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亡き姉からの【エール】ショート・ショート
まさに間一髪の出来事だった。もう二分出発が早ければ、目の前に広がる多重衝突事故の当事者の一人に名を連ねていたことだろう。
運が良かったの一言で片づけるのは簡単だが、私のこれまでの人生において、今回のように九死に一生を得た出来事は一度や二度ではない。
歴史に名を留めたほどの大惨事の先の震災の時も、実を言えば最も被害の大きかった東北地方最大の都市の海岸線の街でまさにあの時間に、仕事に当たっていたは
与太モンの兄貴 茅ヶ崎浩太郎
勘太から聞かされた突然の別れ話を、おみよは黙って受け容れるしかなかった。冬ざれの浅草の街は、年の瀬の人の流れで賑わいを見せていた。
「分かっておくれおみよ、お前に落ち度があっての話じゃねえ事は、お店(たな)のみんなも重々承知の上だ。だがなおみよ、お前の兄貴の吉松と来た日にゃ、始末がわるすぎらー。世間様がきゃつの事をなんてほざいてるか知ってるか?ごくつぶしの鏡だとよ、言い得て妙じゃねえか。お前も不
親愛なるnote様、人生最初で最後のラブレター💗
※ 君のことを初めて知ったのは、公募ガイドさんからのご紹介がきっかけに他なりません。
あれはまだ、去年の暮れの寒い夜の事だったと記憶します。60を前にして失業に追い込まれた私は、周りからの叱責と、将来への不安から「やけのやんぱち日焼けのなすび、色は黒くて食いつきたいが、わたしゃ入れ歯で歯が立たぬ」の心境で近所のツタヤに一時避難を敢行した際、雑誌コーナーで目と目を合わせた公募ガイドさんの、そこは