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食べ塾47:応募が増える「高時給×短時間雇用」で戦力強化にチャレンジしよう

飲食店の復活は、支える人なくしては成立しません

  多くの人が、収入を増やして生活の安定を目指すために、
「副業」や「複業」(複数の掛け持ちパート勤務)を行っています。

飲食業の世界も「売上が上がらない」「売上づくりが難しい」時代には、
当たり前のように、働く従業員の給与を抑え込んで、
店の存続を最優先に行ってきました。

しかし、今からは、昭和の戦後の基本的な経営の考えに立ち返って、

働く人を幸福にする給与を与え続けるために、
お店はこれだけの利益を上げなければならない

ということに行き着きます。
雇用確保→人件費確保→利益総額確保→売上確保→値上げ→利益増の実現
という流れになります。

これは、

自店にとって必ず必要な人が辞めてゆかないための
給与アップが対策が継続的に必要なのです

能力ある人ほど、
他店に移ったり、独立したりします


■時給アップ案を考えてみました

2時間勤務の場合

  例えば11:30~13:30というピーク時フルタイムになります。
時給が並だったら、この忙しすぎる時間に応募する人はいません。
もし応募があっても、能力のない人ならすぐに辞めます。
仕事を確実にできる人は「1.5人分の力」と考えて検討して下さい。

ランチタイムのピーク2時間で20,000円売るお店でしたら、経営者の方や
社員1名のほかにホールパートさんが2名雇用できる計算になります。

3時間勤務の場合

  ピークタイム勤務2時間+ピークタイムでない時間が1時間と
想定します。お店によっては、3時間丸まるピークタイムという
お店もあるかと思います。
3時間平均で1人平均の売上高が9,000円ですが、現実的には、
11:30~13:00で1時間当たり12,000円以上を売り上げて、その後は
売上ペースが落ちると想定しています。

4時間勤務の場合

  かってのパートタイマー(パート勤務者)が生まれたころの概念は、

3~4時間働いてくれる主婦や独身の女性労働者

でした。
人手不足により、このパート勤務者の方を6時間~8時間雇用することで、
社員さんより手取りが多いパートさんも出てきています。

パート勤務=4.5時間以内の雇用、ただし高時給にする

が今の令和の時代には、改めて考え直す必要があると思います。
勤務時間が短く時給が安いと「働き甲斐がない」ことになり、
応募者は来ないと思います。

5時間勤務の場合

  こんなケースもありました。
すべて含んでいるのでこの時給になっています、と高時給を提示するよりも、基本時給+休日時給加算+交通費支給で、週1日~4日勤務
などの方がすっきりわかりやすいと判断されることです。

6時間以上の勤務の場合

  多くの飲食店の場合には、「賄いつき(食事つき)」は、
〇6時間以上のパート・アルバイト勤務者に適用されている
〇1食200円計算位で税務処理されている
 *100%店負担の場合は、食材原価率が1.5%程度上がります。
  店用食材のアニキ(鮮度が古くなるもの)を使ったり、賄い用の食材を
  別途に買うお店もあります。

■効果のある募集条件づくりをしましょう

時給が高い

  同じ金額なら短時間にしたいのは誰も同じです。
モチベーションにも大いに関係します。
応募しやすい、定着しやすいのです。
ただし、人間関係でやめる人が多いし、若い人の場合は、
相談できる専任のお世話係の人が1年間以内と離職度が高い傾向に
あります。

交通費付き

  女性も学生も交通費込という時給は嫌います。
交通費が付かないという認識になるからです。
交通費込の時給950円と、時給850円+別途交通費〇〇〇〇円だと、
後者の方が応募が多い傾向です。

週1日~4日勤務OK

  そうです。シフト組みが面倒です。
でも、「働きたい日は、働く都合の良い日だけ」なのです。
店都合で募集をかけても、応募者都合を聞いてくれないとわかったら
初めから、電話も掛けません。

賄いつき

  これは、今までの経験で、最初は6時間以上に適用していましたが、
夜間の副業者や大学生のアルバイトの方などの利便性を考慮して、
「勤務4時間以上」の希望者に適用 としました。(実例)

単身者、学生の方たちに喜ばれました。

いくらの手取りが必要かを面談時に聞いて約束を守る

  面接時の記録を取り、会社によっては、本人のサインをいただく
お店もあります。
個人個人で生活の必要額が違いますから、この確認は大切です。

コロナ禍の中で、これが崩れたために、多くの人が離反してゆきました。
早上がりなどで、5000円、10000円が、最低手取り金額に満たないときに、
勤務がなくても「最低手取り保証制度」で加算して支給するお店も
あります。

最後に、
高時給を継続して実現するためには、

利益効率&調理効率&食材効率の良いメニュー作り
●スタッフ絶対数の削減
●AI化・IT化機器の導入(省力化対策)
●販売価格の値上げ(食材高騰対策)

が必要になります。

経営者の方もそのお店で働くスタッフの方も同じ人間です。
同じ生きる権利を持っています。
お店は、運命共同体でワンチームです。

(了)

 


 


飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします