課題解決は問題を切り捨てることだ
ビジネスの現場では「問題解決」と「課題解決」という言葉が頻繁に使われるが、この二つを正確に区別して使えている人は意外と少ない。
これらを混同すると、解決策が的外れになり、成果が得られないことがある。この記事では、「問題」と「課題」の違いを明確にし、それぞれの解決に必要なプロセスを考えてみる。
問題解決とは:現状のギャップを埋める
問題とは、「予定されていた状態・計画」と「現状」の間にあるギャップのことである。
具体的には、「今、困っていること」「不都合な状態」そのものを指す。例えば、「売上が下がっている」「在庫が過剰になっている」といった状況が「問題」である。
そして、問題解決とは、この問題に対して1:1で解決策を考えることとして扱われることが多い。
問題解決の特徴
• 視点:現状を変えることに焦点を当てる。
• 目的:目の前の障害を取り除き、理想の状態に近づけること。
• アプローチ:原因を特定し、具体的な対策を講じる。
具体例
◆問題:
「売上が予算未達である」
◆原因:
「新規顧客が減少している」
◆解決策:
「広告予算を増やして集客を強化」
課題解決とは:理想の姿の実現と問題点の許容
課題とは、「理想の姿を達成するために必要なこと」や「解決すべきテーマ」のことである。課題は必ずしも現状に問題があるとは限らない。
目標を達成するために「何をすべきか」という前向きな視点で考えられることもある。
たとえば、「新規市場に進出するための戦略を作る」「組織力を向上させる」が課題にあたる。
そして、課題に対する打ち手は1:1対応にはならず、達成するために複数の打ち手が必要だったり、何段階かのステップを要することが多い。
結果として、課題から外れる問題点は放置、もしくは悪化させることも容認して進められることを認めなければならない。優先順位付けが肝要なのだ。
課題解決の特徴
• 視点:未来に向けた目標達成のために条件を満たすことに焦点を当てる。
• 目的:具体的なゴールを設定し、それに向けたプロセスを設計する。
• アプローチ:目標達成に必要なリソースやステップを明確にする。問題の優先順位づけを行う。
具体例
◆課題:
「組織力の強化」
◆解決策:
「人員採用・配置替え」
「定期的な集合研修」
「管理職研修」
「管理職・非管理職間のコミュニケーション強化」
「Salesforceなどの営業管理システムの導入」
◆許容する問題点:
「人件費の増加」
「中・短期的な生産性の悪化」
まとめ:問題解決できないものは、課題解決として優先順位づけが必要
問題解決と課題解決は、いずれもビジネスにおいて不可欠なスキルである。ただし、それぞれの特性と違いを理解しないままアプローチを取ると、期待する成果を得ることができない。
問題解決は「現状のギャップを埋める」ことに焦点を当てている。そして、その問題以外の要素は意識しない傾向がある。もしくは他に問題が生じるから放置したままとしがちである。(売上増加のために従業員の働き方が悪化するのを許容する、もしくは働き方が悪化するから手は打てない、など)
課題解決は理想の姿を実現することと、そのためにいくつかの問題点は許容する姿勢をもつことである。
課題解決は理想の姿を持つからこそ、問題解決ではできなかった問題の優先順位付け、優先度の低い問題の切り捨てができ、実行に結びつけやすいのだ。
これらを意識することで、ビジネスの現場でより大きな成果を上げることができのではないかと思う。
少しでも皆さまの参考になれば幸いです。
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