1680円で買えるゆめ

ぜーんぶ無理になっちゃったから近くの薬局で2000円はたいて薬を買ったの。
いまは1700円ちょいで自由が手に入るから素敵な時代だね、そう思いながらお茶といっしょにゲロマズい黄色い錠剤をながしこんだ。

小さくて規定量さえ守れば私の体を守ってくれる優しい存在なのにそれを武器にして肝臓を傷付けることに興奮を覚えちゃったんだあ、えへ。

中学生の時ね、臓器ってすきだなあなんて馬鹿なこと言ってたこと、覚えてる?
そんなの嘘っぱちなのにね、ほんとうは狂ってるフリをしてる私が可愛い気がして仕方なかったの、ねえ、わかってるよ。

顔だけが全てなのは知ってるんだあ、性を売っても3000円で買えちゃう時代、お金で私の全てが買えちゃうの。つまんなくて素敵な時代。

必死こいて腕切って肌に泣き声を与えたあの2年間もお金で買えちゃう?もしかして。
これはわるい夢だって気付かせて欲しい
起きたら私と一緒にどっかに行こうよ

深夜のコンビニまでの道を好きな曲で満たしている感覚が好きだったな。
音と声を余すことなく耳に入れて肺まで満たしているあの感覚がだいすきだった。

脳が熱くなる程にいきてていいよっ!て言われてる感覚はお金じゃ買えなかったのかもなあ。
 もし死んじゃったらね、私の臓器全部きみにあげちゃいたいな、なんてね、こんな気持ちの悪いプロポーズなんか言ったって誰も貰いたくないよってね〜!

私の臓器はきっとぜーんぶ腐り切ってて脳も赤黒いんだろうなあ、あるバンドのメンバーが脳天ぶちまけて自殺したのを思い出したから私が死んだら写真でもとってアルバムにしてよ笑

なんてね、でも遺影は絶対プリクラにしてね、中学の卒アルとかやめてよね、ほんとに不細工な清純時代消し去りたいから。
人生って嘘つきコンテストだし戦場だから負けちゃったの。この人生つまんないからいらなぁい

ねえ来世はさ〜1680円210錠の1錠になりたいなぁ、君の中でずっと生きてたいの、うふふ、なんてね。 


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