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スカイリムプレイ日記~狩人ちゃん~ #76
こちらの続きです
『計り知れない深み』
リフテン水産に行った時に押し付けられた、『辞典』と呼ばれる謎のキューブがあります。
アルゴニアンの女性、その名を『水底からの者』さんはそれが一体何なのか全く教えてくれませんでした。とにかくそれを「持って行ってほしい」とだけ。奇妙な話ではありますが、ずっと持ち歩いているのも邪魔なので、依頼通り『アバンチンゼル』へ持って行くことにしました。
アベンチンゼル
「フン、ドワーフの廃墟か。おかしな場所だよ」
ファルカスさんが周囲を見回して言います。外観はほとんど崩壊しており、入り口は洞窟になっていました。
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中に入ると、話し声が聞こえてきました。人の気配がします。よくよく目をこらすと、ぼんやりとした四人の幻影が見えました。
「ここは好きじゃない。なんだか…ずっと誰かが見ているような気がするんだ」
「簡単な仕事よ、ドレネン。中に入って辞典を盗んで出ていくの。ビクビクするんじゃないわよ」
「あなた達二人で手に負えないなら、他にも誰か雇うだけのことよ」
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四人のうち一人は『辞典』を押し付けてきた『水底からの者』さんです。どうやらあれは、彼女たちが『辞典』を手に入れる前の幻影のようです。なぜそんなものが目の前に現れたのかはわかりません。
「結構。きっと盛大な歓迎を受けるだろう。さあ先に進もう」
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幻影の後に続き、私とファルカスさんも遺跡を進みます。その先々で幻影が現れ、会話も聞こえます。
「信じられない」
「その通り。アバンチンゼルは街ほどもある大きな図書館だ。ドゥーマーの膨大な歴史を保存するために建造されたものだ」
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「この金属の奴ら、なぜ無視するのかしら?」
「アバンチンゼルが待っているぞ」
「何を待ってるの?」
「誰も知らないようだ。ドゥーマーの復活や、この世の終わりについて」
「見えてるのを始末すべきね。万一に備えて」
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奥に進むにつれ、彼らは不安を隠さなくなりました。
「戻った方がいい。ここで眠るのはごめんだ」
「ドレネン。いいか。この場所の地下にある辞典には、ドゥーマーの何世紀にもわたる英知が蓄積されているんだ」
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雷撃を放つ金属の蜘蛛、機械人形。あらゆるしかけが侵入者を阻もうと襲ってきます。幻影の彼らもそれらと戦い、心身を消耗していったようです。
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「そんなことはできない。ここにいるべきじゃない。悪いな」
「ドレネン!」
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「ここで死んだら、報酬が水の泡よ!」
「落ち着けよ、ブレヤ。辞典まであと少しなんだ。辞典が呼んでいるのを感じる。ドレネンなしでやり遂げるぞ」
「あと一歩だ。辞典の呼ぶ声が聞こえないか?」
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「辞典を手に入れたら、演壇にそれを持って行く必要がある。そのあと、どうすればいいかはわかってる。もうすぐ辞典の英知は俺のものになるんだ」
「何か変だわ」
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扉の向こうに消えた幻影。声が途切れ、その後を追うと、アルゴニアンの男性の死体がありました。
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扉の向こうの広場で、二人の女性が剣を構えています。二体のドワーフ・センチュリオン・ガーディアンが立ち、蒸気を発していました。
「はるばるここまで来て、手ぶらで帰るわけにはいかないわ」
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幻影が消えると、起立しているドワーフ・センチュリオン・ガーディアンは一体だけになっていました。もう一体は彼女たちの手によって倒されたのでしょう。
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近づくと、ドワーフ・センチュリオン・ガーディアンが動き出しました。蒸気を発し、巨体で殴りつけてきます。
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ファルカスさんがおとりになり、私が弓矢射抜きます。ファルカスさんの武器であるナーブシャターは攻撃とともに電撃を与えるため、これが機械にはかなり効果的に働きました。
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さほど苦戦せずに倒すことができました。静まり返った広間には、死体が残されていました。おそらく『水底からの者』さんの仲間でしょう。
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仲間を失いながらもここから盗み出した『辞典』を、あのアルゴニアンは金に換えるでもなく見ず知らずの私に押し付け、ここに戻すよう言いました。ここから逃げ出したあと、一体どんな感情で過ごしていたのでしょうか。
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意味ありげな台座に、キューブを載せます。
するとキューブが光り出し、次の瞬間、脳裏に鍛造のアイディアが沸き上がりました。これが古代に消え去ったドゥーマーの英知でしょうか?
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「なんだ?これで終わりか。大したお宝もなかったな」
ファルカスさんは物足りないようで大きなあくびをしながら言いました。
「まあ、目に見えないし、触れる事もできない宝もあるということですよ」
「なんだ、難しいことはわからん」
もしかしたら目に見えない、持つこともできない物の方が、人生において重い意味を持っているのかもしれませんね。
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