オードリー7の食べ塾4:間違ってはいけない正しい食材コストの削り方!
飲食店の経営で利益を増やす最大の方法は、食材コスト・人件費コストの2つのコストコントロールが必須条件になります。
2つ合わせて月商(年商)の60%~65%を占めるからです。
ここでは通常人件費コストよりも5%~10%高い食材コストの正しい削減方法についてご説明します。
■対策をとるときのコツは、「利用客を裏切らない」
方法で決着をつけることです!
<してはいけない間違った食材コスト削減方法>
●メイン料理の「食材品質」をワンランク落とす → 期待を裏切る行為
(美味しさが減退)
●メイン料理の「ボリューム感」を10%以上落とす→ 期待を裏切る行為
(小さくなり価値も縮小)
●使用食材の鮮度を落とす(葉物野菜)(冷蔵品を冷凍品に変える)
→ 期待を裏切る行為
(美味しさが減退)
ではどうしたらよいかを考えてみます!
■メイン食材の品質を変えずに使用量を92%まで
下げて8%(まで)の分量を削減する!
具体的な例で説明します。
国産の牛と豚の合挽肉を使ったハンバーグがあるとします。
5%の仕入れコストアップがあったら、メイン料理に使用する合挽肉のパテの量を5%~8%削減した分量に変更します。
●国産牛、国産豚のいずれかを輸入物(長期冷凍)に変えると、美味しさが
半減して、そのメニューの人気が失われてしまいます。
●減らし方を10%以上にすると「見た目に小さくなりすぎる」
ようになります。
10%減らしたハンバーグのパテをしっかり焼きすぎると
大きさが 半減します。・・・もう2度とオーダーしてもらえませんね。
■付け合わせの食材の分量を減らす、食材の種類を
減らす!
<付け合わせの食材の分量を減らす>
●分量を減らすことは本来お客様が望むことではありません。
しかし、販売価格が「売れ筋としての上限価格」の場合は、価格を
引き上げることは禁じ手となりますので、ボリューム調整=原価調整が
解決方法ということになります。
レタスサラダにレッドオニオン、プチトマトと3種類使っていれば、
10%小ぶりなサラダの器に切り替えて、レタスの分量を20%だけ
減らしてみてください。
そうすると減った違和感は器の変更で緩和されます。
付け合わせ料理は、「メインを減らして」他は変えないというのが
小さな工夫です。
そして、
このちょっとした「減らす工夫」が自店の「利益を守る」ということに
直結しています。
これをすることで、今と同じかそれ以上の利益を得られます。
<食材の種類を減らす>
●定食や弁当の構成において、ここ3年間くらいを見ても、
①付け合わせ食材の種類が減った
(例:ハンバーグのガロニが3種類から2種類になった)
②付け合わせ食材がコストの安いものに置き換わった
(例:ポテトフライがホールコーンに置き換わった)
③定食に小鉢がついていたけれどいつの間にか無くなった
④とんかつや唐揚げ、鮭弁当などメインがある弁当の副食材の種類が
極端に少なくなり、2種類が基本になってきた。
⑤おまけに、弁当に入っている2種類の副食材も、大根の酢の物
だったり、ヒジキ煮だったりローコスト食材に変わった。
■メインは大きくして付け合わせは最小にするか、
メインがなくて少量の組み合わせで
コストコントロールすると極意になる!
●食材のコストコントロールで絶対守るべきことは、
「メイン食材のボリューム感の維持」と「ごはんの絶対量の確保」です。
これがないと打ち出し価格の裏付けがないという失敗例になります。
●満足感の出し方1:メインのごちそうを大きく訴える
鶏ムネ肉を使うチキン南蛮を100gでもできますが、
もっとボリュームをつけて150gでも十分に原価内で提供できます。
そしてもっと売れるように、上にかけるソースのタルタルソースを
既製品から自家製に変えると効果的です。
見た目で勝つように「コスト集約型」の商品づくりになります。
その代わりに、手間のかかる付け合わせを青菜一片にします。
●満足の出し方2:ご飯の分量は客層に合わせて気前よくしっかり盛る
客層にもよりますが、ランチの場合で考えると、
男性系か女性系の客層か?
肉体系か?オフィス系か?
のお客様の層でご飯の量が決まります。
(*通常食事目的の場合で1人前200g~230g原価40円~45円)
カレーライスやピラフ、ハヤシライスなどごはん料理の場合は、
おかずがありませんので、「1.5倍量」くらいが目安になります。
●満足の出し方3:メインを少量で多種類構成で6品~12品にする
昔からある幕の内弁当スタイルや数年前からよく見かける6マス・
9マス・12マスの女性好みの弁当や花かご弁当のようなスタイルと
イメージしてください。
こうすると、手間はかかりますが、
メイン食材にドンとコストをかけるのではなく、
「コスト分散型」の商品づくりになります。
(了)
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audrey7.juku@gmail.com オードリー7(飲食専門経営コンサルタント)
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