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オードリー7の食べ塾13:デリバリー商品開発の雑学的知識ing公開します!

ここ1年程デリバリーを取り扱う飲食店のサポートをしています。
その中で、仕組みを学び売上の反応を感じ取って、今道半ば。
ノウハウの構築まではできていませんが、
少しわかってきたことをお知らせします。

■「冷えてもおいしい!」を念頭に料理を工夫する

料理が冷えてしまうと、
●味が薄く感じます
●肉や魚が固くなります
●牛や豚の脂が固まります

なので、
うまみ成分を増強して美味しさをアップさせたり、
塩分を強めにしたりします。(*例:塩唐揚げ)

肉や魚は、とろみの強いたれやソースに浸けたり、
卵液で包んでピカタ風にしたり、あんかけにしたりして
包むことで劣化を防ぎます。(*洋食・和食・中華)

お店で食べる場合は、完成して3分後~遅くても30分以内です。

デリバリーの場合は、
届いてすぐ食べても、30分後~40分後に食べます
後で食べるとなれば、2時間後~5時間後まで位をイメージします。


また、
当初は「自宅または友人宅など住居内飲食」で電子レンジがありますが、
もっと普及すると、屋外での利用、電子レンジのないその他の施設内での
利用も十分考えられることになります。

■盛付が崩れにくい容器に盛る

デリバリーの重要なクレームの一つに「盛り付けがグチャグチャ」と
言うのがあります。
高額商品になればなるほど、これはリピートにつながりません。

1品づつ入れるように細かく仕切りがある
 傾けても寄らない、見ための量が半分にならないようにする。

2つの容器を重ねて上下ワンセットになっている
 ご飯系とおかず系に分けられて見栄えがいい、など。

中蓋がついて一つの器の中が上下に分けられる
 麺類やどんぶりなどに使われています。
 
*付属調味料のミニパックも上手に使うと便利です。

*デリバリーですから、箸、PCフォーク・スプーン
 おしぼり、デリちらしなどもコストに入ります。

■デリバリー価格でも買っていただける商品を作る

  自店で行うデリバリーの場合でも結局は同じことですが、
デリバリーコストを上乗せした商品価格」であっても、
買っていただける商品力のある商品を選ぶ  
ことです。

<オーダーする消費者側メリット>

「出かける代わりに指定場所まで配達してくれる便利さ」
「ゆっくり時間を気にせずくつろいで食べられる」
「合計経費と手間を考えると、お店に食べに行くより安い」

というメリットに気づくはずです。

1,デリバリーニーズ商品を選び出す

自店のメニューの中で、
「家で食べたいよねーこの料理」というイメージの商品が売れます。
(*およそ主力商品の半数くらいが該当すると思います)

食事としての商品
 1品または1セット/800円~3000円
 オードブル・高級弁当類/3500円~(多くは10000円以内)~

お酒を飲むときの「アテ」(おつまみ料理)にする商品
 単品/300円~
 セット/1500円~

ファミリーや友人たちとのホームパーティー商品
 3000円~9000円がオーダーしやすい(〇名様~〇名様用と表記)

客単価を引き上げる、ちょい足し1品もの
 これがあるとなしでは月間の売上高が大きく違いますし、
 デリバリー体験者のリピートも全く違ってくると思います。
 (*最も利用者の好みが反映されるところです)

主に4つ(3+1)に分類されると思います。

2,デリバリー特有の冷えてもおいしい料理の工夫をする

  上記を参考にしてください。

3,デリバリー特有の「容器が傾く」のが当たり前の配達です
  盛り付けが崩れにくい容器を選ぶと、
盛付も商品価値も崩れません。とても大切です。

4,「基本の味付け」+「当店オリジナルマジック味」で完成させる

秘伝の味には二つあります
●長い時間をかけて「時が作り出した味」

もう一つは、
●思いつかなかったユニークな調味料を1~3ほどプラスして、
他店で出せない味を実現させているやり方です。(*意外と多い)

これを行うことで、「また食べたい味」「忘れられない味」が
誕生します。

■デリバリーの最高値付け価格の比率は、
 「自店商品価格×1.54倍」で計算してみてください

 UberEatsさんなどは「設定売価の35%」を基準マージンとして
設定されているようです。(ただし特約もあり、変動もあるようです)

デリバリー価格=店売で税込1000円商品×1.54倍=1540円
デリバリー配達手数料=1540円×35%=539円
お店の実質売上高=1540円-539円=1001円≒1000円
(*きっちりで計算する場合は、「×1.5385倍」です)

付属品(箸やフォークなど)以外は負担しないで100%のせるお店
 上記の計算です。

自店とデリバリー客側と17.5%づつ配達経費を分担計算するお店
 1000円÷(100%-17.5%)1212円(税込) 1212円×35%=424円
 1212円-424円=788円(お店の売上収入額)

自店がデリバリーコストを受け持つ場合
 1000円×35%=350円(税込)*デリバリー経費(手数料)
 1000円-350円=650円(お店の売上収入額)
 *原価が税込35%でしたら、1000円の商品を売っても、
  わずか300円しか粗利がありません。

 ~おみせで経費をすべて取り込むデリバリーシステムの導入は
  しないほうが良いことになります。

 *新たにデリバリー専用商品を「税込原価率30%」で
  開発するべきです。
  そして基準価格の1.4倍~1.5倍の価格でデリに乗せることです。

■デリバリー客層は、若者から中高年へ拡大する方向

品物を自宅まで届ける仕組みは、
重要なこれからの「生命線」になる!

これは、サービス業の極致であり、
お店に来るのが当たり前という、昭和平成の常識を覆す現象が
これからどんどん起こってくると思います。
1番大きな変化が「居ながらにして手に入る」です。

価格よりも便利さに気づく人が多くなればなるほど、
デリバリー業、言い換えるときめ細やかな宅配サービス業は
永遠不滅の商売であると考えています。

10年先は、テレワークとキャッシュレス決済で、自宅から一歩も出ずに
1年間暮らせて、すべてのものが居ながらにして手に入る時代になると
ワクワクしています。

(了)

 


 

 

飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします