食べ塾89:飲食店におけるランチ価格~客層価格帯別の売れる価格設定4タイプ
何だか面倒くさくてわかりにくいタイトルですね。
でも、飲食店を経営していて自分のお店のお客様の顔を思い浮かべながら、新メニューや値上げ価格をどうするかを考える時に役立つのが、
この「売れる価格帯」のサジェスチョンです。
これはどんな飲食の専門書にも載っていないと思います。
強いて言うなら、30年以上の飲食店メニュー作りとデータ分析を行った結果身に着けた、経験法則的なデータです。
消費税が何%になろうとも、日々来店いただくお客様の「オーダー価格傾向」は変わっていません。
ということは、料理内容とは別に馴染める価格が存在するということです。
<4つのタイプそれぞれに4つのおすすめ価格が存在します>
客層価格帯:私の造語です。お店の客層の顔ぶれから見て予測できるオーダー価格の下限と上限をイメージした価格帯をさします。
これがおよそでも見えていないと、値上のリスクが大きくなると思います。
多くの場合、令和4年の春で「10%の値上げ」が必要な計算になります。
10%値上げしても使える原価(率)は、3.5%どまりと考えてください。
食材が3%~3.5%値上がりしたら、メニュー価格は10%上げないと利益率が今までより悪くなると考えていただきたいと思います
■タイプ1:売上の90%以上が1,000円未満の
お店の場合のおすすめの価格設定
💛ポイント
●一番売りたい価格の商品を780円~860円の間に設定する。
上限は990円ですが、880円までがオーダーが出やすい傾向です。
●価格差をご覧ください。
価格差の中心は「100円差」です。70円差~130円差までの差額感覚で
「料理内容」と「価格感」で、一つ上の料理を注文したくなる
誘惑価格設定にすることが極意になります。
これが、客単価アップにつながります。
ランチメニューで200円差があれば、それぞれのメニューが孤立メニュー
になりますが、150円未満の差だと干渉し合うメニュー価格になります。
■タイプ2:メニューの価格分布が1,000円前後の
お店の場合のおすすめの価格設定
💛ポイント
今どきのママランチ人気店の客層価格帯かと思います。
ちょっぴりリーズナブルで、プチ贅沢感のあるランチ設定ができます。
(*ランチドリンク飲み放題とか、ミニデザート付きとかです)
●一般的には、1,000円きりの価格設定を950円、または980円で設定
します。そして、客層のオーダー傾向を見て、
1,050円、1,080円、1,100円のうちのどれかの「1,000円超え価格」を
設定すれば、あとは、100円づつ乗せた価格感で、
1,180円、1,280円を設定すればよいかと思います。
●この客層帯でも150円差、または最大でも200円未満の差で設定すると
もう一つ上の価格帯でのオーダーに結びつけることができます。
■タイプ3:メニューの価格分布が950円~1,500
円のお店の場合のおすすめの価格設定
💛ポイント
●この価格帯もママランチ価格帯のお店です。
この価格設定でのお店が売りたい価格は1,280円の商品です。
・980円ランチ
評価点85点以上の満足度に作り上げると、上の価格の
料理は必要になりませんから、食材のランクやボリュームで少し劣る
ところを持たせます。
・1,080円ランチ
980円ランチより、どこかお得、どこか優れているところが1つ多い
ランチに仕上げます。
・1,280円ランチ
一つ下の価格が200円も安いのですから、ドリンク付き、サラダ付き
ミニデザート付きなどのいずれかが必要です。
また、見た目の豪華さも強く出すとより効果的です。
原価をかけない場合は、食器の良いものを使用して差別化します。
・1,480円ランチ
複合化したランチです。もしオーダーが出なくてもロスが出にくい
料理設定内容にします。
<役目>
◎1,280円ランチを出しやすくする役目
◎全体の10%~15%の客数がオーダーされるので、平均客単価
アップに貢献できます。
ここがよく出るようになると、
次は、1,680円ランチ、1,780円ランチが狙えるようになります。
■タイプ4:メニューの価格分布が1,000円~2,500
円のお店の場合のおすすめの価格設定
💛ポイント
●欧米のランチに比べればこの価格のランチでも、まだ2/3の価格では
ないかと思います。
この価格帯は、イタリアンやフレンチなどのカジュアルな個人店に
おすすめしたい価格帯です。
●パスタやグラタン、サラダ、鶏豚の肉類、シュリンプなどを使った
料理構成で、原価率30%位で味や料理構成力で魅力を引き出して
欲しいと思います。
●1,000円~1,500円までは500円以内の差が「干渉し合う」客単価アップ価格
設定になります。ただし、1,500円を超えると500円以上~1,000円未満差の
価格設定でもオーダーに結びつくことができます。
*お店の客層により、1,500円以上の価格差があると上位の商品が
売れなくなることがあります。
*お客様それぞれの価格感の多様性がありますので無駄な設定にはなりま
せん。
●この価格帯の主力商品は「1,280円」と「1,580円」になります。
この2つの商品を満足度90%あたりに持ってくると集客力が安定
します。
●この2480円のランチも1580円のランチを出しやすくする役目を持って
います。
どうでしょうか?
少し頭が痛くなったかもしれませんが、この価格設定のイメージと
コツを覚えておくと、お客様に喜んでご来店いただけるお店になります。
お時間のある時に是非ご検討ください。
オードリー7(流石 種)でした。
(了)
お気軽にどうぞ・・・・