一見無機質にみえる書物ほど、著者の心血が注がれている。
iPhoneのメモ帳に書いてあった。
たしかに漢和辞典や六法全書、哲学書など
一見すると「血が通っていない」と思われるほど
緻密な文章で綴られた本たち。
いったい誰がどうやって書いたのだろう。
「この本は死ぬ思いをしないと書けない。」
感情を極限まで削ぎ落としたそれらは、
たとえば
「何もしなくても1ヵ月で100万円稼げる!」
といった
感情の表層だけを撫でるような本に比べると
心の奥底に訴えるもの、残るものが圧倒的に異なる。
そりゃそうだ。
死ぬ思いで書いているんだから。
僕は「一般人代表」のような人間だけど
それでも
その違いくらいは
わかる。
伝わる。
そういえば
学生時代から抜群に英語ができた友だちは
いつも英語の辞典を読んでは「面白い、おもしろい」
と言いながら勉強していた。
彼には何が見えていたんだろう。
僕には何が見えるんだろう。
本物に、ふれよう。