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従順を捨てる夜

こんばんは。今日もお疲れさまでした。

ほんの4年前まで、私は自分の性器が部位によって名前を持っていることを知りませんでした。おしっこが出る場所すら間違った認識で覚えていたのです。

10−20代の私は、秘事のことを考えるだけで顔が真っ赤になるほど苦手でした。コールセンターのアルバイトで、意地悪されて、顔を真っ赤にして電話をかわることすらよくありました。

今となっては、全てAVの見過ぎだと思える行為もそれがスタンダードだと思って受け入れました。そんなことを自由に言い合える相手はその時の私にはいませんでした。

それを全て教えてくれたのは、10年以上恋愛していない時期を経て出会った彼でした。彼は既婚者だったのだろうけど、色々なことを教えてくれました。部位の名前も、ゾクゾクする言い方も、体の触り方も、キスの仕方も、甘え方も彼が全て教えてくれました。

彼が既婚者だろうと分かった時、ショックもありましたが、それでもそのままあっていたいという気持ちもありました。彼は毎回私の知らない新しいことを教えてくれました。私の知識欲は高まり続けました。

彼とはあってはいけないという気持ちと、彼に会いたい気持ちがごちゃ混ぜになって、彼に何を言えばいいのか段々私はわからなくなっていました。

彼と最後にあった日、私は傲慢な態度を取りました。うまく甘えられず、「この日にあってもいいよ」というような口ぶりを続けたのです。彼は、明らかに微妙な顔をしました。可愛がっていて従順な犬に、餌を拒絶されたような微妙な顔でした。私は迷っていました。そして、楽になる方を知らず知らずのうちに自分で選んでいたのです。

その寒い夜の改札で別れて、私たちはもう会うことはありませんでした。

彼が教えてくれたので、誰かが私を褒めてくれます。彼になりたかったと言ってくれる人もいます。私は彼になることはできませんでしたが、彼のような人はこの世界にたくさんいるのだと今は知っています。そして、今は秘事の話をできる人がいます。

彼と会えたことは、私にとってとても良いことでした。知ることで世界は少しずつかわるのです。知らなければここでnoteを書いていることもなかったでしょう。おやすみなさい。

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