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このまま枯れてはいけないと思わされた小説ご紹介
水曜フリースタイル タイトルのまんま
最近、小説は至って耳から入れるようにしています。
車通勤なのでもっぱらBGMはオーディブル。
↑けっこう最新書籍やベストセラーも早いタイミングで出るので、月に一冊以上本を読まれる方は断然おすすめ。
そんな朝のルーティンで、次はどれを読もう(聞こう)かとオーディブル内を検索していると、2024年の本屋大賞作品の特集を組まれていた時に大賞の下記⇩『成瀬は天下を取りにいく』が俄然目に止まって、そのまま聞いた次第です。
最初はちょっと風変わりなヒロイン成瀬の行動に区切りが来たら別のブックに代えようと思っていたら、けっこう序盤からグイグイ来始めて、中盤過ぎにはあと何時間で成瀬とお別れになるんだと寂しさが募りました。
すでにオーディブル版でも続編の『成瀬は信じた道をいく』も公開されており、こちらはすでにヒロインに魅了されている私は一気に聞いた感じです。
そして、↑の『ナチュラルボーンチキン』もおすすめです。
作者は弱冠21歳で芥川賞を受賞したことが話題になった金原ひとみ著でオーディブル版のみという変わった流通形態。
と、これがどうタイトルに関わってくるのかです。
成瀬シリーズのヒロイン成瀬あかりは大津市在住の女子高生です。
なんせこの成瀬のまっすぐな行動力の描写が50を回って枯れ方の方向性を思案しようとしていた自分に思いックソ刺さりました。
なんせ成瀬は200歳まで生きることを目標としているので、いろんなことにチャレンジをし続けるのです。
どんな些細なことでも純粋に貫き通す成瀬の描写が面白くも美しく、本当にこんな風に行動出来たらムーブメントを起こせるよなぁ。
と、シミジミ考えてしまいます。
対してナチュラルボーンチキンの主人公、浜野綾乃は45歳一人暮らしの平凡な会社員。過去の出来事によりルーティンを繰り返す日常、これ以上を望むことがないよう努めて生活している。
ひょんなことで規則無視の在宅勤務ばかりをする問題社員、平木直理(ひらきなおり:名前もトンチ効いてる)の警告のため訪問し、あまりの正反対の暮らしぶりに自分とは相容れない存在と認めつつも、直理の破天荒な世界に徐々に魅了されていく綾乃。
登場人物の軽妙なやり取りに車中で声をあげて笑うことが幾度もありました。
前者は成瀬の個人技で、後者はルーティン女の綾乃と破天荒直理をはじめとした他キャストとの対比を用いて、(綾乃がツッコミ役)人生っていろいろあって素晴らしいと思われてくれます。
こちらの三作を読み(聞き)終えた時は、それぞれロスを感じた秀作です。ぜひ機会があれば手に取って読んで(聞いて)みてほしい作品です。