの編入であった。
短大への編入は、元夫も知っていて、了承していたはずなので、てっきり払うつもりでいるのだと思ったのだが。
なぜ突然私が払う事になったのか?を聞いてみると、
元夫が持っている資産の多くは仮想通貨であり、現金化するタイミングが決まっていて、そのタイミング以外に現金化すると、返還レートがかなり悪くなるので、今回は私に払って欲しい。と言う。
ちなみにずいぶん急な支払い期限については、国際送金には時間がかかる事が多いし、支払い後の領収書を短大に提出するなどの事後の手続きを考慮しての内部の期限だそうだ。
(またしても)私は悩んだ。
元夫が言っている、現金化のタイミングは恐らく本当なのだろうと思う。定期預金を途中で崩す場合だって似たようなものだ。
それ自体は問題ないので、次に、私が支払いをすることを考えてみた。
数年前に、不本意ではあったが一人になったので、やっとこつこつ貯められる状態になり、少し貯める事が出来たので、支払う事はできる。ただ、この学費を払うと、日本の口座の貯金の大部分は無くなってしまう。(インドの口座もあるが、ダメージは大きい。)
しかも、これは卒業まで2年間あるうちの、1年目の前期(9月のセメスター)の学費である。同額の学費の支払いが後3回もあるのだ。
もしも、元夫がのらりくらりと理由をつけて次も払わなければ、どうすればいいのか。1セメスターだけ払っても解決策(=短大の卒業)にはならない。
元夫は「次のセメスターは払うから」と言っているが、前科があるだけに無条件での信用はできないのが悲しいところだ。
元夫の言い分は分かったので、息子はどう思っているのかを聞いてみることにした。
私が今回のセメスターの学費を払うことになったと伝えると、息子は何も知らなかったらしく驚いていた。元夫が学費を払えない理由については理解できたようだが、私の経済状況を知っているので「ママにはお金を使って欲しくない」と言う。
息子には「ママが今回の学費を払ったとしても、パパが次のセメスターの学費を払えなかったらどうする。」のかを聞いてみた。
元夫の支払いを100%あてにする事ができないので、次のセメスター以降の1年半をどうやってしのいでいく気なのか、カナダしか選択肢はないのか、どこまで考えているのか、を知りたかった。
正直な話、自分の貯金が無くなってしまっても、「子供の学費の足しになる」と分かった時点で、払う決心はついていたのだが、息子の真剣さと冷静さも確認しておきたかった。
息子は、今は具体的な策が無いと正直に言った。
カナダにいる留学生が、許可されている労働時間は週20時間まで。なるべくたくさん時給の良いアルバイトをすること、なるべく節約をすること、特別に20時間以上働ける許可がもらえるか確認してみること、奨学金などの情報を集めてみること、しか今は思いつかない、とも。
それでも、真剣にカナダに残りたいと考えていて、この学費を払う事で、次の対策を考えて講じる時間も稼げるから(学費を払えば、セメスター終了までは学生としてカナダにいる事が保証されるので)、何よりもその時間が欲しい、と言う。
もうここまで聞ければ、学費を支払う決心をするのに十分だと思った。
貯金の残高は減ってしまうけど、これで息子の時間を買ってやれるなら安いものじゃないのか。特に息子が日本に行ってから親らしい事をしてやっていないので、ここで使わなければがんばって貯金してきた意味が無い。
結局、その日の夜に、私の日本の銀行口座の貯金から支払いをした。
それから、2か月ぐらいが経って、昨日のnoteを書いたのは偶然だったのだが、結果として、息子が勉強も節約&貯金もがんばっているのが分かり、お金を出してよかったな、としみじみ思ったのだった。
自分が嬉しくなるものに、大事な貯金を使ったんだ。
貯金の残高がもっと多かったら、安心材料にはなるのだろうと思う。不安が無いと言ったらうそになる。
でも、私はまだ健康だし、仕事もあるし、何より息子の成長が楽しみだ。
貯金はまた一からスタートしよう。
がんばれ自分。がんばれ息子。
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