![マガジンのカバー画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/24762615/87f0e921870e3c373207f08ac06cb699.jpg?width=800)
- 運営しているクリエイター
#ハンドメイド
#90 ドレスコーディネーター Luisa(ルイーザ)
「ねぇ、そのマダム…なんとかさんのお店では
どんな準備するの?」
「全部だよ。ドレスも靴もバッグも
メイクもヘアセットも全部。
女の子のドレスコーディネイトで
彼女に勝る人は、僕の知る限りはいないよ。」
「そんなにすごい人なんだ…。
でも、ドレスとかって結構高いよね?
私、そんな持って来てないんだけど。」
「そのことなら心配しないで。
僕が無理に誘ったんだ。僕に任せて。」
Gerardがサ
#89 OliviaとCedric
先程よりも
少し音が大人しくなったシンクの食器たちを
うまく操りながら、Oliviaはため息をついた。
「Olivia、何か、やりたいこととかできたの?
ココを離れるの?」
「実はね…
まだ決まったわけじゃないんだけど、
この前、Cedric(セドリック)が言ってたんだけど…
彼、海底研究所に異動になるかもしれないの。
深海よりももっと深い、海の底よ。
あそこは気軽に行き来ができないから、
#86 時を歪める蝶の雫
「どっちにしても、私が学校に一緒に行くのは
ちょっと良くないんじゃない?」
「そんなことないよ。みんな自由に来るもん。」
「そうなんだ。じゃぁ、今度お邪魔してみようかな。」
Sophiaは
それを聞いて嬉しそうにニッコリと笑顔になった。
「そういえば、今までに
森の女神様の棲む場所に行った人はいるの?」
「いるよ!
真っ白の樹や蔦が絡んんでいる建物があって、
建物の中は朝も夜もずっと明る
#83 フクロウ便専用の扉
「あぁ、おかえり。
氷の王国は楽しかったかい?」
Gregoryがテーブルの食器を片付けながら
私達に声をかけた。
「うん!ただいま!
私、食器洗うね。M.ちゃんはそこに座って。」
Oliviaはカウンターの中に入り
シンクの目の前にある席を指して言った。
シンクでは
洗剤の付いたスポンジとグラスやお皿が
そこに見えない誰かがいるかのように
宙で洗われていた。
スポンジで擦られた泡だらけ
#82 Oliviaの同級生Gerard(ジェラルド)
しばらく王冠を眺めた後、
私達は大広間から広間に出た。
屋外の風はとても冷たく、
徐々に体が冷えていくのがわかった。
「随分寒くなってきたわね…
そろそろ帰りましょうか。」
Oliviaのかけてくれた
空気の膜を作る魔法だけでは
耐えられない寒さになりつつあった。
私達は、また氷の王国の祝祭の街を眺めながら
早足で扉へ向かい、Oliviaの街に戻った。
すっかり暗くなった街で
カフェに向
#73 Gregoryのトンボ
「よかったー!無事ね?」
Oliviaにはまだ半透明のトンボが付きまとっていた。
扉の近くにいることで
再びOliviaの顔に向かって激しく羽ばたき、
おかげで私の頭にも何度かぶつかってきた。
「私、パパに見つかって…
あーもう!しつこいわねっ!」
Oliviaはまだ警告するように付きまとっているトンボを
手で振り払いながら話した。
「それで私、慌てて…
海底都市へ行く鍵の話しかしてなか
#68 海中守護の薬 60min.
「あ、ちょっと待って!
お嬢さん、もしかして、一人で行くのかい?」
鍵屋の店員に、そう呼び止められた。
「あ、はい。」
「お嬢さん、ここの人間じゃないよね?」
「はい、そうですが…」
「どうやって深海で息するのか、
準備はしてますか?」
そこに関しては何も考えてなかった。
以前、凍てつく寒さの氷の王国へ行った時は
Oliviaの母のAlexが何か呪文をかけてくれた。
「あ…何も準備し