飲食店未来学96:ワタミの日本サブウェイ展開は成功するか
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サブウェイ商品のメリットとは
サブウェイのメニューはこんな感じ。
ずいぶん昔に北九州で食べた。その当時は、オープンサンドの形だったと記憶しています。今のものよりもっと長くてまさにサブマリン(潜水艦)の形をしたサンドだった。(食べるとぼろぼろこぼれ落ちて食べにくいという印象)
メリットだと思うことは、
●差別化された商品スタイル
商品全体のイメージは確かに「差別化」されている。
●改善されたパンの食感
固いパンは少しやわらかいパンに改善されて馴染みやすくなった。
●時代や季節の応じた新メニューの提供
ワタミとしては、いっそう日本人に合った新メニューを開発するという。新メニューの開発力は競合環境での注目度の強弱につながる。ぜひやるべきだと思う。
サブウェイ商品のデメリットとは
●かってのサブマリン型がカットされてパーツ型になり魅力が落ちた
短くなってもいいのでミニサブマリン型のパンにならないだろうか。両端がカットされたサンドイッチは合理的な形で機能的ですが、高級感がなく、手づくり感や見た目の優しさに欠ける。
バーガーのパテはまあるい丸形まるごと1個の満足感がある。
●マクドナルドやコンビニサンドに比べて価格が高い
価格差を調べてみた。サブウェイのレギュラーメニューの単品の平均値は565円(フットロングは1015円)に対し、マックの基本商品5種の平均値は426円です。
実にその差は139円で率にして32.6%にもなります。この差がどう影響するか、今後の展開を見てみる必要があります。
●コンビニサンドに比べて庶民性が薄い存在
世界中でマックと同レベルの店舗数を誇ると言っても、よほどの熱烈なファン層でない限り、500円以上のサンドや1000円以上のサンドは買わないと思う。
ワタミによる日本国中の展開が可能か
●今後の価格転嫁が難しい価格設定で今すでに売っている
今後も続く食材や人件費、輸送費の高騰を受けて価格転嫁が進めば、売上の鈍化、平均客単価の伸び悩みが予測されて、自ずから店舗展開にブレーキがかかることが予測される。
現状で、サブウェイ商品のレギュラーは、430円~750円で売られており、フットロングは、780円~1350円で売られている。サンドイッチとしては、立派なごちそうメニューランクの価格です。
●日本国中が東京感覚ではない
政治の世界もそうですし、飲食の世界でも同じことが言える。いきなりステーキも東京感覚で全国展開して不採算店を閉店すると、都市部だけしか残っていない。それと同じことがワタミによる全国展開にも危惧される。九州の人間や東北の人間、中国四国の人間が、どこまでサブウェイの商品を1000円前後の金銭を払って食べたいと思うかです。
●節約志向対策メニューがない
客単価に少しはブレーキをかけるかもしれないが、かってのサンド屋にあったような塩野菜サンドのようなヘルシーメニュー群があっても良い。店舗を維持するためには、黒字化を維持するメニュー群が必要となるため。
日本だからこその難しさがある
私が考えるサブウェイのイメージは「ステーキ」店です。対するマクドナルドは「焼肉」店です。
●和風的と洋風的の違い
●庶民性の違い
●売価の違い
ワタミの渡邉社長さんは居酒屋を焼肉に代えましたが、食肉の高騰が壁になりました。日本人の日常生活に馴染むのはやはりサンドよりバーガーです。
そして、さらなる節約志向の高まりで、価格の押し下げによる商品内容の全面的な見直しも迫られることでしょう。
これをクリアできれば、成長企業化すると考えます。
まとめ
1,サブウェイは商品の根本から原点回帰すべき
2,30%価格を下げた売価ラインでマックと激突すべき
3,日本の隅々まで店舗展開できるしくみを一から組み立て直す
これを実行することで成功できる
このように考えています。
(了)