AI開発におけるアイデアの着想は開発者視点とユーザー視点 多角的にものをみることからひらめきが生まれる~社員インタビュー#11
今回ご紹介するのは、AI開発をリードするエンジニアのYさんです。AI開発案件における難しさや面白さ、仕事の幅の広げ方などお話いただいています。
これからエンジニアを目指す方、AI開発にチャレンジしようと思っている方、ぜひご一読ください!
―トリプルアイズへの入社はいつですか?入社経緯も教えてください
2016年の冬です。ギター講師、リフォーム営業職を経てシステム開発会社にエンジニア未経験で入社しました。その会社で「そろそろAIを始めたい」という話が挙がり、ちょうどトリプルアイズでAIの教育プログラムがあると聞き研修に参加しました。それがトリプルアイズとの出会いです。当時の福原前社長は、何事にも挑戦していく姿が印象的で、笑顔の絶えない社長さんだなと思いました。在籍していた会社よりもトリプルアイズの方がAI開発にかかわるチャンスがあると思い転職を決意し、いまに至ります。入社後は実際にAI開発案件に携わることができ、大変ではありますが充実しています。
―現在はどんな案件を担当されているのですか?
大手スーパーマーケット様で、商品の最適な売り切り価格を提案するAIを開発しています。販売期限が最終日に当たるデザートやパン、軽食などの商品に対して、高い利益をキープしつつ全て売り切るための最適価格をAIで予測。予測した金額の値下げシールを商品に貼って販売するというものです。
実際に店舗へ足を運び、従業員の方と店内を回りながらPCを片手にAI予測をしています。そこで出た予測価格を従業員の方にチェックしていただき、問題ないようであれば採用するという形で進めます。的外れな予測価格が出た場合は不採用になることもあります(笑)
お店の売り上げにダイレクトに響く部分なので緊張感の高まる瞬間もありますが、手ごたえを感じています。将来性もある取り組みだと思うので、がんばって成功させたいです。
―これまでのAI開発案件で難しいと感じたのはどんなときですか?
ある企業の音楽のレコメンド案件を請け負ったときのことです。雰囲気の近い曲をレコメンドしたいというご要望で、正直難しいなというのが第一印象でした。いろいろと検討した中で思いついたアイデアは、曲の波形を一つの画像としてとらえ、その波形が似ているものを集めるというものです。画像の類似度が高ければ、曲の雰囲気も近しいと予測しました。アイデア自体は喜んでいただけました。ところがいざ進めようとすると、課題が見えてきました。
まず一曲を画像に変換するのに一分かかります。一見早いように思えますが、すでに登録されている曲だけでも数万曲あります。それを全てデータ化するのにかかる日数を計算すると、途方もない時間がかかることが分かりました。さらに画像同士の類似度を計算する作業にも膨大な時間がかかります。一曲に対して何万曲分ものグラフを重ね合わせ、距離を計算することもまた多くの時間を要します。
入社して初めて担当した案件で経験も浅かったため、それ以上の提案ができずに悔しい思いをしました。画期的なアイデアだと思っても、採用につながらないともどかしい気持ちが残ります。経験を積んだ今だったら、がんばればどうにかできると思います!
―アイデアを出すところから始めるのがAI開発なのですね。着想はどこから得るのですか?
二つの視点を持って考えています。
一つ目に、開発者の視点です。開発の材料になるのはお客様の持っているデータです。この限られたデータを活用してお客様がまだ見たことのないサービスをどうやったら創りだせるか、実現可能なのか、ということを考えます。
二つ目はユーザー視点です。純粋に「こんなものがあったらおもしろいな」「かっこいいな」という自由な発想です。着想を得るためにAI技術を知らない人と会話をしたりしながら、頭を柔らかくする時間を作っています。仕事でも日常生活でも、多角的にものを見ることを意識することがひらめきに結びついていると思います。
エンジニアにとって「提案力」は大事です。自発的に提案するか、しないかでその後の仕事の方向性が変わってきます。提案力を鍛えていくと「この人はおもしろい提案をしてくれる」という印象づけができ、仕事の幅が広がっていきます。
―Yさんは学生時代からプログラミング技術を学ばれていたのですか?
全くないです(笑) ゲームやファミコンがもともと好きで、その延長上という感覚です。20代の頃はギター専門学校に通い、ギター講師をやっていました。その後は体育会系のリフォーム会社で営業をしていました。この会社が本当に独特で、バスケットボールサイズのおにぎり(米五合)を食べさせられたり、「ハッピーすごろく」という罰ゲームしか当たらないすごろくで大変な目にあったり、いま思い返してもすごい環境でした。その頃テレビドラマで「リッチマン,プアウーマン」(2012年・フジテレビ)を観ていました。主人公の小栗旬がIT業界で成り上がり楽しい恋愛をするという夢のあるストーリーに惹き込まれて。IT業界に入ったら石原さとみと結婚できるんじゃないか! と淡い期待を持ち、未経験でIT業界へ飛び込みました(笑)
体育会系の営業時代に比べ、真面目に仕事に取り組んでいるだけで安定した給与がもらえる、巨大おにぎりを食べなくてもいい、ということで幸せな職業人生を手に入れたと思います。ちなみに石原さとみには出会えませんでしたが(笑)
―トリプルアイズ独自のAI教育プログラム「AIビジネス実践学 AT20」の教材制作にも携わっていらっしゃるとのこと。教材はどのように作られたのですか? 特長を教えてください
教材と資料はKさんと私が手分けして作成しました。初級はほぼKさん、資料に関しては分担、中級は私、という形です。実際に現場で経験した内容を資料に盛り込んでいます。実態に基づいているため、インターネット上で見つけることができない貴重な情報です。独学では限界のある実践的な内容が学べるのが特長だと思います。
―AT20の受講に関して、提供する側としてどんな人に受講してほしいですか?
AIを学び、現場で提案していけるような人に受講してほしいと思います。これはAIに限ったことではありませんが、待っているだけだと決まった業務をこなすという働き方にしかなりません。スタート時点で全員にそういった意識があるとは思いませんが、学ぶ過程で学びの一歩先、提案する力を意識していただけるとうれしいです。
―休日の過ごし方を教えてください
4歳の娘と過ごせる時間が一番の楽しみです。娘とのデートプランをいつも考えています。最近は大きな公園へ遠出をしたり、室内遊具が充実しているスポットに行ったりすることが多いです。娘はパパ大好きっ子なんです。交換日記をしていて、左ページが私、右ページが娘の書くページになっていて、毎回「どれだけ派手にしようかな」と工夫を凝らしたページ作成をすることも楽しみの一つです。以前、社長賞受賞と課長になったことを書いたら、「課長になっておめでとう」とノートに書いてくれ、「おめでとう」と言ってくれたことがうれしかったです。
―今後の展望を教えてください
仕事面でいうと、マネジメント力と技術力を兼ね備えた社員の育成をしていきたいと思っています。こういった人材が現場で重宝されることを感じます。人を育成し、それぞれが新たな現場でリーダーとして力を発揮できるようなサイクルを作っていきたいです。具体的な動きとしては、チームを作り、体制を作り、自分の手から離れる段階まできたら、また次の現場へ行って同じ循環を回していけたらと考えています。
トリプルアイズには前向きで素質のある若手社員が多いと思います。私自身が30代でこの業界に入っていることもあり、スタートラインでいうと若手社員の皆さんはずっと先を進んでいると思います。本人の気持ち、そしてそれを叶えてあげられる上司がいれば、会社は大きく伸びていくと思います。
―若手社会人に向けてメッセージをお願いします
人生は失敗しても大丈夫です。自分のペースで立ち直り、また前へ進めば問題ありません。何事にも恐れずに挑戦してください!