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飲食店未来学15:経営者の想いが強すぎるお店は繁盛せず苦戦している
おおかたのところ、開業する方たちの想いは今でも、
●自分の経営する店だから何でも自由に自分で決められる。
●飲食業は日銭(ひぜに)が入る商売だから、開業すれば何とかなる。
●自分が売りたい料理をメニューにして、売りたい価格で売ればいい。
などと思っている方たちがいると思います。
その思いが、今飲食店を経営している方たちの心にもしっかりと
根付いています。
本来の飲食店とお客さまの関係は、見方を変えれば、
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ぶつかり合いの戦いの場でもあります
🍉視点1:回復力の弱いお店の特徴
1,自分の流儀を曲げない料理人経営者
私の知っているこの専門店のオーナーは、コロナ期も含めてもう6年間も経営に苦慮しています。
料理も上手であり、ていねいにつくります。食材の知識も豊富です。
しかし、自分の好きな料理は「じっくりていねいに時間をかけてつくる」と
決めているようです。
あるとき、友人2人と会食するためにこのお店を選びました。
事前に次の予定があるから1時間余りで帰りますと伝えて、2品はすでに
注文していました。
なのに、来店してから予約した料理2品と、着席後に追加注文した2品の
合計4品を50分くらいの間につくることになったのです。
「時間がないから急ぎで作ってくださいね」とお願いしていましたが、
4品目は作れませんと摺った府が伝えに来ました。
よほど忙しいのかと思いきや、客席は1組いるだけ。
私たちを含めてわずか2組。全体で7組入るお店です。
途中でトイレに行く通路で、オーナーの彼に呼び止められました。
「いきなりどんどん注文されてもできない!」と食いつかれた。
・・・海老刺しの残りで、みそ汁を追加したものを断られた。
帰りに2万円と少しを払いながら、もう二度とこのお店は使えないと
頭の隅に記憶させた次第です。
以前にも、宴会10人の席に、
コース料理はそんなに早く出せませんと公然と言った彼でした。
(友人から聞いてはいましたが、流石です)
普通で考えれば、
満席でも遅れながらも出せるメニュー構成であるべきですし、
調理工程の工夫も自らもっと行うべきと思います。
この先、このお店の運命はどうなるものやら。気になります。
2,諦めがあるから我慢して楽しくないお店の経営をしている
このような環境で仕事をされている飲食店主の方は多いと思います。
何が原因でしょうか?
●この商圏の立地では、価格が安くないと売れない。
●料理にお得感がないとお客様は来てくれない。
●値上げすれば来てくれるお客様はいなくなる。
いつもこんな思いが頭の中を渦巻いているのでしょう。
私から見このタイプのお店は、
「徐々に弱ってやがて消滅するプロセスにあるお店」です。
なぜ、どうしてか?
攻撃する、改革する、変化する ことをすべてしないで、
耐えるだけだから、弱体化するのです。
🍉視点2:見直しをしてみよう
1,料理の商品力の見直し
お客様に望まれる料理を出しているか?
料理イメージが古い、
味付けの方法が旧態依然
その欠陥を価格の安さや、ボリュームでごまかしていないか?
2,本当に値上げの余地は1ミリもないのか
きっとこのお店のオーナーも、守りの心が強くて、諦めが先に立ち
値上がどうしたら実現できるかを、1度も真正面から考えていないと
思います。
値上げを実行して成功したお店は、
リスキーと思ったけど、値上げに踏み切ってよかったと言っている
ことを知らないのでしょう。
自分の生活費まで減らして、お店をたたむまでのジリ貧を耐えるくらいなら、値上を実行して自爆してもいいくらいのことをすべきでしょう。
🍉視点3:お客さまのニーズを改めて確認する
秋以降のガソリン価格の値上げで、1L200円に達するとも言われています。まさに生活防衛の時代です。
そんな環境での外食産業のあるべき姿は、
「ある程度のお金を支払っても行きたい価値のあるお店」を
つくるしかないのです。
今までの、過去の延長線で考えても答えは出てきません。
ゼロベースから再考すべきと思います。
要は決心と実行力が特に問われる時代に
お店を経営していることを心の底から
理解すべきと思います
今は、
変化のスピードに合わせて歩むしかありません
(了)
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